隔離されたマサバ

鯖の栄養で健康に~子供から大人までみんなに嬉しい効果を解説~

2023/09/29

日本では昔から「大衆魚」として、親しまれている鯖。あじやいわしと共にポピュラーな魚です。

ところで、千葉の地方では「秋鯖嫁に食わすな」という、ことわざがあるそうです。

意地悪なお姑さんが「脂がのって美味しい旬の秋鯖を嫁に食べさせたくない」と言った説と、優しいお姑さんが「鮮度が落ちるのが早く、腐りやすい鯖を、かわいい嫁に食べさせるわけにはいかない」と言った説があります。

旬の鯖の美味しさや鯖の足の早さを上手に表現されたことわざですね。

そこで今回は鯖の栄養や効能について解説していきます。鯖が苦手な方でも食べやすい方法もお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。

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鯖の栄養成分と効能

鯖が体によいイメージのある方は、多いのではないでしょうか?それでは鯖に含まれる栄養成分を詳しく説明いたします。

●鯖に含まれる良質なタンパク質
鯖には良質なタンパク質が含まれます。良質なタンパク質とは私たちの体において利用しやすいタンパク質のことで、子供の体の成長や大人の筋肉の維持に効果的です。
なお良質なタンパク質は、子供から大人まで欠かせない栄養成分ですので、毎日意識して食べたいですね。

●鉄分で疲れにくい体に
鯖には鉄分が多く含まれ、その量は同じ青魚(※)であるあじの2倍です。
(※)さばやあじ、いわし、さんま等の背側の表皮が青い魚のこと

ちなみに鉄分は、血液中で私たちの体中に酸素を運搬する重要な役割を持っています。鉄分が不足すると、体が重く疲れやすくなります。
鯖のように鉄分の多い食品を日々の食事に取り入れて、疲れにくい体をつくりましょう。

●血液をサラサラにするDHA・EPA
DHAやEPAは血液をサラサラにし、動脈硬化を防ぐ効果が期待されている栄養素です。
ちなみにDHAとEPAは脂肪酸といって脂質の主な材料です。脂肪酸は肉に多く含まれる飽和脂肪酸と、魚や植物に多く含まれる不飽和脂肪酸に分けられます。鯖は魚ですので、DHAやEPAなどの不飽和脂肪酸を含みます。

●ビタミンDで丈夫な骨づくり
ビタミンDは骨や歯の発育を促す栄養素です。
またビタミンDはカルシウムの吸収を促進する働きがあります。カルシウムは丈夫な骨づくりに欠かせない栄養成分ですので、私たちの体の中で不足すると骨がもろくなり痛みを感じることも。

参考までに令和元国民健康・栄養調査によると、日本人のビタミンD摂取源の1位は「魚」です。鯖のようにビタミンDが豊富な魚を食べて、丈夫な骨をつくっていきましょう。

塩鯖・鯖缶・冷凍鯖に加工すると栄養成分は変化する?

サバの缶詰。缶詰。
KPS/gettyimages

新鮮な鯖はとても美味しいですが、忙しい日々の中では加工済みの鯖を食べる機会も多いかと思います。
そこで気になるのが加工した鯖の栄養成分ですよね。ここでは、塩鯖・鯖缶・冷凍鯖の栄養成分の変化を見ていきます。

まず、塩鯖と鯖缶は栄養成分に変化は少ないのですが、塩分が増えます。
そもそも塩鯖は水揚げされた鯖の頭や内臓を取り除き、振り塩をしたものです。そして、鯖缶は水揚げされた鯖の頭や内臓を取り除き、水と塩で作った調味液と共に缶に詰めて作ります。

塩鯖と鯖缶は加工する際に塩を足すため、塩分が高いのです。
次に、冷凍鯖は生の鯖と比べて栄養成分の変化はほとんどありません。というのも、冷凍鯖は新鮮な鯖を急速冷凍するため、品質を落とさずに保存できるからです。さらに冷凍鯖を冷凍庫にストックしておけば、いつでも美味しい鯖を食べられて便利です。

忙しい日々でも、魚を食べたいと思う方にオススメいたします。

●健康に悪いって本当?
新鮮な鯖と比べて、加工した鯖は健康に悪いイメージのある方もいらっしゃるかもしれません。

確かに塩鯖や鯖缶は塩分が多いので、高血圧症予防の観点からは「健康に悪い」と考えられます。しかし、加工した鯖にもたんぱく質や鉄分などの体によい栄養成分が含まれます。つまり、加工した鯖だからといって一概に「健康に悪い」とは言えないのです。

なお、塩鯖は塩抜きすれば塩分を減らせます。鯖缶は調理する際に元々の塩味を活かして、調味料を減らせば塩分が多くなりすぎることはないでしょう。

鯖のカロリーは高いのか

結論から申し上げますと、鯖のカロリーは高いです。鯖のカロリーは100gあたり211kcalです。同じ青魚であるあじのカロリーは100gあたり112kcal、いわしは100gあたり156kcalであることからも、鯖のカロリーの高さが分かるかと思います。

