鍋ダイエットは太る?効果や食材選びのコツ、レシピを紹介

2025/03/21

熱々に煮込んだ具材を家族や友人、仲間たちで囲んで食べるイメージのある鍋料理。食べすぎて太ると思われるかもしれませんが、食べ方しだいではダイエット中にとり入れることもできるんです!

この記事では、鍋ダイエットについての詳しいポイントやおすすめのレシピをご紹介します。
食事を減らして我慢するダイエットではなく、しっかりと食べながらダイエットを成功させたい、という人はぜひ参考にしてくださいね。

管理栄養士、食生活アドバイザー。一女のママで出張料理、料理教室、講演、栄養相談も手掛けるほか、ライターとして...

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鍋ダイエットは太る?効果・メリットを解説

鍋料理は、好みの具材をいくつも入れて具だくさんで楽しむ料理です。ポイントを押さえておけば、おなかいっぱい食べたとしても太るどころか、ダイエットに役立てることができますよ。

ここからは、ダイエットに役立つ鍋料理の効果・メリットを解説します。

そもそも「煮る」料理はカロリーが低い

鍋料理をつくる際は、煮汁で具材を煮ることがほとんど。そのため、油を加えなくてもつくれるので、カロリーを抑えた料理に仕上がります。

野菜やきのこなどの低カロリーなものも組み合わせれば、茶碗1杯くらいのごはんと一緒に食べても500kcal程度に収めることもでき、肉なども我慢する必要はありません。

揚げ物や炒め物料理などを含んだ食事を食べるのに比べ、全体的に大きくカロリーを抑えやすくなっていますよ。

野菜を摂取できる

肉や魚介類だけでは鍋料理はつくれません。ねぎや白菜、きのこなどの食物繊維を含んだ低カロリーな食材も多く使うため、カロリーを抑えつつ、ダイエット中に必要な栄養素もおいしくとることができるのです。

食物繊維もしっかりととることで、体内での糖や脂肪の吸収を抑え、体調をととのえながらダイエットを続けることができますよ。

ビタミンやミネラルの摂取も意識するのであれば、にんじん、小松菜などの色の濃い緑黄色野菜も組み合わせるのがおすすめです。

おなか一杯になる

食事量を減らしてダイエットする場合、食べたい気持ちを抑えて我慢することになり、そのストレスで暴食に走って失敗してしまうことも。

低カロリーな鍋料理であれば、おなかが十分に満たされ、無理なく続けやすいというメリットがあります。また、野菜やきのこなども多くとりやすので、噛み応えがあり、満腹感も得やすくなることが期待できますよ。

さらに、食物繊維を多くとることは空腹感を抑えることにも役立つため、間食防止にも◎。

タンパク質を摂取できる

せっかくダイエットに励んでいても、たんぱく質が不足していると筋肉が落ちて代謝が下がり、やせにくい身体になってしまうことも。

鍋料理には、肉、魚介類、豆腐などを組み合わせることが多く、筋肉を維持するためのたんぱく質がとりやすくなっているのです。

そのため、ダイエット中はたんぱく質食材の入った鍋料理を取り入れつつ、運動などで体を動かして筋肉量を増やすことで成功率を高めていきましょう。

鍋ダイエットではやせないのはなぜ?

ダイエットに役立つと言っても、間違えた方法では、やせないどころか太ってしまうこともあります。

ダイエットで失敗しないために、鍋料理を取り入れる際に気をつけたいポイントを挙げるので、覚えていきましょう。

具材・鍋の種類の選択ミス

ダイエット中には、バラ肉やモツなどのように脂質をたくさん含んだ食材は、できるだけ避けましょう。脂質1gは9kcalも含まれているため、少しの量を加えただけであっという間にカロリーをとりすぎてしまう場合もあるのです。

また、鶏肉であれば、皮の部分に脂肪が多く含まれています。鶏もも肉の場合、皮付きと皮なし100gあたりの脂質は9g以上(カロリー換算でおよそ80kcal)も差があります。鶏肉は、皮なしを選ぶようにしたいですね。

煮汁についても、ごまやチーズが使われているような濃厚タイプはカロリーが高め。ダイエット中は、しょうゆや塩などをベースにしたあっさりしたものを選ぶことをおすすめします。

