食中毒を防ぐ!暑い時期のお弁当づくりのNGアクション6選

【夏のお弁当NG食材】生野菜、煮物、あとひとつは?暑い時期のお弁当づくりのNGアクションを解説

2025/05/31

今回は、暮らしスタイリストとして料理を始め家事全般の情報を日々発信されている河野真希さんに、夏のお弁当づくりで食中毒につながる可能性のある6つの行動を挙げてもらいました。

1.生ごみを触った手で調理する

手洗いは食中毒対策の基本です。手にはさまざまな菌が付着しており、それを食材につけないようにするため、手洗いが大事だということはよく知られていますが、調理前に一度洗っただけで満足してしまっていませんか。

例えば調理中に出た生ごみを片づけたあとや、顔や髪の毛、マスクなどに触ったあと、トイレに行ったあとなどには、再び手に菌が付着している可能性があります。小さなお子さんやペットがいるご家庭では、調理中に呼ばれてお世話をすることもよくあると思いますが、そのあとも手洗いは欠かせません。

特にお弁当はつくってから食べるまで間に菌が増殖しやすく、できるだけ最初つける菌を減らしておくことが食中毒対策のポイントとなります。調理以外のアクションをした場合には、必ず手を洗う習慣をつけましょう。また、手に傷があるときには黄色ブドウ球菌という食中毒の原因菌がついていることがあるため、使い捨ての手袋を活用するのがおすすめです。

2.おかずが温かいままお弁当箱のふたを閉める

食中毒を引き起こす菌は、温度が高く水分が多いと増えやすくなります。おかずやご飯が温かいまま、お弁当箱のふたを閉めると、熱や水蒸気がこもり、菌が繁殖しやすい環境が整ってしまいます。おかずやご飯は冷ましてから詰め、フタをするようにしましょう。

急ぐときには、保冷剤の上にトレイなど平らな容器を置き、その上にご飯やおかずを並べると、素早く冷ますことができます。さらに、保冷材にアルミホイルを巻くと、冷たさがより伝わりやすくなってスピードアップが図れます。

3.つくり置きのおかずをそのままお弁当に詰める

食中毒を防ぐ!暑い時期のお弁当づくりのNGアクション6選
出典:Adobe Stock ※画像はイメージです

忙しい朝のお弁当づくりにつくり置きのおかずがあると便利ですが、たとえ冷蔵庫に入れておいたものでも、そのまま詰めるには注意が必要です。冷蔵庫の中の温度は約2~6℃に保たれるため、菌は繁殖しにくいとされていますが、中には低温でも増殖できる菌が存在します。また、一度ついた菌はいくら低温にしても、冷凍しても死滅することはなく、解凍後に温度が上がれば、再び増殖していきます。

つくり置きをしたおかずを入れる場合、特に夏場はしっかりと温め直してから詰めるのが安全です。冷凍のまま詰められる市販のおかずもありますが、家庭でつくって冷凍したものは再度温め直した方がいいでしょう。

4.お弁当のおかずに生野菜を入れる

生野菜には、どんなにていねいに洗ったとしても菌が残っています。また、温度や他のおかずからの塩分で水分が出やすく、菌が繁殖しやすくなる原因に。レタスなどの葉野菜をおかずのしきりに使うと見栄えがよくなりますが、夏は避けた方がいいでしょう。ミニトマトは生で入れても大丈夫ですが、カットはせず丸のまま入れてください。ヘタは取って、しっかりと洗い、水気をよく拭いてから入れましょう。

また、フルーツはも水分を多く含むため、別の容器に入れて持っていくのがおすすめです。凍らせて保冷剤代わりにするのもいいでしょう。

5.煮物をおたまですくってお弁当に詰める

汁気が多い煮物が傷みやすく、お弁当に詰めるときには注意が必要なおかずです。おたまやスプーンなどですくってそのまま入れると、煮汁も一緒にすくってしまい、雑菌が繁殖しやすくなってしまいます。

煮物などの水分が多いおかずは、キッチンペーパーの上に載せて、一度水分を吸わせてから詰めます。かつおぶしやすりごまなどを絡めると水分を減らすのに役立つ上に、旨みもプラスされます。他のおかずに水分がうつるのを防ぐために、おかずカップを使って詰めるのも食中毒対策に有効です。

6.お弁当に保冷剤をつけない

一般的に食中毒を引き起こす菌は20℃を超えると一気に増殖するといわれています。近年の夏はとても暑く、真夏は30℃を超えるのがほぼ毎日。短時間でも常温に置いておくのは心配です。お弁当には保冷剤をつけて保冷バッグに入れて持ち運ぶようにしましょう。

できるだけ低い温度を保てるよう暑い日は保冷剤を複数個つけるなどの工夫が必要です。また、冷たい空気は上から下に流れるため、保冷剤はお弁当箱の上に載せるのが効果的です。


◆監修・執筆/河野 真希
暮らしスタイリスト・一人暮らしアドバイザー・料理家。料理や家事、インテリアなど、気持ちのいい暮らしをつくる、はじめるためのライフスタイル提案を行う。流行や思い込みにとらわれずに、無理なく持続可能で快適な自分らしい暮らしづくりを応援。『料理教室つづくらす食堂』主宰。

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