70代ミツコさんの「年金月7万円」でも満足できる15のアイディア

2021/11/27

人生100年時代。長く続きそうな人生の後半を、年金だけでぜいたくに暮らせるの?そんな不安を解消すべく、つつましく、知恵をしぼってある意味ぜいたくに暮らしている人生の先輩にお話を聞きました。豊かなアイデア集です。

<教えてくれた人>
ミツコさん
8人きょうだいの5番目として牧師の家庭に育ち、自身も牧師となる。牧師の夫と結婚し、夫婦で47年間教会を運営。4人の娘は独立し、孫は16人。5年前に夫と死別し、現在は公営住宅でひとり暮らしをしている。

『74歳、ないのはお金だけ。あとは全部そろってる』¥1,430(税込み)/すばる舎
1カ月の生活費は基本7万円。収入に余裕はないけれど年金で豊かに暮らしているミツコさんの
日常や今の思いをつづった話題のエッセイ集。

年金額は少ないけれど豊かに暮らしています

牧師の家に生まれ育ち、「もっともっと」と欲しがるよりも今ある物に感謝し、あるなかで楽しむ習慣が身についたと話すミツコさん。「収入は月7万円、というと驚く人もいますが、昔、大家族でお金がたりなかったころに比べれば、今は1人で7万円も使えて『私ってお金持ちね』と思うんです」。
週3回はシルバー人材センターの仕事をしたり、孫を預かったり、定期的に教会に通ったり忙しい日々。でも無理はせず、体調管理に気を配っているそう。「ひとり暮らしを続けるには健康第一。昼寝もしてしっかり休み、良く食べ良く運動。日常のひとつひとつを大切に、充実した毎日を送っています」。

ふだんの買い物は現金よりクレジットカードや電子マネーで。枚数をしぼって効率よくポイントをためている。

1カ月の家計表

<収入>
国民年金
厚生年金
夫の遺族年金
3つ合わせて7万円

合計 7万円

<支出>
家賃 約6000円
社会保険料 約4000円
水道光熱費 約8000円
通信費 約1万円
食費、雑費、その他 約4万円

合計 約7万円

※シルバー人材センターの収入約2万円は教会への献金、臨時出費に

70代ミツコさんの年金月7万円でも満足できる15のアイディア

1人の家時間を「楽しむ」
生涯の大半を夫、子ども、そして教会の会員とともに過ごしてきたミツコさん。今は1人で好きなときにごはんを食べ、昼寝をする生活に。「自由な1人の家時間が、とても楽しくて貴重です」。

1 植物の成長を眺めるのが幸せ

毎年きれいに咲く、いただき物の胡蝶蘭とセントポーリア。「葉が伸びたり花が咲いたりするのを見ると、とても幸せな気持ちになります」。

2 朝のお楽しみは、こんがりトースト

朝食はトースターでカリッと焼いたパン。部屋は香ばしい香りでいっぱいに。「トースター、電子レンジともに18年選手。ただ焼くだけ、温めるだけのシンプルな使い方です」。

3 美術館の半券を貼って、感動した絵画を思い出す

1Kの間取りの、台所とリビングを隔てるガラス戸は物を貼るのにちょうどいい。「美術館の半券は捨てないで貼っておきます。感動した思い出がよみがえります」。

4 ピアノを弾きながら賛美歌を歌う

「コロナ下の自粛生活中でも、家に1人なら気兼ねせずに歌を歌えます。小さな電子ピアノを弾きながら賛美歌を歌い、1人の時間を楽しんでいます。声を出すこと、大事ですね」。

5 いつも笑顔で免疫力UP

笑顔になるだけで免疫力が上がると聞き、1人のときも笑顔で過ごすようにしているというミツコさん。台所のシンクの上には鏡を立てかけ、食器を洗いながら表情をチェック。

6 孫に教わりながらスマホで連絡し合う!

娘や孫とはLINEでやりとり。Facebookに登録したら、音信不通だった友人から連絡が来たことも。「孫に聞くことも多いですが、スマホって便利。今も興味津々です」。

長く健康でいるために「食べる」「動く」

健康を保つ秘訣は、3食きちんと食べ、よくかみ、よく寝ること。そして生活のなかでできるだけ体を動かすこと。「昔からずっと言われてきた普通のことが大事です」。

7 手作りの料理が安いうえに健康的

昔ながらの総菜を手作りするミツコさん。食材は極端に安い店ではなく、信頼できる店で購入。「食事は保存容器のままではなく、きちんと盛りつけて食卓に並べて食べると『おいしかった』と満足できます」。食事中や食間は白湯を飲むのがミツコさん流健康法。

8 よい油を積極的にとる

「健康食品は買いませんが、日々の食事には体によい油を取り入れています」。トマトジュースにはオリーブ油、みそ汁にはアマニ油を1さじ。これで乾燥肌がかなり解消!

9 マイぬか床で自分好みの漬けぐあいに

結婚後50年近く作り続けているぬか漬け。今は小さな保存容器をぬか床にして、冷蔵庫の隅に保管。「自分で作ったぬか漬けがいちばんおいしいですね。自分好みの食べごろにできますし」。

10 ふとんでも居間でもストレッチ&筋トレ

「70代は筋力維持が欠かせない年ごろ。ジムに通わなくても家で充分運動できます」。ひざつき腕立て伏せも、最初は全然できなかったのにだんだん回数をこなせるようになったそう。

朝起きたら畳の上で筋トレ。

11 背すじを伸ばしていつも若々しく

若々しく元気でいられるようにと、部屋の鏡で全身をチェックするのを日課にしているミツコさん。「"背すじ真っすぐ"は立っているときも座っているときも気をつけています」。

ささやかでも「働く」「人に会う」

働くことは日々の張り合いであり、家計の支え。人に会うことはよい刺激になって、気持ちも前向きに。「忙しく動いていることが私の性分に合っています」。

12 週3回はシルバー人材センターの仕事へ

地元の自治体が運営するシルバー人材センターに登録したのは、夫が亡くなる約1年前のこと。仕事は、共働き家庭の家事のサポート。「得意な料理や家事で役に立てて、1時間1000円の報酬がもらえます。臨時出費にも慌てなくなりました」。

13 友人が泊まれるように、ふとんはあえて多めにストック

「今はコロナ禍でむずかしいですが、以前は神学校時代の旧友が泊まりに来ていました」。旧友とのおしゃべりは胸はずむ時間。災害用も兼ねてふとんは多めに。

14 孫たちからもらった手紙は目立つ場所に貼る

覚えたての文字で一生懸命書いたような手紙やかわいい絵。孫や仕事で伺った家庭のお子さんからもらった作品は宝物。「目にするたびに心が温かくなります」。

15 おかずをたくさん作って食事会に持って行く

現在コロナ禍で休止中ですが、以前は週に1回、教会の祈りの会後に昼食会をしていたそう。「10人分の昼食のおかずを作って持っていくのが私の役目。大変だけどこれが張り合いに」。

参照:『サンキュ!』2021年12月号「私らしい、あたらしいぜいたくのすすめ」より。掲載している情報は2021年10月現在のものです。撮影/林 ひろし 取材・文/宇野津暢子 取材協力/すばる舎 編集/サンキュ!編集部

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