腸内細菌研究もフェムテックも、テクノロジーの進化で期待できる未来に! ~連載「はじめよう!フェムテック」

2022/05/23

2021年10月から、ニッポン放送でスタートした番組『はじめよう!フェムテック』。ベネッセコーポレーションとかます東京の共同企画で、今、社会的なムーブメントになりつつある「フェムテック」を、さまざまな角度から取り上げています。パーソナリティーは、おなじみの伊久美亜紀総編集長と東島衣里アナウンサー。この連載では、毎週オンエアされた内容を、ギュッとまとめてお伝えします。

番組ではフェムテックに関する、あなたの職場や家庭などでの問題点やポジティブな試みなどを募集いたします。ニッポン放送『はじめよう!フェムテック』宛にメール(femtech@1242.com)でお送りください。

●パーソナリティー

伊久美亜紀 Aki Ikumi
大学卒業後、出版社3社の編集部を経て、1995年ベネッセコーポレーションに入社。『サンキュ!』編集長を長く勤め、現在はK&Fメディア総編集長として『たまひよ』『サンキュ!』『いぬのきもち』など年間約100冊の雑誌・書籍・絵本の編集責任者を務める。29歳の長女一人。

東島衣里 Eri Higashijima
長崎県出身。大学卒業後、ニッポン放送に入社。現在は「中川家 ザ・ラジオショー」(金 13:00~15:30)、「サンドウィッチマン ザ・ラジオショー」(土 13:00~15:00)などの番組を担当。最近、女性の健康、そして幸せについて友人と語り合うことが多くなった31歳。

●ゲスト

古田雄一郎さん Yuichiro Furuta
森永乳業(株)食品素材統括部 販売企画機能性グループ マネージャー。
1996年麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、森永乳業入社。酪農部で生乳取引や飼料販売などを経て、子会社の(株)クリニコで医療食販売や在宅医療事業などに従事。2010年より機能素材事業部で機能性素材販売などBtoB事業を行う。2015年以降も、所属部門の業務を引き継いだ食品素材事業部にて、機能性素材の販売企画に携わり、2022年4月より現職。
https://www.morinagamilk.co.jp/

まだまだ認知度の低い「フェムテック」を推進して、女性だけでなく社会全体の幸せを目指したい!という意気込みでスタートした番組の第2フェーズ。今回のゲストも、森永乳業の古田雄一郎さんです。「前回、人間の体を支える腸内細菌の働きについて、いろいろと教えていただき、目からウロコでした。そして、“世界にひとりとして、自分と同じ腸内環境の人はいない”ということをお聞きしてから、自分の腸内細菌が急に愛おしくなっています(笑)。今回はさらに、腸内環境のためにできることを伺っていきます」(伊久美)

毎回チェック!お通じは、腸内細菌と仲よくできた結果の“通信簿”

■東島アナ「今回も腸内環境のスペシャリスト・古田雄一郎さんにお話を伺います。改めて“腸内環境・腸内細菌”について教えていただけますか」

■古田「前回もお話しましたが、人間の大腸には、40兆個以上の腸内細菌がいます。これらは、みなさんが食べたものの食べカスを利用して、人間の体ではつくれないもの、例えばビタミンなどもつくって、私たちの体をサポートしてくれています。この腸内細菌がつくり出した環境のことを“腸内環境”といいます。そして、世界中でひとりとして、自分と同じ腸内環境の人はいません」

■東島「古田さんのお話を伺って、これまで体調がよくない時に、“腸の状態がよくないからかも?”とは考えたことがなかったのですが、今後は働きものの腸内細菌を意識して、寄り添って生きようと思いました(笑)」

■伊久美「前回のお話で、腸内細菌によいエサ(食事)を与える心がけが大事と伺いましたが、ほかに毎日の生活の中で、腸内環境のためにできることはありますか」

■古田「はい!お通じのチェックです。お通じというのは、腸内細菌と仲よくした結果。つまり“通信簿”なのです。よい腸内環境だと、“通信簿”もよくなります。まずは、“通信簿”チェックを習慣にされることをおすすめします(笑)」

