お風呂掃除に活用できる重曹の使い方!注意点やほかのアイテムとの合わせ技も解説
2022/05/26
「お風呂に黒ずみやぬめりが発生して困っている」
「お風呂掃除には重曹が使えるって聞いたけど、効果的な使い方が分からない」
お風呂掃除や重曹について、このような疑問や不安を抱いたことがある方もいるのではないでしょうか。
本記事では、重曹を使ったお風呂掃除の方法や重曹で落ちる汚れの種類、重曹を使う場合の注意点などを紹介していきます。
この記事を読むことで、重曹を使ったお風呂掃除の方法や重曹がお風呂のどんな汚れに適しているのかということが理解できます。その知識をもとに、重曹を使うことで、汚れに悩んでいた方もスムーズにお風呂掃除ができるでしょう。
お風呂の汚れに悩んでいる方や、重曹を使ったお風呂掃除を試したいと考えている方は、ぜひチェックしてみてください。
お風呂掃除の基本と頻度をおさらい
お風呂掃除の頻度の目安をお伝えします。
■浴槽(つねに)
浴槽掃除は汚れが浮きやすい入浴直後がベスト。浴槽のお湯を抜き、まずは髪の毛や湯あかをシャワーですすぎ流します。
浴槽は中性洗剤とスポンジを使い、外側・内側・底の順番に洗いましょう。底と隅はぬめりやすいので念入りに。その後、洗剤をすすぎ落とします。熱いお湯シャワーで洗い流せばカビ防止にもなります。
■排水口(つねに)
まず、髪の毛やゴミを取り除きます。古歯ブラシを使うと便利。ある程度ゴミが取れたら、中性洗剤で洗いましょう。
■蛇口・浴槽ふた・床・壁など(週1回)
浴槽と排水口以外は週1回の掃除が目安。中性洗剤とスポンジもしくはブラシで洗い、よく水ですすぎます。
おすすめの風呂掃除道具と洗剤について
■洗剤
お風呂はカビやすい場所。ゴムパッキンやコーキングなどに黒カビが発生しているときには塩素系漂白剤を使用しましょう。
スプレー後20分ほど置くことで、しっかりカビを分解することができます。また、垂直面である壁やタイルの目地には、液だれしにくいジェルタイプの塩素系漂白剤がおすすめです。
塩素系漂白剤
■掃除道具
掃除後のスポンジやブラシは雑菌の温床になってしまっていることもあるので、洗剤をよく落として乾燥させるのもポイント。
そのためには、壁やバーに引っかけられる穴あき型のスポンジや、取っ手が引っかけられるタイプのブラシを選ぶのも良いでしょう。
■その他
最近では100円ショップでも売っている排水口ネットやシールもおすすめです。ゴミや髪の毛をキャッチしてくれるので、そのままポイッと捨てられて、掃除のストレスも軽減できます。
※ここまでの記事内容
監修/藤原千秋
大手住宅メーカー営業職を経たあと、Webや雑誌で住まいまわりライターとして活躍する3児の母。現在は並行して家事サービス、商品開発などにも携わる。掃除に関する著書やマスコミ出演も多数あり。
取材・文/サトウヨシコ
重曹はお風呂のどんな汚れに適している?
お風呂に発生する汚れを落とすためには、重曹が役立つということを耳にしたことがある方は多いでしょう。
重曹は、弱アルカリ性の性質を持つ物質です。重曹と酸性の汚れがくっつくことで、中和反応が起こり、汚れが落ちる仕組みになっています。そのため、重曹と性質が同じである、アルカリ性の汚れに対しては効果を発揮しません。
お風呂には、様々な汚れが発生します。重曹を効果的に使用するためには、お風呂のどんな汚れを落とすことに適しているか理解しておく必要があるでしょう。
ここからはサンキュ編集部が、重曹はお風呂のどんな汚れを落とすことに適しているかをご紹介します。
皮脂の汚れ
皮脂汚れは、酸性の性質を持っているため、重曹が効果を発揮します。
お風呂は、体を洗うための場所です。どうしても体から出る皮脂が、浴槽や壁、床などに付着してしまいます。
皮脂汚れが付くのは、どこの家庭でも起こることです。そのような皮脂汚れを放置すると、ほかの汚れと混ざり、簡単に落とせない頑固な汚れになってしまいます。蓄積しないように、こまめに掃除することが大切です。
酸性のせっけんカス
黒や灰色のベタベタしたせっけんカスは、石鹸と皮脂が組み合わさってできた汚れであるため、掃除にはアルカリ性である重曹の使用が適しています。
