【管理栄養士監修】賞味期限切れの「出汁(だし)」はいつまで大丈夫?傷んだときの特徴や保存方法を解説!
2020/11/25
日本の食卓には欠かせない存在の出汁(だし)は、かつお節や昆布を煮出してつくられることが多いですが、しいたけ、野菜、煮干し、トビウオなどと組み合わせたり、単体で使われることもあります。
家庭でつくることもできるだしですが、手間をかけずにすぐ使えて保存できるタイプのだしもあります。上手に使うためには保存状態にも気をつけなければなりません。
傷んでいたり、不安のあるときは無理に使わない判断も必要です。ここではだしの種類と便利に使うコツをご紹介します。
だしの賞味期限は?
市販されているだしは、「粉末」「顆粒」「液体」の3種類が主流です。メーカーによって異なりますが未開封の場合、だしの賞味期限は12カ月から18カ月程度といわれています。
最近では、昆布や鰹節、煮干しを使って煮立たせてだしをとる方法ではなく、手軽な市販のだしを使う家庭も多くなっています。だしを使ううえで、上手に使い切る方法や、気をつけたい点などを考えていきましょう。
賞味期限と消費期限の違い
ここで、賞味期限と消費期限の違いについてまとめます。
賞味期限とは、未開封で保存方法をしっかり守って保存した場合に、記載されている年月日、または年月まで「おいしく食べられる」期限のことです。
賞味期限はスナック菓子・インスタントラーメン・缶詰など、製造・加工されてから、おおむね6日以上期限のある傷みにくい食品に記載されています。またこの期限をすぎても、すぐに食べられなくなるわけではありません。
消費期限とは、賞味期限と同じように保存していた場合、記載されている「年月日」まで「安全に食べられる」期限になります。
お弁当・サンドイッチ・生菓子など、製造・加工されてから、おおむね5日以内の傷みやすい食品に記載されています。
もちろん賞味・消費期限ともに、開封してしまうことで、食品の保存状態が変化してしまうため、表示されている期限にかかわらず、できるだけ早めに消費するようにご注意ください。
賞味期限がすぎて傷んだだしの特徴
賞味期限がすぎただしはどのような変化があるのでしょうか。たとえ未開封で保存状態がよいものでも、だしが傷んでいないかよく確認しましょう。時間の経過とともに、風味や味が低下するだけでなく、安全な状態を保てなくなっている可能性もあります。
また、だしが傷むことによって、料理の味や香りを損ない、仕上がりに影響する可能性もあります。ここではだしが傷んだときの特徴をわかりやすく説明していきます。
特徴1:カビが生える
粉末や顆粒タイプのだしの場合、未開封、開封ずみのどちらについても、カビが発生する可能性があります。カビの原因として、保存環境の湿気や温度変化の影響によるものが考えられます。
粉末や顆粒タイプのだしを開封し、袋から直接、熱い料理にだしを加えると蒸気が袋の中に入ってしまい、湿気る原因となります。使い切りサイズの個包装以外で料理に加える際には、よく乾燥させた清潔なスプーンを使用するとよいでしょう。
また、使用後は密封して、なるべく空気にふれないように抜いておくといいでしょう。
特徴2:味の変化
賞味期限がすぎてだしが傷んでいる場合は、味が変化していることが考えられます。料理に本格的に使うまえに少量での味見や、においに異常がないかためすことも必要です。
ただ、賞味期限が切れているものを使ったり食べたりする場合には、自己責任がともないます。少しでも傷んでいることが感じられたら、使わない判断をおすすめします。
【種類別】だしの賞味期限は?
だしはたくさんのメーカーから販売されていますが、その多くは長期保存できるものとなっています。だしの賞味期限は未開封の場合、おおよそ12カ月から18カ月が目安といわれています。
開封したあとは、品質が落ちないように保存方法に気をつけることも大切です。料理に使う頻度や用途を考えて、使いやすいだしの種類や量を選びましょう。
粉末だしの賞味期限は?
