母とお子様のスーパーマーケット

子育てと家事に追われ「スーパーのパート」が精いっぱいだった43歳。 そろそろ正社員を目指してみる?

2024/01/26

「女性が職場で輝ける社会を実現しよう」という政策も話題になる昨今。仕事を持つ女性は年々増加しています。働く人の数だけ、輝き方もやりがいも悩みもあるはず。

20~40代の女性に人気の雑誌「サンキュ!」では、働く読者のリアルな声を聞きました。1人目は、現在スーパーマーケットでパートタイマーとして働く小野さん(仮名)のお話です。

小さなスーパーのパート。仕事は「社員と変わらない」?

編集部:今現在のお仕事について、教えてください

小野さん(以下、小野):大手スーパーの小さな店舗でパート社員として働いています。発注の仕事が主です。

今は3年目で、店長、副店長といった社員さんの代行もする、パートの管理代行という立場。朝、鍵を開けたり、金庫を管理したり、受付をやってみたりと、社員さんと同じような仕事もしています。

やることは多くて「社員で入っていた方がラクなんじゃないの?」ってみんなに言われるぐらい、仕事内容は多岐にわたっています。

「子どもが小さいうちは家にいたい」そんな思いから都度仕事を辞めたけれど、接客業一筋でした

編集部:これまではどんなお仕事をされてきたのでしょうか?

小野:地元が観光地だったので、高校を卒業して旅館に勤めました。

20歳で結婚して、子どもが小さいうちは家にいたくて専業主婦になったのですが、子どもが3歳になった頃、地元のイタンリアンレストランでパートを始めました。4年くらい勤めて第2子妊娠を機に辞めました。

料理や家事は好きなので、仕事を辞めるのは嫌ではなくて、自分にとっては自然なことでした。

編集部:お二人目が3歳になった頃にまた復帰されたのですね?

小野:職場の人とは辞めた後にもよく連絡を取り合っていたので、そこから紹介してもらい、また新たなイタリアンレストランに勤めました。

7年くらいいて、調理のことや食材の勉強にもなったし、すごくいい職場だったのですが、シェフが体調を崩されて、残念ながらお店がなくなってしまいました。

編集部:それでスーパーでパートをすることに?

小野:そこで働いている方が近所に住んでいて、「今パートが空いているからどう?」みたいな感じで紹介してもらって入りました。

「社員にならないか?」という話もタイミングが合わず、悩んだ末に家庭優先で断念

編集部:お子様が生まれてからはずっとパート勤務ですが、社員になろうと思ったこともありますか?

小野:社員にならないか?というお誘いもあったんです。でも、その時はまだ子どもも小学生だったので悩みました。

スーパーの場合は、社員になると締めまで働くことになって、帰りが夜の8時、9時までになってしまうので、家庭が心配ということでお断りしたんです。義理の両親と同居していたのですが、家事はすべて私の担当だったので。とても手が回らないと思いました。

編集部:それはお忙しかったでしょうね。その気持ちは今も変わらないのですか?

小野:だいぶ子どもも大きくなったので、もっと働けるなと思っています。

ところが会社の方が今度はそういう状況ではなくなってしまって、社員登用の話はストップしちゃっている感じです。なかなかタイミングも難しいですね。

スーパーの現場は実はチームプレー。売り上げを上げるのも、腕と連携プレー次第

編集部:お仕事自体はいかがですか? 楽しさややりがいを感じますか?

小野:売上に貢献できるような動きができるとやりがいを感じます。

季節ごとに、チェーン全店で売り出しをやるのですが、上位に入ると表彰されたり、賞金が出たりして、パートのみんなで分け合えるんですね。

うちの店はすごく上手に売ってくれる方がいるので、上位を狙えるんです。私は発注の係ですが、どれぐらいの数を入れるか自分で考えたり、みんなで協力して売り切ったりするのがすごく楽しいです。

他店で10枚くらいしか売れなかったステーキ肉をみんなで150枚も売ったことがあります。

パート仲間の力を合わせて、大量発注を売り切ると、達成感が!
パート仲間の力を合わせて、大量発注も売り切ると、達成感が!

編集部:実はチームプレーなんですね?

小野:売るための陳列の仕方を考えたり、上手に調理して試食をしてもらってとか、どういう料理の紹介をしようかとか、アイデアを出し合ったりします。

だから一人でやってる感がないっていうのが一番いいかなって思います。

編集部: 地域密着の店に勤めるというのも、アットホームさがあっていいものですか?

小野:地域性というか、わりと小型の店舗なので、お客さんも大体同じだったり、来る時間も決まっている人も多いんです。

お店に来て喋らないで帰る人があんまりいないです。お年寄りはもちろんですけど、若い方とかでも子どもさんを連れた方もお話をしたいのかなっていう感じで。

それでお話して、おすすめをご案内したりして。そういうのが上手なパートの方がいて、その人が勧めると大概買っててくれたりします。

だから、周りに恵まれてるというか、話しながらワイワイしながらやってる感じですね。



スーパーのパートは主婦にとって身近な仕事ですが、チームワークと工夫次第で、やりがいも成果も変わってくるよう。家事や料理といった主婦のスキルも生かせそうです。

次回はそんな小野さんの働く上での悩みもおうかがいします。

【お話を聞いた人】

●小野舞子さん(仮名・43歳)
夫、長女(22歳)、2男(14歳)の4人家族。結婚21年目。高校卒業後、接客業につき、結婚を機に専業主婦に。子どもが大きくなったタイミングで再び接客業のパートを始める。

○お仕事データ
勤務形態 パート
勤務時間 1日4時間 週4日
年収 約130万円
お仕事内容 スーパーのパート管理代行。発注業務、受付、電話対応などが主な仕事内容。

スーパー勤務の小野舞子さん(仮名・48歳)
スーパー勤務の小野舞子さん(仮名・48歳)

イラスト/すぎやまえみこ 取材・文/尾崎真佐子 企画/サンキュ!コメつぶ編集部

 
 

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