【連載】熟れすぎMANGO VOL.133

2017/10/24

ちはるの老眼鏡!?「ノンフィクション人生」

肥えすぎマンゴー

 薄々気づいてはいたけれど、このところ私はめっきり肥えた。三カ月ぶりにおそるおそる体重計に乗ってみる。う、嘘でしょ……7㎏も太ってる。これはヤバい。まじまじと裸体の自分を鏡で眺めてみると、くびれどころかお腹でっぷし、おばちゃん体型ど真ん中。「私、かなり太ったと思わない?」旦那さんに聞いても、息子に問うても、「うん。少しね」と、素っ気ない返答。あんたたちにとっちゃ、私の体重なんてどうでもいいんですね。空しい気持ちになる。だいたい、毎日遅く帰ってくる旦那さんと共に夜食の時間に夕飯を食べ続け、「肉が食いたい」という息子に付き合い、安いホルモン焼屋に通った結果がこれなのだ。とはいえ、家族にぜい肉の責任を押し付けてみても体重は減らない訳でやんして。

 20代の息子、30代の旦那さんと比べたら、代謝機能の低下が著しい40代後半。いつまでも若者気分で調子こいて、ジャンクフードに缶酎ハイを暴飲暴食してちゃ駄目に決まってる。わたし!本気でダイエットに取り組まねば。

 私のダイエット法はというと、昔から基本「食べない」。お腹が空いたら、野菜ジュースと冷奴をちょびちょびとウサギみたいに食す。10年前はこれで1日1㎏は痩せたものだ。週に3キロ落とすなどおちゃのこさいさいだった。しかし、今ではひもじい思いをしても2日で1㎏。それと問題は、おなかが空いて体力が落ちるからか、夜は眠れない。やっとうつらうつらしても、大好物のチャーシュー麺やハンバーグの夢ばかり見て、食べたくて食べられなくて、目が覚めてしまう。そして、どうにも眠れずに夜中にコソコソと起き出し、うっかりお茶漬けやラーメンをすすってしまうのだ。「眠れないストレスを増やすなら、体脂肪を増やした方がまし!」こうして体重計に乗り体重と共にさらにストレスが増える。恐怖のデブおばば無限ループだ。

 これを書いていて気付いたが、「うっかり」で済ませちゃってるのが、痛いな。

 そんななか、少し前に話題になった同年代の女優さんの手つなぎダブル不倫疑惑。誰も幸せにならない不倫というやつはどうかと思うが、更年期スレスレ小太りおばちゃんからすると、正直ちょっと羨ましい。初老女の体重の増減を親身になって一喜一憂してくれるトレーナー的な相棒。おまけにシミやシワまで魔法のように消してくれる。そんな先生がいたら、うっかり手ぐらい繋いじゃいません!? うっかり恋したり、太ったり。しかし、うっかりには大きな代償がつきものだ。うっかり太った私を愛して許してくれる人たちのために、もう少し努力してキラキラ可愛いおばちゃんでいたいもんです。

文/ちはる

ちはる/テレビ、CF、著書の企画などで活躍中。12年、14歳年下の旦那くんと再婚。目黒でカフェ「チャム・アパートメント」を経営。

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