ビジネスシーンで頻繁に使用される「敬具」という言葉。手紙やメールの結びに使われるこの表現には、どのような意味が込められているのでしょうか。また、正しい使い方や注意点についても解説します。この記事を通じて、「敬具」の使い方をマスターし、ビジネスコミュニケーションをより円滑に進めましょう。

「敬具」の意味とは?
「敬具」の基本的な意味
「敬具」とは「つつしんで申す」という意味で、手紙やメールの結びに用いる「結語」です。「拝啓」などの「頭語」とともに用いられ、相手に対する敬意を表す言葉です。日本語のビジネス文書では、特にフォーマルな場面で使用されることが多く、相手への礼儀を示すために用いられます。手紙の最後に「敬具」と記すことで、文章全体を丁寧に締めくくる役割を果たします。
「敬具」の活用シーン
ビジネスにおける文書での使用
ビジネス文書では、特に上司や取引先など、目上の人に対して使用することが一般的です。その場合は文頭に「拝啓」を用い、文末に「敬具」としてメールの本文を丁寧に締めくくることで、相手に対する敬意を示し、良好な関係を築く一助となります。またフォーマルな印象を与えます。
個人宛の手紙での使用
手紙においても、「敬具」は結びの言葉として広く使用されます。特に目上の相手へ送る場合に欠かせない表現です。ここでも「拝啓」に始まり、手紙の最後に「敬具」と記すことで、文章全体が整い、相手に対する礼儀を示すことができます。
「敬具」を使う際の注意点
「敬具」単体では使用しない
「敬具」は「拝啓」などの頭語、に加え、時候の挨拶、本文、結びの挨拶と併せて用いられる表現です。「敬具」のみで使用することは誤りです。
メールでは原則として用いない
ビジネスメールの場合は、要件や結論を先に示すことが最優先と考えられるため、「拝啓」と「敬具」は原則として不要です。かえって失礼にあたる可能性があるため、注意しましょう。
「敬具」の使い方と例文
ビジネス文書での例文
拝啓 盛夏の候、貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
《本文》
今後とも変わらぬご愛顧を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
敬具
株式会社〇〇〇〇
総務部 山田太郎
目上の人への手紙での例文
拝啓 梅雨明けが待ち遠しい今日この頃、先生におかれましてはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
《本文》
またお目にかかり、直接ご挨拶させていただける機会があれば幸いです。
これから暑さが厳しくなりますが、どうぞご自愛くださいませ。
敬具
令和〇年◯月◯日
〇〇大学〇〇学部卒業
◯◯◯◯(氏名)
「敬具」への返答方法
返答例
拝復(※または「敬復」でも可)
貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
このたびはご丁寧にご案内を賜り、誠にありがとうございます。
◯◯の件、承知いたしました。
今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。
敬具
「敬具」の類語・言い換え表現
「謹白」
「敬具」の類語として、「謹白」があります。
「謹啓」とセットにして、より改まった文書に用いられます。
「かしこ」
「かしこ」は、特に女性が手紙の結びに用いることが多い表現です。「敬具」と同様に、相手に対する敬意を示す言葉であり、フォーマルな場面で使用されます。
まとめ
「敬具」は、ビジネスシーンでの手紙やメールの結びに用いる重要な表現です。相手に対する敬意を示すために、フォーマルな場面で適切に使用することが求められます。この記事を通じて、「敬具」の正しい使い方や注意点を理解し、ビジネスコミュニケーションをより円滑に進めましょう。