こまかい粉状で、昆布や椎茸などの風味のよいことが粉末だしの特徴です。粉末だしの賞味期限は、未開封でおおよそ12カ月から18カ月といわれています。メーカーにより賞味期限に6カ月ほど差があるようです。
粉末だしはこまかな形状のため、空気中の水分を取りこみやすい傾向があります。開封したあとは密閉できる容器や保存袋へ入れて保存し、早めに使い切るようにしましょう。
顆粒だしの賞味期限は?
さらさらとした形状の料理に溶けこみやすい性質を持つのは顆粒だしです。おでんなど鍋料理によく使われています。顆粒だしの賞味期限は、未開封でおおよそ12カ月から18カ月といわれています。
メーカーによって賞味期限に違いがありますので、購入時には必ず確認しましょう。顆粒だしは湿気の影響を比較的受けにくいとされていますが、開封したあとは密閉できる容器や保存袋で保存することがおすすめです。
液体だしの賞味期限は?
うどんや麺つゆ、汁物を料理するときに便利なのが液体だしです。液体だしの賞味期限は、未開封で12カ月から18カ月といわれています。
賞味期限の長さや開封後の保存方法も同様に、空気にふれることを避け、密閉できる容器で保存するとよいでしょう。
冷蔵庫で保存し、なるべく早く使い切ることを心がけましょう。
だしの保存方法
だしを便利に使うために適切な保存が必要です。保存については、常温または冷蔵保存する方法があります。
気をつけなければならないのは、保存状況や使用環境によって、だしが傷んでしまう可能性があることです。だしを使うのは主に台所ですが、コンロや水まわりは高温多湿となりやすいため、だしを置いたままの状態は保存に向いていないといえます。
常温で保存する
液体だしは未開封に限りますが、だしを常温で保存する場合は、高温多湿や直射日光のあたる場所をさけるようにしましょう。冷暖房器具の近くなど、季節によって気温が変わる場所もありますので、注意が必要です。
開封しただしは、密封できる容器や保存袋に入れて保存しましょう。量に見合ったサイズの容器を選んだり、袋の中の空気をできるだけ抜くことで、空気中に含まれる水分にふれさせないことが大切です。
メーカーによっては、開封後は冷蔵保存をすすめていることもあるので、パッケージに記載されている方法に従って、開封後はなるべく早く使い切りましょう。
冷蔵/冷凍で保存する
開封後の液体だしや、気温が高くなったり涼しい場所を確保できなかったりする場合には、冷蔵庫で保存するとよいでしょう。開封後であれば、常温の保存と同じく、密封できる容器や保存袋に入れかえて、余分な空気が入らないようにすることがおすすめです。
冷蔵保存していても保存期間が長くならないので、早めに使い切ることがよいといえます。また、液体だしだけでなく、粉末や顆粒だしを水に溶かしたものも、冷凍保存することができます。
保存容器や保存袋に使いやすい分量を入れて凍らせてもいいですが、製氷皿を利用する方法もあります。
製氷皿でだしを凍らせる場合は、庫内のにおい移りを防ぐために、凍ったらすぐに密閉できる保存袋へ入れるといいでしょう。ただし、徐々に風味が落ちていくので、長期間保存することは避けて早めに使うことをおすすめします。
だしの活用方法
お味噌汁からはじまり、煮物や冬場のお鍋など幅広く料理するなかで、だしはかかせません。もちろん手間をかけて煮出す、手づくりだしは風味がよいものですが、粉末、液体のだしであっても手軽においしく、日々の食事を充実させることができます。
最近ではメーカーによる、手軽にだしを活用できるおすすめのレシピもたくさん紹介されているので、参考にし料理の幅を広げてみてはいかがでしょうか。
賞味期限切れのだしには要注意!無理して使わないようにしよう!
賞味期限はおいしく食べられる期限の目安であるため、期限がすぎてしまったからといってすぐに食べられなくなるというわけではありません。
しかし、保存状態が悪かったり、開封の有無などによって、だしが傷んでしまう可能性もありますので、期限が切れただしを使用する判断は自己責任で慎重に行いましょう。