え、”解凍”するのに氷を使うの……!?冷凍保存した食材を素早く&おいしく解凍する方法が意外すぎた!
2024/03/23
安いときに肉や魚を多めに買って冷凍して保存しているという人も多いでしょう。でも、いざ使おうとしたときに解凍できておらず、困った経験はありませんか。
また、急いで解凍しようと電子レンジを使ったら、解凍にムラが出て、食材がおいしくなくなってしまったことがあるという人もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、暮らしスタイリストとして料理を始め家事全般の情報を日々発信されている河野真希さんに、冷凍保存した食材をすばやく、かつおいしく解凍する方法を伺いました。
執筆/監修: 暮らしスタイリスト 河野 真希
暮らしスタイリスト・一人暮らしアドバイザー・料理家。料理や家事、インテリアなど、気持ちのいい暮らしを作る、は...
氷水解凍なら、早くておいしい!
肉や魚といった冷凍保存の食材をおいしく解凍するポイントは、ドリップの流出をできるだけ少なくすることにあります。ドリップとは肉や魚から出てくる赤い液体のことで、ここには旨みや栄養素が多く含まれています。これを少なくするには、0℃前後といった低温で解凍をすることにあります。
そこでおすすめしたいのが氷水解凍。フリージングバッグやポリ袋などに食材を入れて、ボウルなどにつくった氷水に沈めるという方法です。
氷水につけていたらむしろ時間がかかって、なかなか溶けないように思うかもしれませんが、実は、分量や気温等にもよりますが、常温で解凍するよりも早いことも。その理由は、空気よりも水の方が熱伝導率が高く、より素早くその温度を食材に伝えられるためです。
しかも、理想的な温度である0℃前後を保つことができるため、ドリップも少なく、おいしく解凍できるのです。
なお、氷水解凍のポイントは、フリージングバッグやポリ袋内の空気をしっかりと抜くこと。袋の中に水が入らないように気をつけながら、少し口を開けた状態で氷水に沈め、水圧で空気を抜いてから口を閉じます。こうすると道具などを使わなくても、空気が抜けます。食材が浮いてきてしまうときには、お皿などで重しをしてください。
また、ラップなどで包んでいる場合は外してから袋に入れることで、温度がより食材に伝わりやすくなり、すばやく解凍できます。
実験!氷水解凍・冷蔵庫解凍・自然解凍を比較
同時に冷凍したほぼ同量(約200g)の鶏もも肉を、それぞれ氷水解凍・自然解凍・冷蔵庫解凍してみました。その結果は……!
氷水解凍
・解凍にかかった時間:約1時間45分
・ドリップの量:小さじ1/2程度(約3ml)
自然解凍
・解凍にかかった時間:約3時間50分
・ドリップの量:小さじ1程度(約5ml)
冷蔵庫解凍
・解凍にかかった時間:約9時間
・ドリップの量:小さじ1/4程度(約2ml)
氷水解凍がもっとも短時間&ドリップ少量という結果に
食材の種類や分量、気温や冷蔵庫の設定などによって、結果は異なる場合がありますが、今回の実験では氷水解凍がもっとも短時間でした。
自然解凍よりも早く解凍でき、ドリップの量も少ないので、急ぐときには氷水解凍がおすすめ。それより短時間での解凍方法には、電子レンジ解凍がありますが、解凍ムラが出たり、ドリップが多く出てしまったりと安定しないため、おいしく使うためにはおすすめできません。
冷蔵庫解凍もドリップが少なくおいしく解凍できるのですが、とにかく時間がかかります。ただし、冷凍庫から冷蔵庫に移すだけともっとも手軽な方法ではあります。
◆監修・執筆/河野 真希さん
暮らしスタイリスト・一人暮らしアドバイザー・料理家。料理や家事、インテリアなど、気持ちのいい暮らしを作る、はじめるためのライフスタイル提案を行う。流行や思い込みにとらわれずに、無理なく持続可能で快適な自分らしい暮らしづくりを応援。 『料理教室つづくらす食堂』主宰。