そもそもなぜ鯖のカロリーが高いかというと、脂質が多いからです。脂質は高エネルギー源と言われ、私たちの体にとって必要なエネルギーを多く持っています。ちなみに、あじの脂質は100gあたり4.5g、いわしは9.2g、鯖は16.8gです。鯖の脂質はなんとあじの3倍、いわしの1.8倍も多いのです。

ただし鯖に含まれる脂質の中には、DHAやEPAといった体によい効能のあるものも含まれます。

●毎日食べるとダイエット効果はある?
最近の研究で、魚の油に含まれるDHAやEPAが脂肪燃焼細胞を増やす、と分かりました。
そもそも私たちの体には、脂肪を貯め込む「白色脂肪組織」と、脂肪を分解する「褐色脂肪組織」があります。
そしてDHAやEPAには「白色脂肪組織」を「ベージュ脂肪組織」という「褐色脂肪組織」のような働きをする組織に変化させる働きがあるのです。ベージュ細胞組織が増えると、肥満を防げると考えられています。
鯖に含まれるDHAやEPAには、ダイエット効果が期待されているのです。

●スポーツをする人にもオススメ
DHAやEPAには
・心拍数の上昇抑制
・酸素摂取量の上昇抑制
・筋肉痛を抑制
・最大筋力低下抑制

などの運動効率を高める効果が期待されています。
スポーツをしている方は意識して鯖を食卓に取り入れると、良い結果が得られるかもしれませんね。

子供に嬉しい栄養成分はなに?

それは、タンパク質です。
タンパク質は、私たちの体において皮膚や臓器、筋肉などあらゆる部位の材料となっています。子供の体は成長の途中ですので、より多くタンパク質を必要としています。鯖には良質なタンパク質が含まれるので、子供の成長に嬉しい栄養成分といえるでしょう。

なお「DHAを摂ると子供の頭がよくなる」という噂をよく耳にしますが、実は科学的根拠はありません。
しかしDHAは血液をサラサラにし、動脈硬化を防ぐ効果が期待されています。子供の健康を守るために、DHAを積極的に摂取するとよいですね。

鯖の栄養素を効果的に摂る方法

サバの塩焼き
Yusuke Ide/gettyimages

鯖に含まれるビタミンDは油と一緒に摂取すると吸収力が上がります。つまり鯖の栄養素は、油と一緒に食べると効果的に摂れるのです。
ただし繰り返しになりますが、鯖にはもともと脂質(油)が含まれます。そこで、焼き鯖や味噌煮など、油を使わない調理方法で食べても鯖の栄養素をしっかりと摂れるといえるでしょう。

●【子供から大人まで】みんなが食べやすい鯖レシピをご紹介
いくら栄養豊富とはいえ、鯖が苦手な方もいらっしゃいますよね。独特の臭みであったり、小骨が多いところが嫌い、という話もよく聞きます。

そこで、今回は鯖のパン粉焼きのレシピを紹介いたします。レモン汁とにんにくに漬けることで、臭みが気にならなくなります。またパン粉にバジルを混ぜると、更に香りがよくなるのでオススメです。
鯖は骨取りのものを使うと、小骨が気にならないので食べやすいですよ。

【鯖のパン粉焼き(レモン風味)】
【材料】~2人分~
・鯖 2切れ
(下味)
・酒      大さじ1
・塩      小さじ1/2
・おろしにんにく 小さじ1/2
・レモン汁 大さじ1
(パン粉)
・パン粉 大さじ3
・オリーブオイル 大さじ1
・乾燥バジル 小さじ1/2(お好みで)

【作り方】
①下味の調味料を混ぜ、鯖を10分漬ける
②ポリ袋にパン粉とオリーブオイル、お好みでバジルを入れてよく混ぜ合わせておく
③天板に、食材がくっつきにくいアルミホイルを敷き、①の鯖を並べる
④③の鯖に②のパン粉をのせて、アルミホイルを被せたらオーブントースターで10~15分ほど加熱して、できあがり
※焼き色が足りない場合は、アルミホイルを外して1~2分追加で加熱してください

まとめ

以上、鯖の栄養成分と効能について解説しました。
鯖は、タンパク質や鉄分、DHA、EPA、ビタミンDが豊富に含まれることがわかりましたね。鯖のタンパク質は良質なので、子供の成長や大人の筋力の維持にも役立ちます。

また新鮮な鯖だけでなく塩鯖や鯖缶、冷凍鯖も使いやすく栄養豊富です。気になる塩分は、塩抜きや料理をする際に調味料を減らすとよいですね。
鯖が苦手な方でも食べやすい鯖のパン粉焼きレシピもぜひお試しください。
それでは当記事を参考に、鯖の栄養成分があなたの健康のお役にたつと幸いです。

■教えてくれたのは・・・

シンクヘルスブログ編集部

糖尿病に強みを持つ健康管理アプリを展開するシンクヘルス社のオウンドメディア。ダイエット、糖尿病の食事、マインドフルネスなど幅広い健康情報について、管理栄養士や臨床心理士、運動指導士などの専門家陣が確かな根拠をもとに執筆している。

 
 

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