【管理栄養士監修】気になる「玄米」のカロリーや炭水化物量とは?食べる際に押さえるべきポイントを紹介
2023/01/10
この記事では「玄米」のカロリーについて解説していきます。また、ダイエット中などでカロリーが気になるときに取り入れたい食べ方についてもご紹介します。
なお、文中のカロリー値は文末に載せた参考データを基にしています(一部、参考データを基に独自計算をしている場合もあります)。
玄米を食べると太りやすい?
玄米は食べ過ぎてしまうと高カロリーになって肥満の原因になる可能性がありますが、バランスよく取り入れる分には問題ありません。
玄米には、白米で取り除かれてしまう胚芽やぬかが残ったままの状態なので、白米にはない栄養素が多く含まれています。そのため、食べ方を工夫することで、玄米をより取り入れやすくすることが可能です。
こちらでは、玄米のカロリーや、玄米を食べることで期待できる効果を紹介しているため、ぜひ参考にしてください。
玄米1食分のカロリー
玄米の1膳(160g)あたりのカロリーは、264kcalです。白米は、1膳(160g)あたりのカロリーが269kcalであるため、さほどカロリーに大きな差がないことがわかります。
玄米は健康によさそうだからといっても、たくさん食べてしまうとカロリーのとりすぎになってしまうため、適量に留めておきましょう。
玄米の炭水化物量は?
玄米1膳(160g)あたりの炭水化物量は56.96gです。また、脂質は1.6g、たんぱく質が4.48g含まれているため、この中では炭水化物が多くを占めていることがわかります。
摂取エネルギー2,000kcalの場合、炭水化物の1日の摂取基準量は250gから325gが目安です。そのため、食べ合わせいによってこの数値をオーバーしないよう、おかずなどのバランスに気を付けるようにしましょう。
玄米と発芽玄米の違い
発芽玄米は、玄米を水に浸けることで、わずかに発芽させた状態のお米のことを指します。見た目以外には、玄米よりも柔らかくて食べやすくなるという特徴があります。
また、発芽玄米が発芽することで酵素が活性化され、新芽の成長に必要な栄養素が増えるといわれています。その中でも神経伝達物質の一つであるGABA(ギャバ)は、ストレスを軽減したり血圧の上昇を抑える効果も期待できるため、うまく取り入れるとよいでしょう。
玄米を食べることで期待できる効果
玄米が体によいと聞くことも多く、なぜそういわれているのか気になる方もいるでしょう。玄米には、ビタミンやミネラルなどを多く含む胚芽やぬかが残ったままなので、積極的に取り入れることでさまざまな効果が期待できます。
ここからは、どのような効果が期待できるのか、紹介していきます。
食後の血糖値上昇を抑える
玄米には、ビタミンやミネラルだけでなく食物繊維も多く含まれています。そのため、玄米は白米よりも血糖値を上昇させるスピード(GI値)が低く、食後の血糖値を上げにくくしてくれます。
急な血糖値の上昇を抑えることで、肥満などのリスクが低減されるといった効果も期待できるため、ダイエットをしている場合は積極的に食事に取り入れるとよいでしょう。
脂っこい食事への嗜好性をやわらげる
玄米には、γ(ガンマ)-オリザノールという成分が含まれていて、コレステロールの吸収を抑える作用があります。このγ-オリザノールには、脂っこい食べ物の嗜好性をやわらげてくれる作用があります。
脂っこい食事への嗜好性がやわらぐことで、脂肪分の低い食事を選ぶようになり、結果的に体重の増加や肥満も防ぎやすくなるでしょう。
便秘を解消する
玄米には、不溶性食物繊維が含まれています。不溶性食物繊維は、便をかさましして腸のぜん動運動を促進するため、便秘の解消が期待できます。
ただし、不溶性食物繊維をとりすぎると、便秘がひどくなる場合もあるため、とりすぎには注意が必要です。ぬるぬる、ねばねばとした食感を持つ食材や、海藻や果物などから水溶性食物繊維をバランスよく取り入れるといいでしょう。
玄米を食べるときのポイント
玄米は、さまざまな効果も期待できるため、積極的に取り入れてみたいと思うかたもいるでしょう。ただ食べればいいだけではなく、安心して取り入れるためにはいくつかのポイントを押さえておくことが大切です。
ここからは、玄米を食べるときのポイントを紹介します。
無農薬・減農薬の玄米を選ぶ
玄米は精米されていないため、ぬかなどに農薬が残ることを気にするかたもいるでしょう。
その場合は、無農薬栽培や減農薬栽培された玄米を選びましょう。どれを選べばいいか判断できないというときは、無農薬栽培・減農薬栽培の農産物と認証されたら得られるマークが、地域によってはついている場合があるため、探してみるとよいでしょう。
食べすぎに注意する
栄養が豊富な玄米を食べれば痩せられる、などといったイメージが持たれやすいですが、実際のカロリーは白米とさほど大差はありません。
そのため、食べすぎてしまうと一日に必要な摂取カロリーをオーバーしてしまうため、ダイエット中やカロリー制限中のかたは注意が必要です。玄米だけでなく、おかずや汁物なども一緒に食べ、バランスよく取り入れるようにしましょう。
よく噛んで食べる
玄米は白米に比べて多くの栄養素を含んでいる反面、消化しにくいという点が挙げられます。よく噛まずに食べると人によっては胃もたれや下痢などの消化器症状があらわれることもあるため、時間をかけて一口ごとにゆっくりと噛んで食べるようにしましょう。
よく噛むことは消化の負担を減らすだけでなく、満腹中枢を刺激して食べ過ぎを抑えることにつながります。また、交感神経の働きによって内臓脂肪の分解が促進されるといわれているため、ダイエット中のかたはとくに意識するといいでしょう。
玄米のカロリーや炭水化物量について知り、食べ方を工夫しよう!
玄米は、白米と比べて血糖値が上がりにくく、便秘の解消につながるなどの効果が期待できるということがわかりました。しかし、カロリーは、白米と比べるとさほど大差はありません。そのため、玄米だとしても食べすぎには注意しましょう。
玄米のカロリーや炭水化物量、食べるときのポイントを正しく把握したうえで、日々の食生活に取り入れてみましょう。