食物繊維を多く含む食べ物ランキング、野菜の3位はグリーンピース、1位は定番のつけあわせ食材

食物繊維を多く含む食べ物ランキング、野菜の3位はグリーンピース、1位は定番のつけあわせ食材

2025/02/03

当記事の執筆は、管理栄養士 佐藤久美が担当しました。

お腹の調子を整えたり、生活習慣病の予防に役立つ食物繊維。

食物繊維は私たちが健康を維持するために欠かせない栄養素ですが、現在ほとんどの日本人に不足しています。

では、どのような食べ物から補えばよいのでしょうか?

この疑問を解決するために、今回は食物繊維を多く含む食べ物をランキング形式でご紹介します。

食物繊維とダイエットとの関係についても解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。

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食物繊維の種類と働き

食物繊維との多い食べ物をご紹介する前に、まずは食物繊維の種類とその働きについてご紹介しましょう。

食物繊維は、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の大きく2つに分けられます。

水溶性食物繊維は水に溶ける性質をもちます。溶けるとゼリー状になり、小腸内で栄養素を吸収するスピードを緩やかにするため、血糖値の急上昇をおさえたり、腸内の有害物質や余分なコレステロールを体外へ排出する働きがあるのです。

水溶性食物繊維を多く含む食品としてあげられるのは、海藻類です。

一方、不溶性食物繊維は水に溶けにくいため、水溶性食物繊維のようにゼリー状にはなりません。そのかわり、便のかさを増やして腸壁を刺激し、排便を促す働きがあります。

不溶性食物繊維を多く含む食品としてあげられるのは、野菜や果物、きのこ類があげられます。

●1日どれくらい摂ればいいの?
厚生労働省が定める「日本人の食事摂取基準2020年版」によると、食物繊維の摂取目安量は成人(※)男性で21g以上、成人女性(※)は18g以上と示されています。

(※)18~64歳

しかし、実際の摂取量は目標量を大きく下回っており、食物繊維の多い食べ物を積極的に取り入れる必要があるのです。

食物繊維量の多い食べ物

食物繊維の必要性が理解できたところで、手軽に食物繊維を摂るのであれば少ない量でたくさん食物繊維が摂れるものがいいですよね。

今回は、野菜や果物など食べ物のジャンル別にランキングをご紹介します。あなたが思い浮かべたものはランキングに入っているでしょうか?

さっそく見ていきましょう。


●野菜のランキング
まずは、食物繊維の多い身近な野菜TOP5をご紹介します。

【食物繊維の多い野菜ランキング(可食部100gあたり)】
1位 らっきょう(生) 20.7g
2位 エシャロット 11.4g
3位 グリーンピース 9.3g
4位 しそ/葉 7.3g
5位 枝豆(冷凍) 7.3g

これらの野菜は一度にたくさん食べるのは困難ですが、サラダやご飯に混ぜるなど普段の食事に手軽にプラスできます。

野菜不足を感じている方は、特に意識して食べるとよいでしょう。

なお、それぞれの野菜の詳細は順に詳しく解説します。


1位:らっきょう(生)
らっきょうに含まれる水溶性食物繊維はフルクタンと呼ばれ、血中コレステロールの低下作用や、カルシウム・鉄などのミネラルの吸収促進作用が期待できます。

水溶性食物繊維はその名の通り水に溶けやすい性質があります。

そのためらっきょうを甘酢漬けにすると、食物繊維が漬け汁に流れ出てしまうことに。

ゆえに生のままがもっともオススメな食べかたですが、らっきょうには刺激の強いアリシン(※)が含まれるので1日4粒(8〜40g)程度、胃腸の弱い方はそれより少なめに食べるとよいでしょう。

(※)アリシンとはらっきょう独特の香りを持ち、内臓の働きを活発にする働きを持つ成分

ちなみに、らっきょう4粒で1.7g~8.3gの食物繊維を補うことができます。


2位:エシャレット
エシャレットはらっきょうの一種で、別名「根らっきょう」とも呼ばれます。

らっきょう同様に水溶性食物繊維のフルクタンが豊富に含まれています。

エシャレットはらっきょうよりもマイルドな味わいなので、生のままドレッシングや味噌を付けて食べられます。


3位:グリンピース(冷凍)
グリンピースには、便秘の改善が期待できる不溶性食物繊維が多いです。

生のグリンピースはさやから取り出す手間がかかるのに対して、冷凍のものはすぐに調理できるメリットがあります。

そのため冷凍のグリンピースはスープの仕上げに入れるなど、手軽に食物繊維を補うのに適した食材です。

参考までに、生のグリンピースにも食物繊維が豊富に(100gあたり7.7g)含まれますので、旬の時期である4〜6月には風味が格別の生を、それ以外の時期には冷凍のものを活用するのもよいでしょう。


4位:しそ/葉
しその葉にもグリンピースと同様、不溶性食物繊維が多く含まれます。

しその葉は薬味や料理の彩りとして使いやすく、食物繊維だけでなくビタミンやミネラルも豊富ですので積極的に食べましょう。


5位:枝豆(冷凍)
枝豆には不溶性食物繊維が豊富です。

夏が旬の枝豆ですが、冷凍枝豆を活用すれば1年中楽しむことができますね。

グリンピースと同じく、旬の時期にはみずみずしい生の枝豆を、それ以外の時期は冷凍のものを活用すると食物繊維だけでなく、たんぱく質や鉄、ビタミンやカルシウムも補えるのでオススメです。

