木のテーブルの上のクルミ

「くるみ」を食べすぎるとどうなる?知っておきたいくるみのメリット&デメリット

2024/11/04

くるみに含まれる脂質には、役立つ作用を多く持つ反面、とり方を間違えてしまうと体調をくずす危険性もあるのだとか!

管理栄養士と食生活アドバイザーの資格を持つライターのゆかりさんに、くるみの食べ方によって体にどのような悪影響が及ぶのかと、1日に食べてもいい量の目安について紹介してもらいます。

管理栄養士、食生活アドバイザー。一女のママで出張料理、料理教室、講演、栄養相談も手掛けるほか、ライターとして...

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健康増進やダイエットに!くるみを食べる「メリット」

くるみとは、イランなどが原産地とされているナッツの一種です。

現在はアメリカのカリフォルニアや中国がおもな産地となっており、ほかにもヨーロッパなどで生産がさかんで、日本国内でも生産されています。

くるみはやわらかい食感と特有の甘味を持ち、和え物やサラダなどの料理に加えたり、お菓子の材料と使われたり、おつまみや間食などとして食べられることが多いです。

そんなくるみには、脂質が7割近くも含まれています。そのため、エネルギー(カロリー)を非常に多く含んでいますが、脂質にはつぎのような働きもあります。

・細胞膜やホルモンなどの体をつくる材料になる
・皮下脂肪として蓄えられ、外部の衝撃から臓器を守ったり寒さから体を守る
・脂溶性ビタミン(ビタミンA、D、E、K)などの体内への吸収率を高める

このように、脂質はエネルギー源として使われることに加え、さまざまな役割があるのです。

ちなみに、くるみの脂質にはオレイン酸やリノール酸、α-リノレン酸といった不飽和脂肪酸の割合が高く、動脈硬化や血栓を防いだり、血圧を下げたり、LDLコレステロールを減らすなどの働きも期待できますよ。

脂質以外では、15%ほどのたんぱく質、食物繊維、そのほかに銅、マグネシウムなどのミネラルやビタミンB6が多く含まれています。これらのおもな働きは、次のとおり。

・筋肉、血液、皮膚などをつくる材料になる
・腸内環境を整え、排便をうながす
・貧血を予防し、活性酸素を除去する
・免疫機能を維持し、代謝を円滑にする

このように上手にくるみを上手とり入れることで、生活習慣病の予防や美容に役立てることができるでしょう。

アレルギーや肌荒れも?くるみを食べすぎる「デメリット」

多くの「メリット」が得られるくるみですが、過剰摂取や体質によっては思わぬ「デメリット」が生じることもあります…。

炎症が起こりやすくなる

くるみの脂質に含まれている不飽和脂肪酸の一種に、リノール酸があります。

リノール酸は、人の体内でつくり出すことができないため、食事からとり入れる必要のある必須脂肪酸に分類されます。

エゴマ油、アマニ油などにも含まれているα-リノレン酸とバランスよくとることができていれば、先述したような「メリット」が得られます。ところが、リノール酸をとる割合が過剰になってしまうと体内で炎症を起こす働きが強まり、肌荒れやアレルギー反応を起こりやすくなるといわれているのです。

そういったことから、アレルギー体質の人はとくにくるみの食べすぎに気をつけましょう。

下痢や便秘などの不快な症状を招く

腸内環境を整えて便秘解消に役立つ食物繊維ですが、こちらもとりすぎによっては逆効果に…。

食物繊維は、水に溶けやすい水溶性食物繊維と溶けにくい不溶性食物繊維の2種類があります。そのうち、くるみには不溶性食物繊維が多く含まれています。

不溶性食物繊維は、便のさかを増やして腸に刺激を与えて便通をうながしますが、水溶性食物繊維が不足している場合や不溶性食物繊維の割合が高すぎる場合には、便の水分が減って硬くなり便秘や腹痛などの原因となることがあるのです。

また、脂質は消化に時間がかかるため、とりすぎてしまうことで体調や体質によっては消化不良になることも。下痢や胃もたれなどの原因となるため、食べる量には注意が必要です。

くるみを楽しむ量とタイミングは?

クルミを食べる女性のクローズアップ
Highwaystarz-Photography/gettyimages

上記のとおり、くるみに含まれる栄養素には「メリット」と「デメリット」の両方があります。

そこでここからは、日本人の食事摂取基準(2020年版)の数値を参考に、くるみを楽しむ量とタイミングについて解説していきます。

健康な成人は1日にどれくらい食べても大丈夫?

まずは、1日の間食の適量(200kcalくらい)から、適量を算出してみました。
くるみ1粒を4gとした場合、つぎのとおりです。

・くるみ…… 7粒

つぎに、リノール酸を基準に1日に十分とされる不飽和脂肪酸(n-6系)の目安量から、適量を算出してみました。

・くるみ…… 男性 6粒 / 女性 5粒 

男性と女性で適量が異なる理由は、日本人の食事摂取基準において性差があるためです。なお、年齢によっても目安量に差があるため、65歳以上の場合はこれよりもやや少なめとなります。

適量が少ないと感じられるかもしれませんが、1日4粒食べるだけでも体への有効性が確認できたという報告もあるので、くるみを食べる際の参考にしてみてはいかがでしょうか。

どのタイミングで食べるのがいい?

くるみは脂質を多く含んでいるため、消化に時間がかかります。消化活動が就寝中に活発になると睡眠の質を下げるといわれているため、就寝前に食べるのは避けましょう。

反対に、おすすめなのが食前30分~1時間前。

このタイミングでくるみを食べると、よく噛むことによって満腹中枢が刺激されやすくなり空腹感を和らげることが期待できますよ。

食前にとり入れるのがむずかしい場合は、間食に取り入れるのもおすすめ。砂糖や小麦粉などが使われたスイーツやスナックを食べるよりも、低糖質でたんぱく質や食物繊維を含むナッツは血糖値を上げにくく太りにくい食品といえるからです。

くるみを少しでもヘルシーに食べたいのであれば、塩や砂糖などの味つけがされていないものを選ぶと食べすぎを防ぐことに役立つでしょう。

正しい量さえ把握できていれば、くるみは「メリット」が多い食品です。くるみの「メリット」・「デメッリト」を理解し、上手にとり入れてみてくださいね。

参考サイト

 
 

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