実は避けたほうがいいかも!?野菜のプロが教える白菜の「もったいない」食べ方3選
2024/11/15
秋から冬、そして春先にかけて長い旬を迎える白菜は、気温が下がるとともにスーパーで特売になることも多く、頻繁に買うという人も多いのでは。しかし、実は野菜のプロからすると、やってしまいがちな「もったいない」食べ方があるのです。
今回は、野菜ソムリエ・食育インストラクター・気象予報士として活躍する植松愛実さんに、できれば避けてほしい白菜の「もったいない」食べ方3選と、おすすめの解決策を教えてもらいます。
カット白菜を外側から使うのはもったいない!
スーパーで白菜を買う際は、1/2や1/4にカットされた状態で買う人が多いのではないでしょうか。そういったカット白菜を買ったあと、外側の葉から順に使っていませんか?
実は、白菜はカットされたあとも成長を続けていて、成長にエネルギーを使うことでどんどん傷んでしまっています。成長するポイントが白菜の中心に近いところにあるため、白菜を外側の葉から使うことで中心部分をいつまでも残していると、傷むのが早くなるのです。
そのため、カット白菜は内側から順に使うのがおすすめ。なお、1玉まるごと買った場合は、内側から使おうとして切ってしまうと逆に傷むのを早めてしまうので、外側の葉から使いましょう。
白菜の黒い点を切り取るのはもったいない!
白菜の葉や茎に、黒い細かい斑点のようなものがついているのを見たことあるでしょうか。「これってカビ?」と思って買うのを避けたり、あるいは買ってから気づいた場合に黒い点の部分を切り取って使ったりする人もいると思うのですが、実はそんな必要はないのです。
白菜にできる黒い点は、成長の途中で寒暖差や激しい雨などのストレスがかかった場合に現れるもので、その成分はポリフェノールです。ポリフェノールはほぼすべての野菜に含まれている成分ですから、もちろん食べても健康に問題はありません。
なお、ポリフェノールは苦味のある成分なので、黒い点が多いと味が落ちるという人もいるのですが、少なくとも筆者や筆者の家族は食べても違いに気づかなかったので、切り取って捨ててしまうのは「もったいない」部分です。
年内に買った白菜を長時間加熱するのはもったいない!
白菜の出荷は例年10月頃からしだいに増え、年が明けて春先まで多く出回りますが、実はその途中で葉の性質が変わります。年内に出荷されるものはみずみずしく葉がやわらかい一方で、年が明けると葉や軸が分厚く加熱で甘身が出やすい白菜が多くなります。
そのため、年内に手に入れた白菜は、生で食べるのに向いています。サラダや浅漬け、塩昆布和えなどさまざまな料理に使うことができ、葉の部分はザク切りに、軸の部分は薄くスライスすることで食べやすくなります。生で食べることでビタミンCが失われるのを防げるのもうれしいですね。加熱して食べる際も、サッと短時間でゆでたり炒めたりするのがおすすめです。
ちなみに、生の白菜を食べすぎると体に悪い、と聞いたことがある人もいるかもしれませんが、それはかなり大量に食べた場合の話で、常識的に考えられる範囲での量であれば問題ありません。
「もったいない」を避けて旬の白菜を楽しもう
白菜は和食にも中華にも使えるほか、鍋料理の定番でもあり、身近な野菜であるがゆえにあまりこまかいことに気にせず使っていた…という人も多いと思いますが、そこにはさまざまな「もったいない」が隠れています。ぜひ今回ご紹介した「もったいない」ポイントを避けて、これから旬が長く続く白菜を存分に楽しんでください。
■執筆/植松愛実さん
気象予報士と出張料理人の両面で活動中。気象・防災に関するヒントのほか、野菜ソムリエ・食育インストラクターとしておいしい食材のおいしい食べ方を発信中。
編集/サンキュ!編集部