●果物のランキング
次に食物繊維を多く含む果物をご紹介します。

なお、ドライフルーツは栄養が濃縮されており食物繊維を多く含みますが、今回は生の果物でランキングを作成しました。

【食物繊維の多い果物ランキング(可食部100gあたり)】

1位 アボカド 5.6g
2位 レモン 4.9g
3位 ラズベリー 4.7g
4位 きんかん 4.6g
5位 ブルーベリー 3.3g

こちらのランキングに記載されている果物の詳細は、下で解説します。


1位:アボカド
アボカド1個(可食部)は150g前後なので、アボカド好きの方にとって5.6gの食物繊維を摂るのは容易であるように感じるかもしれません。

しかしアボカドは「森のバター」と呼ばれるほどカロリーや脂質が高いので、食物繊維が豊富だからといって食べ過ぎには注意しましょう。

参考までにアボカド1個は263kcalで、お茶碗1杯分のご飯とほぼ同じカロリーです。

そのためアボカドは1日に1/2個程度を目安に食べると、他の食事とのバランスが取りやすいでしょう。


2位:レモン
レモンと言えばビタミンCが豊富なイメージですが、実はペクチンと呼ばれる水溶性食物繊維も多いです。

水溶性食物繊維は水に溶けるとゼリー状になりますが、その粘着性により胃腸内をゆっくり進むので、栄養素の吸収スピードを抑えて、食後血糖値の上昇を穏やかにします。

なお、レモンの食物繊維はほとんど皮に含まれます。

そのため、薄くスライスして丸ごと食べたり、皮をレモンピールにすると食物繊維が摂取できますよ。


3位:ラズベリー
フランス語でフランボワーズと呼ばれるラズベリーは、ジャムやジュース、ケーキなどに使われることも多いです。

ラズベリーもレモンと同様、水溶性食物繊維であるペクチンが多く含まれます。

市販されているものは冷凍のものが多いですが、食物繊維の含有量は生のものと大差ありません。


4位:きんかん
きんかん1個は20g前後ですので、5個食べると4.6gの食物繊維を補うことができます。

皮まで丸ごと食べられるきんかんは、栄養素を効率的に摂ることができますね。


5位:ブルーベリー
ブルーベリーと言えば目の健康に嬉しい成分が入っていることで有名ですが、実は食物繊維も多いのです。

ヨーグルトに添えたり、スムージーに入れるなど気軽に取り入れてみてくださいね。

食物繊維が多い食べ物はダイエットに効果的?

食物繊維が多い食べ物はダイエットに効果的?

答えはYESです。

食物繊維の多い食べ物がダイエット中にオススメな理由は以下の通りです。

・胃や腸の中で膨らむので満腹感が得られやすく、食べ過ぎを防止できる
・食後血糖値の上昇を穏やかにするので、太りにくくなる
・腸内環境の改善に役立つので、肥満の要因となる便秘(※)の解消に効果的である
(※)便秘によって胃腸の動きが悪くなると、基礎代謝が低下するため太りやすくなる

なお、食物繊維の1日に摂取したい量は18〜64歳男性で21g以上、女性で18g以上となっていますが、現在の平均摂取量は18.4gと推定されます。

そしてダイエット中は食事量を減らす場合が多く、それに伴い食物繊維の摂取量も減りやすいので、特に意識して食べるようにしましょう。

まとめ

以上、食物繊維の多く含む食べ物をご紹介しました。

ランキングのTOP5は、下記の通りです。

野菜:1位らっきょう(生)、2位エシャレット、3位グリンピース(冷凍)、4位しそ/葉、5位えだまめ(冷凍)
果物:1位アボカド、2位レモン、3位ラズベリー、4位きんかん、5位ブルーベリー

食物繊維は便通を良くするだけでなく、生活習慣病の予防やダイエットにも役立ちます。

当記事を参考に、日々の食事に食物繊維の多く含む食べ物を取り入れていただけたら嬉しいです。


<参考文献>
文部科学省 食品成分データベース
駒沢女子大学 エシャロットとエシャレット
独立行政法人農畜産業振興機構 グリンピース(実えんどう)の需給動向
公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット 食物繊維の働きと1日の摂取量
JAグループ 春・夏の旬くだものブルーベリー
健栄製薬 【医師監修】便秘と肥満の関係性とは? 肥満の原因と解消法を知ろう
厚生労働省e-ヘルスネット 食物繊維の必要性と健康
厚生労働省 令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要

■教えてくれたのは・・・

シンクヘルスブログ編集部

糖尿病に強みを持つ健康管理アプリを展開するシンクヘルス社のオウンドメディア。ダイエット、糖尿病の食事、マインドフルネスなど幅広い健康情報について、管理栄養士や臨床心理士、運動指導士などの専門家陣が確かな根拠をもとに執筆している。

 
 

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