きのこに含まれる栄養素には、健康によい作用を持つものが多い反面、とり方を間違えてしまうと体調をくずす危険性もあるのだとか!
管理栄養士と食生活アドバイザーの資格を持つライターのゆかりさんに、きのこの食べ方によって体にどのような悪影響が及ぶのかと、1日に食べてもいい量の目安について紹介してもらいます。
ダイエットや免疫力アップに!きのこを食べる「メリット」
きのことは、植物と違って光合成をおこなわず、菌類に分類される食材です。多くは傘を持った形が特徴的で、種類によって大きさや食感などにも多くのバリエーションがあります。
そんなきのこには、おもに次のような栄養素が多く含まれています。
・食物繊維
・カリウム
・ビタミンB1
・ビタミンB2
・ビタミンD
これらには、腸内環境を整える、血圧を下げる、エネルギーをつくり出す、骨を強くするなどといった働きが期待できますよ。
なお、ビタミンDについては生のきのこよりも乾燥したものに非常に多く含まれています。また、生のまま日に当てることでも増やすことが可能です。
また、きのこの食物繊維にはβ(ベータ)-グルカンという成分も含まれています。
これは、腸に作用して免疫を活性化し、体の防御機能を強化すると考えられており、血液中のコレステロール値を低下させる作用も知られていますよ。
このように、きのこを上手にとり入れることでダイエットや健康増進によい影響が期待できるでしょう。
消化不良やミネラルの吸収不良も?きのこを食べすぎる「デメリット」
多くのメリットが得られるきのこですが、過剰に摂取したり体質によっては思わぬデメリットが生じることもあります。
下痢や便秘になる
腸内環境を整えたり、便秘解消に役立ったりする働きを持つ食物繊維ですが、とりすぎによっては逆効果を生むことも……。
通常の食事であれば、食物繊維のとりすぎは心配ないとされています。
ただし、きのこなどの食物繊維が豊富な食品を極端に多くとった場合、胃腸への負担が生じて不快な症状が現れやすくなります。
食物繊維は、ほとんど消化されないため、多くとりすぎると消化器に負担をかけて胸やけ、腹痛、下痢などが起こります。
そのほか、不溶性食物繊維によって便のかさが増して硬くなり、便秘気味の人は症状が悪化してしまうことも。
さらに、便秘によって腸内に便がたまっていると悪臭のあるガスが増え、ニオイが強いおならが出る可能性も考えられるのです。
よく噛まずに飲み込んでしまったり、水分の摂取量が少なかったりすることもこういった不調を招きやすくなるため、きのこをたくさん食べる際には注意しましょう。
ミネラルの吸収率が低下する
きのこの不溶性食物繊維のとりすぎは、胃腸へ負担をかけて不快な症状を引き起こすだけではありません。
不溶性食物繊維には腸内の有害物質を吸着して便と一緒に排出する働きがありますが、とりすぎた場合、体に必要なミネラルも排出してしまうことが考えられるのです。
そのため、カルシウム、鉄、亜鉛などのミネラルの摂取が不足している人、すでに骨粗しょう症や鉄欠乏性貧血の人は、とくに食べすぎに注意が必要です。
きのこを楽しむ量とタイミングは?
上記のとおり、きのこに含まれる栄養素にはメリットとデメリットの両方があります。
そこでここからは、安心してきのこを楽しめる量とタイミングについて解説していきます。
健康な成人は1日にどれくらい食べても大丈夫?
1日に必要とされる食物繊維の摂取量を参考にしてみましょう。
日本人の食事摂取基準(2025年版)によると、30~64歳男性で22g以上、同じく女性で18g以上が目標量とされています。
仮に、きのこのみで男女平均の20gの食物繊維を摂取する場合、生のしいたけであれば360gに相当。
ほかにも、大豆製品、野菜、果物、海藻などの食材からもバランスよく食物繊維をとることを考慮すれば、この1/4くらい(90g)に収めておくのが妥当ではないでしょうか(※)。標準的な大きさの生しいたけであれば、軸を含めて4~5個分が90gに相当します。
なお、きのこは種類によって食物繊維の量に差があります。えのきたけ120g、ぶなしめじやまいたけ140gに、しいたけ90gとほぼ同量の食物繊維が含まれています。
胃腸の調子が悪い人や消化能力が未熟な子どもなどは、さらに量を控えると安心です。また、きのこを食べる際は、細かくなるまでよく噛むことと、水分を意識して多くとることも意識するといいでしょう。
※きのこの9割ほどが不溶性食物繊維であり、水溶性食物繊維とのバランスが崩れるとデメリットがあるとされているため、この数値で計算しています。
どのタイミングで食べるのがいい?
食物繊維が豊富なきのこは、よく噛むことで多くのメリットを与えてくれます。
たとえば、満腹感を高めて食べすぎを防いだり、血糖値の上昇を抑えたりすると言われているのです。
そのため、ダイエット中であれば食べたものが脂肪としてため込まれやすくなる夕食や夜食などに、きのこを取り入れるのがおすすめ。
とくに、食事の最初にきのこをよく噛むようにすることで、より効果を得やすくなりますよ。
ちなみに、少しでも胃腸への負担を減らしたいのであれば、生のきのこを調理するよりも一度冷凍してから解凍せずに加熱調理するといいでしょう。冷凍時に細胞が壊れやすくなり、消化を助けてくれるだけでなく、きのこの中のうま味成分も出やすくなるので、料理のおいしさを高めることにも役立ちます。
正しい量を把握できていれば、きのこはメリットが多い食品です。きのこのメリット・デメリットを理解し、上手にとり入れていきましょう。