がんばらないほどお金が貯まる!?「3つの逆ルール」とは?
2019/12/18
“ちゃんとやらなきゃ”と決意するほど、結局辛くなって挫折してしまう…。そんな経験はありませんか? 今までとは真逆のルールをもとに家計管理を続け、気づいたら”貯められる人”になっていた「ゆるやりくり」の達人に、その心得を聞きました!
「やりくりジプシー」だった新米主婦時代
新米主婦時代は、自分に合った家計管理法がわからず”やりくりジプシー”だったというNaluさん。雑誌やネットで見かけたやりくり法にトライするも、最初に意気込み過ぎてしまい、結局重荷になって挫折するパターンの繰り返しだったといいます。
「当時は、とにかく貯金しなきゃと焦るばかりで、何のために貯めるのかなんて考えてもみませんでした。きっと、まわりはみんな貯めているし…とか、主婦なんだからちゃんとやって当たり前なんて思いこんでいたんだと思います」
そんなあるとき、ふと入った本屋さんで、愛読中の雑誌から出ている家計簿を目にします。「なんとなく興味を覚え、軽い気持ちで買ってみました。ただ、今まで何度も家計簿つけには挫折してきたので、”今回はどこまで続くかな”と、正直お試し気分だったんです」
買ってみた家計簿を開いてみたら…、当然ですが書き込みスペースはたっぷり1年分。
「付録もついていて、なかなかの充実度(笑)。ほかの人は、がぜんやる気が出てくるところでしょうが、当時の私にとっては、これがかなりのプレッシャーでした。最初はがんばってあれこれ書き込むだろうけれど、だんだんめんどうくさくなって放置してしまう…そんな姿が予想できてしまって」
やはり買ったのは失敗だったかも…、そう思いながらもほかのページを開くと、日付や項目が空欄なのに気づきました。
「急に、”自由に書いていいんだ”とホッとしたのを覚えています。今までの経験から、”家計簿は毎日書くもの、記入欄はぎっちり埋めるもの”と勝手に決めつけていたのですが、そうじゃなくていいのなら私でも続くかも、と思えたんです」
それを機に、新しい家計簿で家計管理を始めたNaluさん。このとき、今まで家計簿つけに挫折してきた原因を振り返り、あらためて自分のなかで3つの「逆ルール」をつくったそう。
Naluさんの家計簿ルールその1:こだわらないこと
「きれいに書こうとか、細かく書こうとせず、ただの”記録”と割り切ることにしました。記入に使うのはふだんから使っている5色のボールペンですが、基本は黒色で、ポイントで色を使うくらい。当時、インテリアや小物はデコブームだったけれど、シールやスタンプは封印。たまにイラストを添えるくらいで、あえて”地味キープ”を心がけています」
Naluさんの家計簿ルールその2:がんばらないこと
「日々の記入は、食費、日用品費、レジャー費、医療費、その他の5項目のみ。食費と日用品は品目ごとではなく、お店ごとにレシートの合計額を書き写すだけです。しかも、実際のお財布の中と家計簿の金額を合わせることもしません(笑)。計算が多少合わなくても気にしない、全体の流れがざっくりわかればそれでいいやって」
Naluさんの家計簿ルールその3:目標は高く掲げすぎないこと
「今まで、自分にムリな課題を与えすぎていたのも挫折の原因。だから思い切って、毎月の予算は余裕をもって設定し、先取り貯蓄額もあえて少なめに組みました。私の場合、赤字が続くとモチベーションが下がり、余裕のないことがストレスになってしまうので。すると、毎月黒字で終われるようになり、月末のまとめタイムが楽しみになりました。ムリせず自分のペースが作れたことで、暴走することもなくなり、結果、家計が安定するようになったんです」
やりたいことが具体的に見えてくるようになった!
以上の3ルールに基づき、記入は週1回でOKに。リビングの棚に収納してすぐに取り出せるようにしておき、休日の午後、1週間のお財布整理も兼ねて、家計簿をつける時間をとっています。カフェラテや紅茶などの好きなドリンクを片手に、リラックスした気分で5分程度書き込むだけ。一番ホッとできるひとときと紐づけただけで、いつの間にか家計簿つけが習慣になっていました。
また、毎月赤字にならず一定額を貯蓄し続けられているという「事実」も、大きな自信と心にゆとりをもたらしてくれたといいます。
「つけ始めて半年くらいたった頃から、気持ちに余裕が出て、ほかのページも書き込んでみようかなと思えるように。やりくりページの下のメモ欄には、自分のお小遣いの収支を、フリーページには近いうち行きたい旅行先やレジャー施設などを書いています。すると、なんとなくワクワクしてきて、毎日見たり書いたりしたくなってきて(笑)。見返しているうちに、お金の流れが把握できたと同時に、やりくりへの意欲もわいてきて、”よし、来月はこの出費をおさえるために〇〇してみよう”などと、やりたいことが具体的に見えてくるようになったんです」
実際に、食費ダウンに向けてお弁当を休まず作るよう心がけるようになった、なんとなく外食や買い食いを控えるようになった、半年後の旅行に向けて積み立てを始めた……など、小さな取り組みを次々と始めています。
家計簿をつけたら人生観にも変化が!
さらに、家計簿にあった「10年分のライフプラン」を書き込むようになって、人生観そのものにも大きな変化があらわれたそう。
「10年後、家族でどんなふうに暮らしたいか、どんな自分になっていたいか…。そのためにはいつまでにいくら必要かが、セットで考えられるようになり、貯蓄に対する意識が大きく変わりました。今までは、ただ漠然と”貯めなきゃ”だったのが、きちんと目的をもてるようになり、義務とか仕方なくではなく、”家族の幸せのステップ”のひとつとしてとらえられるようになったんです。だから今は、貯蓄とともに家族の夢がひとつずつ実現していく幸せを噛みしめています」
10年前、たまたま手に取った家計簿がきっかけで、Naluさんが見つけた自分らしいやりくり法。「これからも3つの逆ルールをベースに、ゆるく長く続けていくつもりです!」
取材・文/高城直子