タンパク質のとりすぎ

ダイエット中だからと言って、たんぱく質を必要以上にとりすぎてしまうと太る原因になることも。

ダイエット向きの鍋料理の基本は、たんぱく質の多い食材とたっぷりの野菜やきのこなどの低カロリーな食材です。
おなかいっぱい食べてもいいから、と肉の割合が高すぎてしまうと思っていたよりも高カロリーになってしまいます。
(参考……鶏もも1枚200~250g、皮なし100gあたり113kcal)

1食にとるエネルギー量から、具材の割合を調整するようにしたいですね。その分、野菜などをしっかりと食べて満腹感を得るようにしましょう。

鍋以外の習慣

カロリーを抑え、十分なたんぱく質をとったとしても、それだけではダイエットが成功するとは言えません。

食事以外で間食の頻度や量が多かったり、遅い時間の飲食、アルコールのとりすぎなどがあると、なかなかやせることはできないのです。
また、運動不足で筋肉が全体的に少ない場合も、やせにくい原因となります。

これらに当てはまる場合は、一つずつその生活習慣を改善していくように努力しましょう。

鍋ダイエットにおすすめの食材

鍋料理を食べるなら、具材のうま味が溶け出した煮汁も飲みたいという人は、具材もヘルシーなものを選びましょう。

肉や魚介類、野菜の中でも、とくにダイエットにおすすめの食材をご紹介するので、参考にしてみてくださいね。

脂質の少ない肉類

豚肉を選ぶ際は、ヒレ肉やもも肉を選ぶと脂質が少ないので低カロリー。
100gあたりバラ肉が398kcalなのに対し、ヒレ肉は105kcal、もも肉が211kcalとなっていますよ。

また、鶏肉の中でささみはとくに低カロリーですが、脂質が少ない分パサつきやすい点が気になる人もいるのでは?それを避けるためには、酒や塩を振って下処理したり、片栗粉をまぶして加えるのがおすすめです。

なお、低カロリーな肉ほど加熱しすぎると硬くなりやすいので、食べるタイミングに合わせて途中から煮込み、加熱時間を調整しましょう。

低カロリーな種類を選ぶだけでなく、調理方法も工夫しておいしく取り入れたいですね。

脂質の少ない魚介類

鍋料理に使われる魚介類には、さけ、たらなどのあっさりとした白身魚や、えび、ほたて、かになどがあります。
また、魚のすりみを使ったつみれ、はんぺん、さつま揚げも相性がよい具材です。

ただし、ぶりやはまちの場合は、00gあたり200kcal以上もあるので、ダイエット向きにするのであれば量を減らしたいところ。
先述した食材であればいずれも100kcal前後なので、低カロリーな鍋料理にしたいときはぜひこういった具材を組み合わせるようにしましょう。

なかでも、えびやほたては、うま味が多く弾力のある歯応えによって鍋料理の食べごたえを増やしてくれます。ついつい食べすぎてしまうという人は、意識して取り入れ食べすぎ防止に役立ててくださいね。

豆腐はかさましになる

水分を多く含んだ豆腐は、低カロリーなうえに、一度にたくさん食べやすい食材でもあります。

木綿豆腐100gあたり73kcal、絹ごし豆腐は56kcal、焼き豆腐が82kcalとなっていますが、わずかな差なので好みの種類を選んでいいと思います。

どうしても高カロリーな具材や煮汁で鍋料理が食べたいというときは、高カロリーな具材は少しだけにして豆腐を多めに加えと、少しカロリーが調整しやすくなりますよ。

また、量をたくさん食べないと気がすまないという人は、肉や魚ではなく豆腐をメインにした野菜たっぷりの鍋料理を意識しましょう。

野菜の糖質に気をつける

鍋料理には幅広い種類の野菜が使われますが、ダイエットに利用するのであれば糖質量が少ないものを選ぶのもいいですね。

糖質をとりすぎてしまうと、エネルギーとして使われない分は体脂肪に変えられて溜め込まれてしまいます。そうならないために、たくさん食べるときはとくに糖質を抑えることも意識しましょう。

基本的には葉物野菜に糖質が少なく、根菜類などに多い傾向があります。なかでも、かぼちゃ、れんこん、ごぼうを加える場合は、量を少なくすることをおすすめします。

なお、野菜ではありませんが、いも類を加える場合も糖質が高めなのでダイエット中は注意してください。

きのこ類は食物繊維が豊富

鍋料理には、どんな種類のきのこも合わせやすくなっていますよ。
きのこにはうま味成分が含まれているのでおいしさをプラスしてくれるだけでなく、ビタミン、ミネラル、食物繊維もたっぷり。

しめじ、えのきたけ、まいたけ、しいたけなどさまざまな種類がありますが、どれを選んでも生で100gあたり14~37kcalと低カロリーかつ低糖質なのです。
食物繊維の多さで選ぶなら、しいたけがおすすめ!100gあたりに4g以上も含まれています。

どのきのこにも噛み応えがあり、食べたときの満足感を高め、食べすぎ防止にも◎。
いくつかの種類を組み合わせると異なる食感で飽きずに食べやすくなるので、お好きなきのこの種類を選んでみては?

