甘いものやスナック菓子などを食べると、ついついある分だけ全部食べてしまったという経験はありませんか?
たまにであれば問題ありませんが、いつの間にか毎日のように手が伸びるようになったら要注意!
この記事では、「依存性のある食べ物」の種類とその対策について、ライターで管理栄養士のゆかりさんに解説してもらいます。
どうして特定の食べ物に依存してしまうの?
私たちは、本能的にエネルギーを多く含む味を好む傾向があるといわれています。その代表が「甘味」であり、最近では「脂肪味」という味の存在も確認されています。
甘いものやこってりしたものを食べると、脳は刺激を受けて快感物質であるドーパミンが多く放出されます。すると、その快感がやみつきとなり、くり返し同じような味の食べ物を欲するようになっていくのだとか。
ただし、甘さと脂っこさがあるものすべてではなく、その中でも加工度合いが高いほどその傾向が強くなると考えられています。
素材そのままに近い食べ物には食物繊維、ビタミン、ミネラルが含まれていますが、それに対して加工度合いの高い食べ物はそれらが取り除かれたり加工中に分解したりして、含有量が大きく減ってしまうのです。
また、加工食品には、より多くの人に好まれるようにやわらかい食感になる処理がされていたり、食欲をそそりもっと食べたくなる味付けが施されていることも。塩分、うま味調味料・香料などの食品添加物が多く使用されることで、人工的なおいしさがつくられているものが多い傾向にあります。
こういったことから、体に不可欠な栄養素が少ないにも関わらずカロリーが高い食べ物となっているのです。これらは「超加工食品」とも呼ばれており、その多くは食べるのがやめられなくなる依存性が高い食べ物として近年問題視されています。
依存性の高い食品ランキング
食品に対する依存的行動の症状を判定する「イェール食品依存性尺度(YFAS)」を使用したアメリカのミシガン大学の研究では、つぎのような食品に依存性が高いことがわかりました。
10位……チーズ
9位……ケーキ
8位……清涼飲料水
7位……チーズバーガー
6位……フライドポテト
5位……アイスクリーム
4位……クッキー
3位……ポテトチップス
2位……チョコレート
1位……ピザ
これらのほとんどは、糖質や脂質が高い超加工食品であることがわかります。
これ以外にもベーコン、フライドチキン、ロールパン、グミキャンディーなども依存性が高い傾向にありました。
依存しないためにはどうすればいい?
特定の食べ物を毎日のようによく食べているという人も、依存してしまう前に食べる頻度を調整することが大切です。絶対に食べてはいけないというわけではありませんので、1日3回の食事量に影響を与えない範囲で時々楽しむようにしましょう。
すでに、食事をおろそかにしてまで食べている、あるいは無性にいつも食べたくなっているというのであれば依存している可能性が高いです。その場合は、強制的にでも、その食べ物を頻繁に口にできない環境を整えるようにしたほうがいいでしょう。
とくに、超加工品と呼ばれるものの多くは、菓子やファストフードに当てはまります。これらの食べ物は、安価で大量に手に入りやすいという特徴も持っています。
そのため、常備しておいたり手軽に利用したりすることが習慣化している場合もあります。
食べ合わせを工夫する
そういった習慣を変えることは難しいですが、この場合は食べ合わせを工夫してみるのも1つの方法です。
たとえば、依存性の高い食べ物を単体で食べるのを避け、食物繊維が含まれている果物やナッツを少量食べる、食事であれば野菜、きのこ、海藻などの多めのおかずと一緒に食べるのがおすすめです。
可能であれば、依存性の高い食べ物を口にする前に、ほかの食べ物を先にとるようにしましょう。食物繊維を先にとることで、消化や吸収のスピードを遅らせることが期待できるからです。
時間をかけて食べる
また、食べる速度をできるだけ遅くすることも心がけましょう。
あるだけの量をすべて食べきってしまうのは、早食いによって満腹感を得るまでに時間がかかることも一因です。
食べる合間にお茶など甘味のないさっぱりした飲み物を口にすることや、よく噛んでから飲み込むことを意識することが、食事時間を延ばすのに役立ちます。
まとめ
依存性が高い食べ物は、糖、脂質、塩分、食品添加物などが多く使われた加工食品という特徴があります。
・毎日食べないと気が済まない
・特定の食べ物ばかりで食事がおろそかになっている
・栄養不足になっている(貧血、骨粗しょう症も含む)
・肥満や生活習慣病になっている
こうした状態にすでになっていると感じる場合は、今すぐ食べ方を見直してみましょう。
まだ依存していないという人も、このようなことを避けるために食べ物の選び方や頻度を振り返ってみてはいかがでしょうか。