お金の専門家がチェック!今、業務スーパーが主婦にウケてる3つの理由
2020/05/08
主婦の間で大人気で、最近はテレビ番組でも取り上げられる機会が多い業務スーパー。じつは20年も前からあることを知っていましたか?そんな業務スーパーは、なぜ主婦の支持を集めているのでしょうか。それを探ると、業務スーパーで買うべきものも見えてきました。節約アドバイザーの丸山晴美さんに業務スーパーがウケている理由を教えてもらいました。
なお、今回ご紹介する情報はすべて2020年4月時点の情報を元にしています。
監修: 節約アドバイザー 丸山晴美
22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て...
みなさまこんにちは。節約アドバイザーの丸山晴美です。
お金にはトレンドがあって、その情報をキャッチできるか否かで、得する人と損する人に分かれます。でも経済に関するお金の情報は、ちょっとむずかしいですよね。私はみなさまに“お金の旬の情報”を“わかりやすく”お届けしていきたいと思います。今回のテーマは「業務スーパーの人気のワケ」!
業務スーパーは2000年に誕生し、現在全国に856店舗
業務スーパーとはご存じのように、神戸物産が手がける、飲食店など向けの食材を提供するスーパーです。個人でも利用でき、ここ数年は節約の味方の代表格として存在感を放っています。
実際、スーパーマーケット業界が不振と言われるなか、業務スーパーの店舗数は拡大中。現在の国内総店舗数は856店舗(2020年3月末現在)で、売上も右肩上がりで伸び続けています(神戸物産ホームページより)。
しかし、業務スーパーが誕生したのはじつは20年前。2000年に兵庫県三木市の1号店がオープンしたのが最初です。そんな業務スーパーが主婦に支持されている理由は大きく分けて3つあります。
業スー人気の理由1:「大容量で激安」な商品が売られているから
業務スーパーの魅力は、何と言っても「コスパの良さ」ですよね。大容量でいて激安の商品が買えるのには、ちゃんと理由があります。主な理由は以下の4点です。
・海外から大量にまとめ買いをしている
・メーカーから直接仕入れているため、中間マージンがかかっていない
・紙のチラシをあまりつくらないなどで経費を節減
・自社グループ工場で製造している
これらによって抜群のコスパが実現されているのですが、この中に今、業務スーパーが主婦にウケている理由も入っています。それが4つ目にある「自社グループ工場でつくられるオリジナル商品」です。
業スー人気の理由2:主婦ニーズを取り入れたオリジナル商品があるから
自社グループ工場でつくったオリジナル商品には、「上州高原どり若どりもも肉」をはじめとした「上州高原どり」シリーズや、「カスタードプリン」などの1リットル牛乳パックに入ったデザート、具材も入った「チャーハンの素」など、ヒット商品がたくさん。
主婦のニーズを上手に取り入れたラインナップで、品質や味が値段以上に良いのが魅力です。他の店では手に入らないため、業務スーパーのリピーターが急増しています。
オリジナル商品には、「チャーハンの素」のようにアレンジがきく商品が多いのも特徴です。チャーハンをつくる以外にも、野菜と炒めればおかずになり、パスタと和えてもOK。手軽で応用範囲が広いのは、主婦にはうれしい便利さですよね。
また、1リットル牛乳パックデザートなどはイベント感もあり、見て買って食べて楽しめます。このように、小さいお子さんをもつ若いママにうれしいラインナップも数多くあります。
料理好きのかたはもちろん、あまり料理が得意でない若いママにも便利なオリジナル商品。業務スーパーで買うなら、これらのオリジナル商品がイチ押しと言えます。
さらに、業務スーパーは年会費もかからないので、普通のスーパーマーケットのように1点からでも気軽に買いに行くことができるのも大きなメリット。店舗の規模によって取り扱っている商品が異なるので、別の店舗に行くのもまた楽しめます。
業スー人気の理由3:コストコの「大きく買う」文化と、冷蔵庫の大型化
大容量の商品が安く買える点では、コストコも定評があります。でも、本社がアメリカのコストコ(コスコ)は、大容量かつ欧米レベルのビッグサイズ。魅力的ではありますが、実際には使いきれなかったり、収納スペースに困ってしまうご家庭も少なくありません。
ただ、コストコが日本でブームを巻き起こしたことにより、日本にも「大きく買う」文化が根づいたことは確かでしょう。
それと同時に、冷蔵庫も変化してきました。前に比べ、冷蔵庫そのものが大型になり、冷凍庫が中央に移動してさらに広くなり、業務用冷凍食品など大型の食品も収納できるようになりました。メーカーによっては0℃程度での冷蔵ができる「チルド」や「急速冷凍」など、さまざまな冷凍技術も導入しており、購入した食材をおいしく、長く保存できるようになったのです。
つまり、「大きく買う」と「おいしく保存する」という土壌ができたところに、業務スーパーの「日本のママのニーズに沿ったオリジナル商品」がぴったりハマったということ。コストコがまいた大容量販売の種が、業務スーパーで花開いたとも言えるでしょう。
業務スーパーが向くか向かないかを冷静に見極めて買いものを
今、新型コロナウイルスの騒動で、「備蓄」の概念も大きく変わりつつあります。
以前は自然災害に遭った時に、ライフラインが復旧するまでの数日間を生き延びることが前提でした。でも、数日間だけでは足りない事態もあることがわかり、「大容量を買ってもいい」「備蓄しておいた方が安心」という認識が生まれました。
少し前まではミニマリストが推奨され、「必要になったら近所ですぐ買えるから、余計なものはもたない」という流れだったのが、「すぐ買えない場合もある」「備蓄は大事だよね」に変わってきたのです。
とは言え、むやみに買い込んでしまうと置く場所がなく、使いきれずムダにしてしまうことになりかねません。今後はそこを見極め、どこで何を買うかをよく考えることが大切です。
基本的に、普段からよく使っている商品は、大容量で買っても問題ありません。しかし、使い慣れてない調味料や食材を、もの珍しさから大容量で買うのはNG。口に合わずに捨てることになったり、我慢して食べたりするようなことになりかねません。使い慣れないもの、初めての商品は、普通のスーパーなどで少量買い、気に入ったら大容量に切り替えましょう。
また、業務スーパーの商品は、大容量の冷蔵・冷凍するものも多いので、冷蔵庫が小さいご家庭は厳選して購入することが大切。家族の人数が少ない、料理をほとんどしないという場合も、商品によっては普通のスーパーで買う方が、上手に節約できることが少なくありません。
食事と家計は直結しています。自分に合った買い方を冷静に判断し、買ったものはすべて使い切ることを基本に、上手な買いものをしましょう。
※業務スーパーの店舗や時期により、商品の取り扱いや価格が異なる場合があります。
※新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、一部店舗で臨時休業や営業時間の変更等を実施している可能性があります。事前に各店舗・施設の公式情報をご確認ください。また緊急事態宣言の発令に伴い、不要不急の外出の自粛が求められています。店舗などへ足を運ぶ際には自分自身と周りのかた、働いているスタッフのかたへの感染防止対策を十分に行うようご注意ください。
取材・文/かきの木のりみ