ただ、せっけんカスの中でも、水道や鏡などにこびりついた白い汚れは金属せっけんカスで、重曹では落とせません。金属せっけんカスは、水の中に含まれるカルシウムやマグネシウムなどとせっけんカスが組み合わさってできたものです。
アルカリ性の性質を持つため、重曹は効果を示しません。金属せっけんカスには、クエン酸などの酸性の性質を持つものを使用しましょう。
また、一度ついた金属せっけんカスは、業者でも落とすのに苦労してしまうため、白く固まってしまう前に掃除しておくことが大切です。
発生してすぐの黒カビ
重曹は研磨剤としても活躍します。発生してすぐの黒カビは、重曹の研磨力を使って落とすことが可能です。重曹を使ってカビ掃除すると、カビの栄養となる皮脂汚れや酸性のせっけんカスも同時に落とせるため、カビの繁殖を防ぐ効果も期待できます。
ただ、時間の経ってしまったカビは、奥まで浸透しているため、重曹だけでは落とせません。時間が経ったカビには、カビ取り専用の洗剤やお風呂用の漂白剤を使用するようにしましょう。
重曹を使ったお風呂掃除の方法
ここからは、重曹を使ったお風呂掃除の方法について紹介していきます。重曹は環境に優しいものではありますが、ゴム手袋などを使用して掃除することをおすすめします。
重曹を使ったお風呂掃除の方法について知りたい方は、参考にしてみてください。
ペースト状にして床や壁のお掃除に
床や壁、天井などに付いた皮脂汚れや酸性のせっけんカス汚れには、ペースト状にした重曹を使いましょう。
ペースト状にした重曹は、液だれしにくく、伸びが良く、汚れに密着するという特徴があります。ぜひ、ペースト状にした重曹を使ってお風呂掃除をしてみてください。
重曹をペースト状に
ぬるま湯と重曹を、1:2~3ほどの割合で合わせ、よくかき混ぜペーストを作ります。重曹には、水に溶けにくい性質や、熱を加えることでアルカリの性質を増す特性があるため、重曹ペーストを作るときには、ぬるま湯を使用してください。
ペーストは上記の割合で作ると、程良い硬さにできますが、塗布する場所に合わせて、ぬるま湯の量を変えて硬さを調節しても良いでしょう。
床や壁に塗る
重曹ペーストが完成したら、床や壁など掃除したい場所に塗布し、しばらく放置します。
汚れにしっかり密着するように、多めに重曹ペーストを塗ることが重曹を使用したお風呂掃除のコツです。また、途中で重曹が乾いてしまわないように、塗った部分をラップで覆うことで、効果を高めることができるでしょう。
しばらく置いてから流す
20~30分ほど放置したら、スポンジ(床はスポンジよりも硬めのブラシが適しています)で軽くこすった後に、シャワーでしっかり洗い流しましょう。洗い残しがないか確認後、水気を拭きとるなどして、しっかり乾燥させてください。
重曹には研磨作用があるため、スポンジで強くこすりすぎると傷がついてしまう可能性があります。ゴムパッキンなど柔らかい場所への使用には、注意してください。
浴槽はつけおき洗いをする
浴槽は重曹を使ったつけおき洗いがおすすめです。浴槽は入浴直後に洗うのが良いと述べましたが、毎日家族が入浴した後に掃除するのは大変でしょう。
重曹を使ったつけおき洗いなら、残り湯に重曹を溶かして、翌日洗い流すだけで良いため、手間がかかりません。イスや洗い桶など小物も一緒につけておくと、掃除が楽になります。
それでは、重曹を使った浴槽のつけおき洗いを紹介していきます。
重曹を残り湯に入れる
前述したように、重曹は熱を加えることでアルカリの性質を増すため、残り湯が冷めないうちに、重曹を溶かします。
1カップ程度の重曹を残り湯に入れ、よくかき混ぜ、溶かしてください。重曹によるつけおき洗いは、週1回程度のペースで行います。最後に入浴する人が重曹を溶かすと決めておくと楽でしょう。
イスなどの小物を一緒につけておく
残り湯に重曹を溶かしたら、汚れが気になるイスや洗い桶、お風呂の蓋などの小物も一緒につけておきましょう。重曹が隅々まで行きわたるように、しっかり浸してください。
重曹はナチュラルクリーンであるため、小さな子どもがいる家庭は、お風呂用のおもちゃも一緒につけておくと良いでしょう。
ひと晩つけておく
浴槽に、つけおきしたい小物を全て入れたらひと晩、放置しましょう。ひと晩つけておくことで、重曹が汚れと反応し、落ちやすくなります。
つけおきしている間は、お風呂場に湿気がこもりやすくなるため、換気するようにしましょう。
