梅雨よりも注意!?じつは秋こそカビ対策が必要
2020/08/25
カビが気になるのは梅雨というのが一般的なイメージですが、実は、これから訪れる秋も注意しなければならない時期です。
なぜ秋にもカビ対策をしなければならないのか、また秋だからこそ気をつけたい場所について、暮らしスタイリストとして料理を始め家事全般の情報を日々発信されている河野真希さんに解説してもらいました。
執筆/監修: 暮らしスタイリスト 河野 真希
暮らしスタイリスト・一人暮らしアドバイザー・料理家。料理や家事、インテリアなど、気持ちのいい暮らしを作る、は...
秋こそカビに気をつけよう
カビに注意しなければならない季節といえば、梅雨時をイメージするかもしれませんが、実は秋もカビが生えやすい時期です。
カビが好む環境は気温20~35℃で、湿度が70%以上ある場所と言われています(※1)。それを超える気温となる夏場はカビの増殖が抑えられますが、気温が下がり、秋雨や台風によって湿度が上がる9~11月ごろは梅雨時と似た環境となり、再びカビが繁殖しやすくなります。
また、カビはホコリなどの汚れを栄養分とします。暑い夏は掃除が億劫になるという人も多いですが、汚れを放置したままにしておくと、秋になったときにはカビの原因になってしまうことも。カビは見た目が汚いだけでなく、アレルギーなどの健康被害が生じることもあります。気温が下がってくるその前に、早めのカビ対策を心がけましょう。
気づきにくいエアコン内部のカビに注意!
秋のカビ対策で、特に注意したい場所がエアコンです。エアコンの冷房では温かい空気を冷たい空気に変換し、室内に吹き出しているのですが、その過程でエアコン内部に水分が発生します。この水の多くはドレンホース(排水ホース)から屋外へ排出されますが、内部には湿気が残ります。また、長く掃除をせずにエアコンを使い続けると、フィルターやその内部にホコリや汚れがたまり、カビにとって好ましい環境となってしまいます。
内部でカビが発生していたとしても、外側からは目立ちにくいため、冬になって暖房をかけるようになってから、嫌なニオイがして気づくことも。知らぬ間に部屋中にカビをまき散らしている可能性もあります。
また、エアコンを使ったときには、電源を切る前に30分~2時間程度、送風運転をしましょう。エアコン内部に溜まった湿気を乾燥させ、カビが発生しにくくなります。
そうならないためにも、エアコンはこまめに掃除をすることが大切です。カバーやルーバー(吹き出し部分の板)は乾拭きを。汚れがひどいときには水拭きや中性洗剤を含ませた布で拭くようにします。取り外せるようであれば、水洗いをして乾かしてから取りつけます。
また、フィルターの汚れは掃除機で吸ってから、取り外して水洗いをします。柔らかめの歯ブラシなどを使って、汚れを落とします。なお、フィルターの奥にもカビが発生した場合は、自分で掃除することは難しいので、専門の業者にクリーニングを依頼することをおすすめします。
浴室のカビはくん煙剤で予防するとラク!
カビの栄養分となる皮脂や水垢などの汚れがつきやすく、湿気がこもりやすい浴室は、どんな時期でもカビやすく、悩まされているという人も少なくないでしょう。
カビを発生させないためには、こまめに掃除をして汚れを残さないようにし、入浴後には天井や床などの水気をスクイジーやワイパーで拭き取っておくといった対策があります。ただし、これを毎日きっちり続けていくのはなかなか大変です。
カビは50℃以上のお湯を一定時間かけると死滅すると言われています(※2)。一般的な給湯器では60℃まで温度が上げられるので、可能な範囲でシャワーの温度を上げて、入浴後に浴室全体にかけておくことで予防が可能です。ただし、高い温度のお湯は火傷の危険があり、暑い季節にはつらいことも。
より手軽な方法としておすすめしたいのが、くん煙タイプの防カビ剤です。たとえば筆者が利用している「ルックPLUS おふろの防カビくん煙剤」は銀イオンの煙で、黒カビの原因となる菌を除菌してくれます。容器に水を入れて浴室に置いて、90分間くん煙するだけで、2カ月はその効果が続きます。
すでに発生してしまったカビを落とす効果はないため、その掃除は必要ですが、それ以降は定期的に使うことで、カビ落としの必要がなくなります。こまめな掃除やお手入れに自信がない人こそ上手に使って、負担少なくカビ対策をしていきましょう。
◆監修・執筆/河野 真希
暮らしスタイリスト・一人暮らしアドバイザー・料理家。料理や家事、インテリアなど、気持ちのいい暮らしを作る、はじめるためのライフスタイル提案を行う。流行や思い込みにとらわれずに、無理なく持続可能で快適な自分らしい暮らしづくりを応援。 『料理教室つづくらす食堂』主宰。