■伊久美「女性は、あまり“通信簿(お通じ)”を見ない人が多いような気がします(笑)」

■古田「そうですね。男性は臆病なのか、必ず“通信簿”を確認するという人が多いようです(笑)。例えば、“体重計に乗ることを習慣にすれば、ダイエットはほぼ成功に近い”と言われている話と同様で、トイレで“通信簿”を確認することで、腸に対する意識が変わって、腸内環境も改善されていくと思います。“通信簿”が悪い状態が続く時は、不調の印かもしれませんので、少し気を付けていただければと思います」

■東島アナ「健康状態が“通信簿”に表れる。早速、“通信簿”をつけるようにします(笑)!  腸内環境が悪くなると、お肌にも影響がありますよね」

■古田「腸は外部との接点で、炎症をもたらす異物なども侵入してきますが、よい腸の状態がキープできていると、肌の炎症などにもよい影響を与えてくれると思います」

■伊久美「いつも目に見える肌の状態で一喜一憂して、スキンケアで対処することしか思いつきませんでした。意識的に腸を整えることは、美肌維持にも重要なのですね」

■古田「体感でも、お腹の調子が悪い時は肌の調子もよくないことが多いと思います。“通信簿”と肌の状態を比べてみるのも、おもしろいと思います」

テクノロジーの進化とともに、腸内細菌の個性と多様性が判明

■伊久美「今回、古田さんにお話を伺って、やっと、腸内細菌や腸内環境の意味や働きがわかってきました。もう一つ質問なのですが、腸内細菌は、持っている種類が多いほど、その人は健康ということなのでしょうか」

■古田「種類が多いと、多様性があるということになります。人間社会と同じですね。例えば野球でも、レギュラーメンバー以外に控え選手がたくさんいれば、いざという時にも対応できますよね」

■東島アナ「腸内細菌にレギュラーと予備軍がいるのですね(笑)」

■古田「例えば、アスリートが持つアスリート特有の菌なども報告され、菌にはさまざまな種類があることがわかってきています」

■伊久美「大谷翔平選手の腸には、特別な菌がいるかもしれないですね(笑)」

■古田「調べてみたいですよね~。そして、これも人間社会と同じで、菌にはよい菌と悪い菌、そしてどっちつかずの菌というのがあるんです。そして、悪い菌はパワーが強く、その勢力が勝ってくると、どっちつかずの菌は、勝ち馬に乗る(悪い菌になる)のです(笑)」

■伊久美・東島アナ「おもしろい~(笑)!」

■古田「考えてみると、世の中にお腹で表現する言葉って多いですよね。“腹が立つ”、“腹に落ちる”、“腹心の部下”など。昔から人間は、“生きる上でお腹は大事”と、本能的にわかっていたと思うのです。それがテクノロジーの進化によって、腸内細菌と共存することの重要性が実証されてきたという感じですね」

■東島アナ「伊久美さん、自分の腸内環境が気になってきますよね」

■伊久美「世界にたったひとつと言われる自分の腸内環境、調べてみたいです!」

■古田「最近では、さまざまな方法で、以前に比べて手軽に調べられるようになってきています。将来的にはトイレに腸内環境を調べる機能が付いたりするのではないかと期待しています。“通信簿”から判断して、今日食べるべきものをアドバイスしてくれるなど、一人一人に必要な食生活を選んでいくサービスが当り前になっていく日も、そう遠い未来ではないと思います」

■伊久美「そのサービスが実現したらすごいですね~。腸内環境のこともフェムテックも、これからのテクノロジーの進化に期待していきましょう」

合言葉は「はじめよう!フェムテック!!!」

●次回のゲストは、約30社の産業医、大室正志さんです。

【番組インフォメーション】
『はじめよう!フェムテック』は、毎週・土曜日15時50分~16時にオンエア。聴き逃しは『radiko』で(※首都圏にお住まいのかたは放送後1週間)お聴きになれます!

●記事まとめ/板倉由未子 Yumiko Itakura
トラベル&スパジャーナリスト。『25ans』などの編集者を経て独立。世界を巡り、各地に息づく心身の健康や癒やしをテーマとした旅企画を中心に、各メディアで構成&執筆。イタリア愛好家でもある。伊久美さんとは27年来の付き合い。https://www.yumikoitakura.com/
●撮影/寿 友紀 Tomoki Kotobiki

 
 

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