翌日に流す
翌日、浴槽内の水を捨ててから、水で洗い流し、水気を拭きとるなどして乾燥させます。汚れやぬめりが気になるものは、スポンジで軽くこすってから洗い流すようにしましょう。
重曹を使ったつけおき洗いは、環境に優しく、手間がかからず、浴槽や小物を傷つけないなどメリットの多い掃除方法です。入浴後、週1回程度のペースで行うようにすると良いでしょう。
気になる汚れに直接ふりかける方法も
前述したように、重曹には研磨作用があるため、研磨剤としても使用できます。気になる汚れには、重曹を直接ふりかけて、水で濡らしたスポンジやブラシでこすりましょう。
お風呂場の床や浴槽はもちろん、硬い素材の小物も重曹を直接ふりかけて掃除することで、皮脂による黒ずみや酸性のせっけんカス汚れを落とすことができます。
重曹を使う際の注意点
環境にも優しく、安心安全な重曹ですが、使用する際にはいくつか守らなければならない注意点があります。重曹をお風呂掃除で使用する場合、以下で紹介する注意点に気をつけましょう。
強くこすらないようにする
重曹は、水に溶けやすく粒子が細かいため、研磨剤としてポピュラーなクレンザーよりも素材を傷つけにくいという特徴があります。
しかし、力まかせに強くこすってしまうと、素材を傷つけてしまう可能性もあるでしょう。特に、浴室には柔らかい素材でできたものが多いため、重曹を研磨剤と使用する場合には強くこすらないようにしてください。
使うことができない素材
万能な重曹ですが、使うことができない素材もあります。アルミや銅、天然素材(大理石やヒノキなど)、塗装面(ニスや漆など)などには重曹は使用できません。
アルミや銅素材のものは、重曹を使用すると、黒く変色し劣化してしまう恐れがあります。大理石やヒノキなどの天然素材は、重曹の使用で素材を傷つけてしまう可能性があるため、使用は避けましょう。
重曹とほかのアイテムとの合わせ技
お風呂掃除には、重曹単体だけでも効果を示してくれますが、より強い効果を期待するならほかのアイテムと組み合わせることがおすすめです。
最後に、重曹と組み合わせたいアイテムをご紹介します。
クエン酸と重曹
重曹は弱アルカリ性の性質を持つため、酸性の汚れと混ざることで中和反応を起こします。重曹と酸性の性質を持つクエン酸を組み合わせると、二酸化炭素の泡が発生し、汚れを浮き上がらせる効果が期待できます。
浴室には酸性の汚れだけでなくアルカリ性の汚れも発生するため、クエン酸と重曹を組み合わせることで、様々な汚れに対処できるでしょう。
排水溝など汚れが目立つ部分には、クエン酸と重曹を使って以下のように掃除してください。
まず、汚れの気になる部分に重曹をふりかけ15分程度、放置します。放置した後クエン酸をふりかけ、コップ1杯程度のぬるま湯を流し込み、発泡が落ち着くまで5分程度、再び放置しましょう。
発泡が落ち着いたら、水で洗い流し、汚れが気になる部分はブラシなどでこするだけで、きれいになります。
酸素系漂白剤と重曹
発生してから時間の経っているカビには塩素系の漂白剤が良いですが、発生してすぐのカビには酸素系漂白剤と重曹の組み合わせがおすすめです。
どちらもアルカリ性の性質を持っているため、2つを合わせることでアルカリの性質が強くなり、より高い洗浄力を発揮します。また、酸素系漂白剤と重曹を混ぜ合わせペーストを作ることで、液だれしにくく、カビにしっかり密着させることができるでしょう。
酸素系漂白剤と重曹を組み合わせたカビ取り方法は、以下の通りです。
酸素系漂白剤2、重曹2に対してぬるま湯1を混ぜてペーストを作ります。カビが気になる部分にペーストを塗り、4時間以上放置してください。このとき、乾燥しないようにラップで覆うとより高い効果を期待できます。放置後、ぬるま湯でしっかり洗い流してください。
お風呂掃除に重曹を活用してみよう
重曹は人体や環境に優しい、ナチュラルクリーンなものです。お風呂掃除にも重曹は大活躍してくれます。
ただし、重曹が効果を発揮するのは、酸性の汚れだけです。アルカリ性の汚れには効果を発揮しないため、注意してください。お風呂に発生する汚れの特徴を理解して、重曹を使いましょう。
また、酸性の汚れでも重曹だけで落ちないものもあります。そのようなときは、クエン酸や酸素系漂白剤を組み合わせて、効果が高まるようにしましょう。