【新型コロナ支援情報】支払いを先送り・免除・減額できるお金
2020/05/06
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、定期的に支払う義務がある料金について、支払いを先送りにできるケースが増えています。
「家計が圧迫されているご家庭は、ためらわずにすぐ申請しましょう!」と節約アドバイザーの丸山晴美さん。私たちが活用できる「支払いを先送りできるお金」とその方法を解説してもらいました。
なお、今回ご紹介する情報はすべて2020年4月時点の取材内容を元にしております。
監修: 節約アドバイザー 丸山晴美
22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て...
みなさまこんにちは。節約アドバイザーの丸山晴美です。
お金にはトレンドがあって、その情報をキャッチできるか否かで、得する人と損する人に分かれます。でも経済に関するお金の情報は、ちょっとむずかしいですよね。
私はみなさまに“お金の旬の情報”を“わかりやすく”お届けしていきたいと思います。今回のテーマは「新型コロナで支払いを先送りできるお金」!
自分から申請しないと支援は受けられない!
新型コロナウイルスの影響で、仕事を休まざるを得なかったり仕事がなくなったりして、家計が苦しいご家庭は少なくありません。そういう家庭を支援するため、支払いを先に延ばしてもらえたり、減額や免除などをしてもらえる特別措置が続々出てきています。
ただ、こうした措置は原則的に、自分で申請なければ利用することはできません。下記に現在発表されているものをまとめたので、自分が利用できるものがあればすぐに活用しましょう。
電気・ガス・水道の料金
新型コロナウイルスにより収入が減少し支払いが困難な場合、電気・ガス、水道の料金支払いを先送りにすることができます。
電気・ガスはこれまで、「3〜5月分の料金の支払いを1カ月猶予する」としていましたが、感染拡大が続いていることにより猶予期間を2カ月に拡大すると発表しています。申請済みの場合は自動的に再延長となりますが、まだ申請していない人は電気・ガス会社への申し込みが必要です。
ただし、会社によって対応が異なるので、まずは利用している会社に問い合わせてみましょう。
また、水道・下水道は最大4カ月間、支払いを先送りにしてもらえます。「光熱費の支払いが困難で、新型コロナの影響により、緊急小口資金、総合支援資金などの貸付を受ける人」など、いくつか条件があるので、詳しくはお住いの水道局および下水道局に確認してください。
なお、兵庫県小野市では、一般家庭および市内に住んで市内で事業を行う個人事業主の、半年分の水道料金を無料にすることを発表しました。今後、こういう特別措置を行う自治体も出てくるかもしれません。お住いの自治体のホームページをこまめにチェックしましょう。
固定電話、携帯電話、インターネット料金
固定電話や携帯電話、インターネット料金なども、支払期限を先送りする措置が取られています。対象はNTT、KDDI、ソフトバンクの利用者で、料金の支払いが困難な人です。現在は5月末までとされていますが、今後延長される可能性大。まずは各キャリアに問い合わせてみてください。
国民健康保険料、介護保険料、後期高齢者医療保険料
各種保険料は新型コロナウイルスにより一定程度収入が下がった場合に、減額または免除してもらえます。
国民健康保険料の場合、前年よりも収入が7割以下に落ち込む見込みなどいくつかの条件に当てはまると、保険料を再計算して減額してもらえます。支払いも6カ月~1年待ってもらえます(自治体によって異なります)。
主に収入を得ていた家族が新型コロナウイルスが原因で死亡または重篤な傷病を負った場合は、一定期間の保険料が全額免除されます。
このほか、後期高齢者医療保険料や介護保険料も、それぞれ支払いの先送りや減額、免除などの措置があります。詳しくは、お住いの市区町村に問い合わせてください。
国民年金保険料、厚生年金保険料
国民年金保険料も新型コロナウイルスの影響で納付が困難になった場合、保険料が免除されたり、納付を待ってもらえます。免除額は「全額」「4分の3」「半額」「4分の1」の4種類がありますが、免除された場合は、その額に応じて受け取れる年金の額面も下がりますので注意しましょう。
厚生年金の納付先送りも行なっていますので、事業主で厚生年金を払っている場合は問い合わせてみましょう。
所得税、住民税
所得制は原則1年間、納税を先送りすることができ、その期間中の延滞税も軽減されます。住民税は、1年以内の分割納付が可能になります。
もちろん、どちらも本人または家族が新型コロナウイルスにかかったり、事業に著しい損失があったりなどで、支払いが難しい場合です。
申請先は、所得税はお住いの税務署、住民税は市区町村です。
大学、短期大学、高等専門学校、専門学校の授業料・入学金の免除または減額
収入が少なくて「住民税非課税となる世帯およびそれに準ずる世帯の学生」が受けられる制度で、授業料や入学金の免除または減額(授業料等減免)、給付型奨学金の支給などを受けられます。もちろん新型コロナウイルスの影響で収入が減り、住民税非課税となる場合にも当てはまります。
ただし、実際には多様な形態の家庭がありますので、基準を満たす世帯年収は家族構成や構成員の年齢等により異なります。支援の対象となるか、どれくらいの支援が受けられるか、日本学生支援機構の進学資金シミュレーターで大まかに調べることができます。
奨学金の減額返還・返済期限の猶予
新型コロナウイルスの影響により奨学金の返還が困難となった場合に、毎月の返還額を減額して返還することができ、それに応じて返還終了年月も延期されます。 支払い延長は最大15年、返済期限の先送りは最大10年です。
「奨学金減額返済」は月々の返還額を減らせば返還可能である人、「返済期限猶予」は、当面の間、奨学金を返還する余裕がまったくない人が対象です。
申請が遅れると「延滞利息」を取られることも
上記の他に、NHKも新型コロナウイルスの影響を受けたかたの受信料支払いに関する相談窓口を開設。期日までに受信料を支払うのがむずかしい場合などの相談を受けつけています。
申請せずに勝手に払わないでいると「未納」扱いとなり、延滞料金などがかかる場合もあります。まずはちゃんと申請することが大切。申請すればペナルティを受けずにすむのもメリットの1つです。
ただし、支払いの先送りは、支払いがなくなるわけではなく、いずれは払わなければなりません。その点を忘れずに家計管理をすることが大切です。
新型コロナウイルスによる特別措置については流動的な部分が多く、変更や新たな措置が登場したりするでしょう。利用できる措置を見逃さないためにも、住んでいる市区町村や利用している会社のホームページなどをこまめにチェックして、最新の情報を確認してくださいね。
そしてまた、給付金申請を代行するなどの、新型コロナウイルスに乗じた詐欺電話などが確認されています。まずは関係機関のホームページなどで情報収集をして、ご自身もしくは代理人を立てて申請手続きをしましょう。申請手続きなどにATM操作やかかる経費を振り込む必要はありません。
取材・文/かきの木のりみ