梅干し

【管理栄養士監修】賞味期限切れの「梅干し」はいつまで食べられる?開封状態に分けて解説

2020/07/24

梅干しの賞味期限を気にしたことがあるでしょうか。保存食として知られる梅干しですが、塩分濃度によっては賞味期限が設定されている商品もあります。賞味期限が切れてしまった梅干しは食べられるのでしょうか。本記事では梅干しの賞味期限について紹介します。

管理栄養士、食生活アドバイザー。一女のママで出張料理、料理教室、講演、栄養相談も手掛けるほか、ライターとして...

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梅干しは賞味期限がすぎても食べられる?

梅干。漬けの梅。日本の塩プラム
KPS/gettyimages

梅干しの賞味期限は、販売しているメーカーによって設定が異なります。同じメーカーの梅干しであっても、塩分濃度や添加されている調味料などによって賞味期限が変わります。

「賞味期限」の表示は、メーカー側が提示している「梅干しをおいしく食べられる期限」だということを理解しましょう。そのため、賞味期限が切れた梅干しは、すぐに食べられなくなるというわけではありません。

賞味期限と消費期限の違い

ここで、賞味期限と消費期限の違いについてまとめます。賞味期限とは、未開封で保存方法をしっかり守って保存した場合に、記載されている年月日、または年月まで「おいしく食べられる」期限のことです。

賞味期限はスナック菓子・インスタントラーメン・缶詰など、製造・加工されてから、おおむね6日以上期限のある傷みにくい食品に記載されています。またこの期限をすぎても、すぐに食べられなくなるわけではありません。

消費期限とは、賞味期限と同じように保存していた場合、記載されている「年月日」まで「安全に食べられる」期限になります。お弁当・サンドイッチ・生菓子など、製造・加工されてから、おおむね5日以内の傷みやすい食品に記載されています。

もちろん賞味・消費期限ともに、開封してしまうことで、食品の保存状態が変化してしまうため、表示されている期限にかかわらず、できるだけ早めに消費するようにご注意ください。

【保存方法別】梅干しの賞味期限は?

伝統的な日本の梅干
PicturePartners/gettyimages

梅干しの賞味期限はどのくらいに設定されているのでしょうか。手元に市販の梅干しがある場合は、実際にパッケージの表示を確認してみましょう。

梅干しの賞味期限は、塩分濃度や添加されている調味料など異なります。さらに、保存環境によっても賞味期限に違いがでます。

ここでは、梅干しの保存方法ごとの賞味期限を紹介するので、梅干しを保存する際の参考にしてみてください。

未開封の梅干しの賞味期限

塩分濃度が20%前後の梅干しには賞味期限がありません。メーカーによって設定は異なりますが、あるメーカーでは塩分18%の梅干しを賞味期限なしとして販売しています。

一方、塩分濃度が低い梅干しは、メーカーにもよりますが開封前の状態で製造日から6カ月くらいまでに賞味期限を設定していることが多いようです。

生鮮食品ほど賞味期限は短くありませんが、購入の際は商品に記載されている表示を確認しておきましょう。

開封済みの梅干しの賞味期限

塩分濃度が20%前後の梅干しは、開封後であっても賞味期限はありませんが、食べる際には清潔な箸を使い、ほかの梅干しに雑菌がつかないようにしましょう。

賞味期限が表示されている梅干しは、開封・未開封にかかわらず冷蔵庫で保存し、開封後は早めに消費しましょう。

冷蔵庫で保存した梅干しの賞味期限

賞味期限がない梅干しは、開封後も冷暗所のまま保存できますが、そのほかの梅干しの保存場所としては、冷蔵庫が適しています。

開封によって傷みやすくなるため、賞味期限にかかわらず早めに消費しましょう。

冷凍庫で保存した梅干しの賞味期限

梅干しに限らず、食品を家庭用冷蔵庫で冷凍した場合、本来の賞味期限よりも1カ月程度賞味期限が延びるとされています。

ただし、冷凍保存をした場合であっても風味や食感は劣化する可能性があるので、塩分濃度が低い梅干しほど、早めの消費を心がけましょう。

賞味期限がすぎて傷んだ梅干しの特徴

も同時に 11
ahirao_photo/gettyimages

塩分濃度の高い梅干しの場合は、そもそも賞味期限がないため「賞味期限をすぎた状態」にはなりませんが、それでも保存環境によっては傷んでしまうこともあります。また、塩分濃度が低く、賞味期限が表示されている梅干しも、当然時間が経つと傷みます。

梅干しを開封してからの日数や梅干しを漬けてから何年などと期間では断定できないので、傷みの出てきた梅干しの特徴を覚えて見分けましょう。

特徴1:カビが発生している

梅干しにカビが生えてしまったら食べないほうがよいでしょう。梅干しに発生するカビには白カビ、青カビ、赤カビなどがあります。

梅干しは古くなると塩が固まって表面に白いものが見えることがありますが、白カビは粒状ではなく綿毛状で、塩の固まりと白カビでは明らかに形状が異なるので見分けられます。

特徴2:形がくずれている

梅干しは製造過程で干しているので、年月が経っても同じ形状を保ちます。にもかかわらず梅干しの形がくずれてしまっている場合は「腐っているのではないか」と疑ってみたほうがよいでしょう。

元の形状をまったく残していないくらいくずれていたら、捨てたほうが安心です。

しかし、形がくずれているからといって必ず腐っているわけではありません。漬け方によって形がくずれてしまうこともあるので、臭いや色の変化なども併せて確認しましょう。

【日数別】賞味期限切れの梅干しはいつまで食べられる?