しらたきでボリュームアップ

鍋料理に、春雨やくずきりを入れて食べるという人もいるのではないでしょうか。
煮汁のうま味を吸い込んでツルツルとした食感が楽しいのですが、それらの代わりにしらたきを使うのがおすすめです。

乾燥品100gあたりのカロリーは、春雨が344kcal、くずきりが341kcalに対し、しらたきは7kcalしかありません。また、糖質量は、春雨が75.4g、くずきりが86.g 、しらたきで0.1gと、大きな差が見られます。

まったく同じ食感というわけにはいきませんが、しらたきであれば増量してもカロリーや糖質はほぼ増えません。食物繊維も100gあたりに2.9gと多く含まれているので、食べたときの満腹感を高めて食べすぎを抑えることも期待できますよ。

ダイエット向きの鍋の種類

濃い味つけやこってりとした煮汁で鍋料理をつくると、カロリーが高くなるだけでなく、食欲が増していつもより食べすぎてしまいやすいというデメリットがあります。

そうならないためには、
・しょうゆベース
・塩ベース
・味噌ベース
といったシンプルなものを選ぶと安心ですよ。

なお、市販の鍋つゆを使うのであれば、つぎのような種類がおすすめ。
・寄せ鍋
・海鮮鍋
・豆乳鍋
・キムチ鍋
・トマト鍋
・レモン鍋

ただし、カロリーは高くなくても、唐辛子などの辛みが効いていると食欲が増しやすくなります。代謝を上げる効果も期待できますが、食べすぎては元も子もありません。

辛いもの好きの人は、具材にヘルシーなものを選んだり、ときどきほかの種類の鍋料理も取り入れるようにしましょう。

ダイエットに向かない鍋の種類

ダイエットに鍋料理を活用する際に、避けてほしい種類はつぎの通りです。
・チーズ鍋
・坦々鍋
・ごま豆乳鍋

こういった種類は、おいしさを重視して濃い味つけになっていたり、脂質が多く含まれている傾向があるので気をつけましょう。

なお、水炊きやしゃぶしゃぶなど、だしで煮た具材をたれに浸けて食べる場合は、ごまだれでなくポン酢を選ぶのが正解。水炊きやしゃぶしゃぶそのものは低カロリーでも、ごまだれとポン酢だけで5倍ほどカロリーに差があるので、ご注意ください。

・すき焼き
のように、甘辛い味の鍋料理には、糖質が多く含まれています。すき焼きに限らず、砂糖やみりんなどの調味料が多く使われている鍋つゆにも気をつけるようにしたいですね。

鍋ダイエットのコツ

鍋料理を取り入れたダイエットを成功させるためには、食べ方に気をつけることも大切です。

ここからは食べるタイミング、つくり方などの鍋ダイエットのコツをご紹介するので、しっかりと押さえておきましょう。

夕食に鍋を食べる

鍋料理の魅力は、カロリーを抑えてバランスよくたんぱく質や野菜などがたっぷりととれるところ。

1日のなかでも食べた物がいちばん脂肪に変わりやすいのが、日中よりも活動量が減る夜の時間帯です。そのため、ヘルシーな鍋料理を取り入れるのであれば夕食に食べるようにしましょう。

