「油料理」は敵じゃない!メリット&管理栄養士おすすめの取り入れ方3選

2022/04/01

脂っこい料理が好きな人の中には、太るからと控えめにしている人もいるのでは?炭水化物(糖質)やタンパク質に比べると、脂質は1gあたり9kcalと高カロリー。しかし、料理をおいしく食べたり健康を維持する上ではかかせない役割も持っているのです。

管理栄養士のゆかりさんに、脂質をとるメリットと上手な摂り方について教えてもらいました。

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脂質の果たす役割とは?

ラーメン店などで、好みのものを選ぶ時に「こってり」や「あっさり」という表現を基準に選んでいたりしないでしょうか?

言葉の意味としては、しつこいか、しつこくないか、ということを表しています。なんとなく私たちは、脂っこいか、そうではないかで判断しているかもしれませんね。
食材の持つ食感やとろみの有無によっても、口の中での感覚には違いが生まれます。

そんな油脂ですが、栄養学的には脂質と呼びます。
炭水化物やタンパク質が1gあたり4kcalであるのと比較すると、脂質には2倍以上ものエネルギーが含まれています。

とった分のエネルギーが消費しきれずに残ると、体脂肪として蓄積されて肥満につながることに……。

ダイエッターにとっては敵視されがちな脂質ですが、体にとっては効率よくエネルギーを手に入れられる貴重な栄養素なのです。
それ以外にも、
・細胞やホルモンをつくる材料となる(性ホルモン・副腎皮質ホルモンなど)
・油に溶けやすい栄養素の吸収を高める(ビタミンA・D・E・Kなど)
・体温の保持や内臓を保護する
といった大切な役割も担っています。

バランスよく脂質を取り入れるコツは?

摂取カロリーを減らすために脂質を制限する人もいますが、先ほどのメリットが得られなくなるだけでなく、ホルモンバランスの乱れ、体力低下、皮膚炎、脳出血などを引き起こすこともあるのです……。

そういうことからも、脂質は適度に取り入れることが大切。そこでおすすめするのが、次の3つの方法です!

【1. 肉より魚からとる】

脂質の中でも、血液中の中性脂肪やコレステロール値を高めてしまう心配のある「飽和脂肪酸」のとりすぎに特に注意が必要です。

肉には飽和脂肪酸が、魚には不飽和脂肪酸が多く含まれています。同じこってりであっても、脂質の質が違えば、体への影響も異なるのです。

また、魚には不飽和脂肪酸の中でも、オメガ3脂肪酸(n-3系脂肪酸)が多く、血液の状態を良くして生活習慣病などの予防にも役立ってくれるのです。

【2. 蒸す、煮るなどの調理をする】

脂身たっぷりの肉や魚であっても、蒸したり煮ることによって油脂を減らすことができます。

また、豚の角煮をつくる時のように、適度に脂を落とした方が食べやすくなったり臭みをとることも可能に。油を加える必要のある炒め物や揚げ物ではなく、こういった調理法を選んでみては?

【3. 食物繊維を多くとる】

野菜、海藻、きのこなどに多く含まれている食物繊維。お腹の調子を整えて便秘改善に役立つことで知られていますが、とり過ぎた脂質の吸収を抑えてくれる働きもあるのです。

脂っこい料理を食べるときや肉料理が続くときには、ぜひ積極的に食物繊維を含む食材をとり入れていきましょう。

キッチンペーパーで余分な油脂を拭き取ったり、脂身の少ない部位を選ぶことなど…工夫次第でこってりが好きな人も、体へのデメリットを抑えることができますよ。

また、あっさりが好きな人も、オリーブオイルやごま油などの香りを加えることで、料理のおいしさを引き立たせることに役立ちます。(仕上げに数滴でもOK)

ぜひ、紹介した内容を参考に、賢く油料理を取り入れてみてくださいね!

■執筆/ゆかり…保育園調理、セミナー講師、出張料理、料理教室、食育サイトの記事執筆など幅広く活躍中の管理栄養士で食生活アドバイザー。1児の母。
編集/サンキュ!編集部

※記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。

 
 

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