家族と私が【食中毒にならない生活習慣11】菌の巣窟は生肉・カレー・水道の蛇口
2022/06/21
梅雨から夏場にかけては食品がいたみやすくなる時期。そのため、食中毒の危険も増します。コロナ禍に定着しつつある生活習慣を含めた、食中毒予防のポイントを伝授します!
<教えてくれた人>
医学博士 清益功浩先生
All About「家庭の医学」ガイド。日本アレルギー学会認定専門医・指導医、日本小児科学会認定専門医。「多くの人に正確な医療情報を届けたい」と、インターネットやテレビ、書籍などで数多くの情報発信を行っている。
食中毒は一年中発生!湿度や気温が高い時期は細菌に特に注意を!
食中毒は、体にとって有害・有毒な菌、ウイルス、カビなどを含む食品を飲食することで、主に発熱、腹痛、嘔吐、下痢、血便などの消化器症状を起こす状態。さまざまな原因があるため一年中起こりえますが、特に梅雨から夏にかけては細菌が増殖しやすいため、細菌による食中毒に注意が必要です。食中毒を起こす細菌は、土の中や水、ヒトや動物のひふや腸の中にも存在するため常に注意が必要です。
食中毒の原因物質別患者数
令和2年(1~12月)に発生した食中毒の発生原因は、約65%が細菌、約25%がウイルスでした。
出典:厚生労働省令和2年版「食中毒統計資料」
生活習慣1 買い物編
●生活習慣1●買う順番は日用品→食品に
食品に付着した細菌は、高温、多湿の環境で長時間放置することにより増殖。ですから、買い物に行く際は、冷蔵が必要な食品を常温で持ち歩く時間ができるだけ短くなるように注意しましょう。できれば保冷剤を使うと◎。
●生活習慣2●買った肉、魚、野菜はポリ袋に入れて持ち帰る
生で摂取することが多い野菜と肉類を一緒にしてしまうと、肉類の細菌が野菜に付着してしまう可能性が。そして野菜を加熱しないで食べることで細菌も摂取してしまうことになるため、種類別にポリ袋に入れましょう。
●生活習慣3●エコバッグは定期的に洗濯する
エコバッグには、目立った汚れやニオイがなくても、肉や魚から出た汁、野菜の土などが付着することが。これらは細菌の増殖原因にもなり、次に使用したとき食品に付着してしまうこともあるため、定期的に洗いましょう。
●生活習慣4●車で買い物に行ったとき、食品はトランクに入れない
もともとどのくらいの細菌が付着しているかにもよるので、一概に「○℃で○時間以上放置すると危険」とはいえません。しかし、高温の場所に食品を置くといたむリスクが増すのは事実。冷房を入れた車内に置きましょう。
●生活習慣5●テイクアウトやデリバリーした料理は早めに食べる
たとえ加熱調理済みの料理であっても、必ずしもすべての細菌が死滅しているわけではありません。時間がたてば細菌が増えてしまう可能性があります。調理からできるだけ短時間で食べるようにしましょう。
生活習慣2 調理編
●生活習慣6●カレーは鍋のまま一晩ねかせてはいけない
カレーは、ねかせることで細菌が増殖しやすい料理。特に注意が必要なのが、100℃で1時間以上加熱しても死滅しないウェルシュ菌。増殖を防ぐためには、粗熱をとったあと、小分けにして冷蔵保存するようにしましょう。
●生活習慣7●自家製発酵食品は色、ニオイ、味に注意
みそなど、発酵食品の手作りが流行中。発酵によい環境は悪い細菌が増えるのにもよい環境。したがって、色の変化や悪臭、味に異常がないかに注意し、発酵なのか、いたんでいるのかを見極めましょう。
●生活習慣8●生肉や魚介に使った包丁やまな板は、使い終わったらすぐ洗う
食中毒予防で意外に盲点なのが調理道具。肉類が触れた道具で生で食べる食品を調理するのはNGです。その都度しっかり洗いましょう。またシンクなどにも細菌が付着している可能性が!定期的に消毒をしましょう。
生活習慣3 掃除編
●生活習慣9●洗面所やキッチンの蛇口を小まめに洗う
手洗いをする際は、外出先でさまざまなところを触った手で蛇口を触ることに。そのため、蛇口は細菌が付着しやすく、温度や湿度の条件が整うと増殖します。次に蛇口に触った人の手に細菌が移るため、要注意です。
●生活習慣10●食卓の食べこぼしは放置せず、必ず掃除する
食卓の食べこぼしは、細菌の栄養に。細菌で汚染された食卓で食事をすることで、食中毒を起こすこともあるのです!食前食後には除菌剤を使って、食卓をしっかりと拭き掃除することを習慣にしましょう。
●生活習慣11●食中毒を引き起こす細菌やウイルスに合わせた消毒剤を使う
細菌は基本的にアルコール消毒でOK。ただ、引火に注意が必要。また、ノロウイルスなどにはアルコール消毒の効果が低く、次亜塩素酸が有効。適材適所の消毒剤や、熱湯・加熱消毒をうまく使い分けましょう。
参照:『サンキュ!』2022年7月号「家族を食中毒から守る生活習慣」より。掲載している情報は2022年5月現在のものです。編集/一石沙永加(風讃社) 構成・文/杉澤美幸 編集/サンキュ!編集部