とくに、ふだんから夕食が高カロリーな食事になりやすい人にとっては、ダイエットに効果が出やすくなることが考えられますよ。

鍋の具材や種類にこだわって、夕食に鍋料理を取り入れてみてください。

1人分ずつ作る

鍋料理を何人かで一緒に少しずつ取り分けながら食べていると、どれだけ自分が食べたのか全体量がわかりにくくなってしまうこともあります。

できれば、自分が食べる分だけ材料をはかり、食べすぎないようするのがおすすめです。

それがむずかしい場合は、あらかじめ食べる量を決めて取り分けし、どれだけのカロリーをとったのか把握できるような工夫を取り入れましょう。

低カロリーの鍋料理だとしても、ダイエット中は食べる量をほどほどに抑えておきたいですね。

主食は控えめにする

鍋料理と一緒にごはんを食べたり、余った煮汁にごはんや麺などを加えてシメを食べる人もいるはず。

いくら鍋料理がヘルシーだとしても、主食が進みすぎてしまうとカロリーや糖質をとりすぎてしまうことになります。

できるだけ鍋料理を中心に食べること、野菜やきのこなどの食物繊維が多い具材からよく噛んで食べることなどを実践すると、主食の量を抑えることができますよ。

食べていけないわけではありませんが、鍋料理とのバランスを考えて食べる量を調整するといいですね。

鍋ダイエットのおすすめレシピ

ここからは、実際にどんな鍋料理がダイエットにいいのか、具体的なレシピをご紹介します。

カロリーや糖質を抑えたものが中心なので、鍋料理で何を食べようか悩んだときは参考にしてみてください。

セリたっぷりみそ豚鍋

出典:E・レシピ

豚肉を使うときは、もも肉よりも少しカロリーはありますが、かたロース肉を使うのもいいですね。
このレシピであれば、セリ、しいたけ、白菜、ねぎ、えのきといった低カロリーの食材しか組み合わせないので、カロリーを抑えることができます。

調味料は味噌だけ、というとてもシンプルな味つけですが、それぞれの具材の香りやうま味が混ざり合い、食べごたえのある仕上がりに。

調理時間:15分(2人分)
カロリー:281kcal

チキンボール鍋

出典:E・レシピ

鶏ひき肉を使って肉団子をつくり、きのこ、野菜、しらたき、豆腐などと一緒に煮込んだ鍋料理です。具材をしょうゆベースのあっさりとしたつけダレで食べるので、カロリーも控えめになっていますよ。

つけダレにすりおろした長芋でとろみがついているので、つけダレが具材とからみやすくなる工夫がこらしてあるのがポイント。ご家庭によくある調味料でつくりやすいので、ぜひ試してみてくださいね。

調理時間:40分(4人分)
カロリー:298kcal

カキのみぞれ鍋

出典:E・レシピ

肉や魚を使わず、牡蠣をメインでつくる鍋料理です。気になる牡蠣のくさみは、水洗い後に水分を拭いて片栗粉を抑えておけば◎。

牡蠣には、鉄や亜鉛などのミネラルがたっぷり。免疫を高めたいときにもおすすめの具材となっていますよ。

大根、しいたけ、えのきたけ、ねぎ、ほうれん草などの具材も入り、栄養満点!低カロリーな理由は、醤油ベースの煮汁とポン酢につけて食べるから。

調理時間:20分(1人分)
カロリー:298kcal

簡単!鶏むね肉と野菜のヘルシー豆乳鍋

出典:楽天レシピ

皮なしの鶏むね肉、キャベツ、しめじ、ねぎ、にんじんを豆乳ベースで煮込んだ鍋料理です。
このレシピでは、調味料は市販のおでんの素を使っていますよ。

鶏むね肉は、加熱前に片栗粉をまぶすことで肉汁を閉じ込めてジューシーに仕上げるのがポイント。加熱時間が長くならないよう、薄めに切っておくと◎。
煮るときは沸騰すると豆乳の食感が変わってしまうので、火加減に注意してつくってみてください。

調理時間:10分(2~3人分)
カロリー:-kcal

蛤鍋(はまぐり鍋)

出典:白ごはん.com

昆布とはまぐりのうま味が効いた蛤鍋は、仕上げに塩とオリーブオイルをかけて食べる珍しいタイプの鍋料理です。
オリーブオイルのカロリーは、香りつけ程度に入れるのであれば気にせず楽しみましょう(参考:小さじ1杯あたり36kcal)。

具材の菜の花だけは別ゆでして加えることで、透明感のあるすっきりとした煮汁にすることができます。菜の花の鮮やかな色や風味も合わせて、「蛤鍋(はまぐり鍋)」を堪能してみてくださいね。

調理時間:60分(3~4人分)
カロリー:-kcal

まとめ

具材や種類、食べ方しだいで、ダイエットの心強い味方になってくれる鍋料理。
工夫した鍋料理であれば、食べたいという欲求を我慢せずに食事することができ、ストレスなく続けやすくなるのではないでしょうか。

ダイエットを成功させたいという人は、ご紹介した内容やレシピを参考に、日々の食事に上手に鍋料理を取り入れてみてくださいね。

 
 

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