ニオイで体の不調がわかる!放置すると危険な「体臭」とは!?
2023/06/29
人間、生きている以上「体臭」の発生は避けられませんが、ときには放置すると危険な可能性がある体臭もあるんだとか。また女性の場合、洗いすぎると逆にニオイが強くなってしまう可能性も……。
今回は体臭が知らせる身体の異常などについて、20代は外科医、30代は免疫学者、40代は漢方医として研鑽を積み、現在は新見正則医院の院長として難病・難症の治療を行っている新見正則氏に聞いてみました。
- Q.体臭から身体の健康トラブルがわかるのでしょうか?
- Q.注意したほうがいい体臭は具体的にどのようなものでしょうか?
- Q.とくに女性が注意すべき体臭はどんなものがあるのでしょうか?
- Q.危険な体臭に気づくために心がけておくことはなんでしょうか?
Q.体臭から身体の健康トラブルがわかるのでしょうか?
体臭は大切な健康のサインです。日頃と違うニオイを感じたら体の変調にも注意しましょう。皮膚からのニオイのほか、呼気(息のこと)、尿、便、月経血なども体臭と関係します。体臭からがんを発見する「がん探知犬」がいるほど、体臭は健康状態と結びついているのです。
たとえばアルコールを飲むと、呼気がお酒臭くなることはみなさん経験があるでしょう。血液のある成分は呼気として排出されます。そんな呼気からがんのスクリーニングを行うというプロジェクトも進行しています。
一方でニオイへの敏感さには個人差があります。フランスでは香水を調合する調香師という職業があります。食事によって便のニオイや呼気のニオイが変化することもみなさん知っていると思います。
自分の体臭に敏感になることも大切で、また他人に自分の体臭の変化を指摘してもらうことも大切です。そんな体臭の変化を感じたら、そしてそこにその他の不調が加わった場合には、内科を受診しましょう。
Q.注意したほうがいい体臭は具体的にどのようなものでしょうか?
ニオイを言葉で表現するのはむずかしいのです。音楽や音声は電子媒体に記録できますが、ニオイは科学が進歩した現代でも電子媒体に記録できません。わかりやすい表現のものしか伝わらないのです。
例えば糖尿病が進むと「古くなった果物」のニオイがします。肝臓が悪くなると「アンモニア」のニオイがします。また加齢臭は「ロウソク」や「古本」のニオイと表現されます。
明らかに他とは異なる、今まで経験したことがないようなニオイの時には血液検査をまず行うことをおすすめします。
Q.とくに女性が注意すべき体臭はどんなものがあるのでしょうか?
体臭を作る原因は男性でも女性でも基本的に同じですが、女性の体臭の特徴はホルモンの影響を受けやすいことです。また女性生殖器は男性にはありませんので女性特有のニオイに繋がります。
生理の時に月経血が酸化腐敗して、デリケートゾーンのニオイが強くなることがあります。この時に注意点はニオイを消そうとゴシゴシと、膣の中まで洗うことです。膣は善玉菌のお陰で酸性に維持されています。その善玉菌まで洗い流すと逆にニオイが強くなります。
Q.危険な体臭に気づくために心がけておくことはなんでしょうか?
日頃から体臭を意識することですが、自分の体臭の変化はなかなか自分では体感できません。体臭の変化を教えてくれるような、なんでも語り合える家族や友だちを持っておくことが大切です。つまり日頃から人の意見を聞く姿勢が自分の変化をしるためには重要です。
「あの人は何を言っても聞かないから」と周囲から思われている人は体臭から病気を見つけるという点でも損だということです。