ピクルスプラム
Torsakarin/gettyimages

塩分濃度の高い梅干しは、賞味期限切れという概念がないので期限を気にする必要はありません。

しかし、保存状態や環境によっては傷む可能性もあるので、明らかに通常の梅干しと状態が異なる場合は「食べられないかもしれない」と疑いましょう。

ここでは、賞味期限設定がある塩分濃度の低い梅干しについて、賞味期限をすぎてから、どのくらいまで食べられるのか目安を紹介します。

賞味期限が1カ月すぎた梅干し

冷凍保存してある場合は、1カ月程度の経過なら問題ないといわれています。冷蔵保存の場合は、梅干しの加工方法によって異なります。

塩分濃度が10%未満で、天然素材のみで加工されている梅干しはあまり日持ちはしません。保存料などの添加物が入っている梅干しなら、冷蔵庫に保存されていれば食べられる可能性もあります。

賞味期限が半年すぎた梅干し

塩分濃度の低い梅干しは、メーカーによって異なるものの、6カ月前後の賞味期限が設定されています。

賞味期限を半年すぎた場合は、当初設定されている賞味期限の倍の月日が経過したことになるので、商品としての安全性は低くなるでしょう。

臭いや色を確認し、たとえ大丈夫そうだと感じた場合でも、はじめに少量を味見して最終的に判断しましょう。

賞味期限が1年以上すぎた梅干し

製造から6カ月程度の賞味期限が設定されている梅干しを、賞味期限が1年以上すぎた状態で食べるのはかなり危険です。

未開封のまま冷凍状態で保存していた場合は、食べられる可能性もゼロではありませんが、常温保存や冷蔵保存では、傷んでいて食べられない可能性が高くなります。

梅干しの正しい保存方法

梅塩
kuppa_rock/gettyimages

梅干しは、本来は20%ほどの塩分濃度がある保存食であり、賞味期限を気にせずに食べられる食品です。それに対し、健康志向などの高まりで、塩分濃度を低くしてつくられた梅干しは保存できる期間が限られてしまいます。

いずれの梅干しも保存方法を間違うと、長持ちせずに傷んでしまいます。ここでは、梅干しの正しい保存方法を紹介します。

冷蔵庫で保存する

塩分濃度10%前後の梅干しは、10℃以下に保たれている場所で保存することが推奨されているので、冷蔵庫で保存しましょう。

なお、塩分濃度の高い20%前後の梅干しも冷蔵庫で保存できますが、基本的には冷暗所の保存で問題ありません。

冷凍で保存する

梅干しは冷凍庫で保存することもできます。梅干しをジッパーつき容器などの密閉容器に重ならないように入れて冷凍庫で保存すると、カチカチに固まらずによく冷えるだけなので、そのままでも食べやすく、夏バテや熱中症対策におすすめです。

はちみつが使われている甘い梅干しなども冷凍保存することでおいしく食べることができます。また、種を取り除いてペースト状にした梅干しも密閉容器などに入れて保存しておくと、梅肉和えや炒め物にすぐ使えて便利です。

甕(かめ)に入れて保存する

昔ながらの梅干しは、大きな甕(かめ)から取り出して食べているイメージがありますが、甕は梅干しの保存におすすめの容器です。甕は、酸や塩に強い素材でつくられているので、梅干しに適した容器といえます。

甕というと場所を取るほど、大きなものを想像しがちですが、食卓にそのまま出せる小さいサイズのものも販売されています。食卓に置けるサイズの甕なら、簡単に動かせる重さなので、ひとつ用意してみてもいいでしょう。

賞味期限切れの梅干しには要注意!無理して食べないようにしよう!

塩漬け梅
suntakafk/gettyimages

梅干しは賞味期限のない保存食といわれていますが、塩分濃度の低い梅干しは、賞味期限が設定されているので保存できる期間が限られてしまいます。

メーカーの設定した賞味期限が切れてしまった梅干しは、風味が落ちる可能性はありますが、正しい保存方法が守られている場合、賞味期限が切れてしまったからといってすぐに食べられなくなることはありません。

しかし、判断の目安である賞味期限を大きくすぎた梅干しを、無理して食べるのは避けたほうがよいでしょう。

参考サイト

 
 

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