専門家が教えるお弁当を傷ませないテクニック

2018/07/12

夏のお弁当は、傷みや食中毒が不安です。朝作ったお弁当をお昼に安心して食べるには、お弁当の詰め方やおかずの選び方などに気をつける必要があります。暮らしスタイリストとして料理を始め家事全般の情報を日々発信されている河野真希さんに、安全に美味しく食べる夏のお弁当テクニックを伺いました。

雑菌をうつさないお弁当作りの基本

お弁当だけでなく、料理をするときの基本中の基本として守りたいのが、きちんと手を洗うこと。手には多くの雑菌がついています。指輪や腕時計は外して、石けんやハンドソープを使って洗います。また、料理中も肉や魚などの生ものを触ったら、一度手洗いをしてください。おにぎりなど手を使って調理をするものは、ラップを使って直接手で触れないようにするのがベター。

また、おかずを詰める前のお弁当箱もしっかりと洗うことが大事です。特にゴムパッキン部分は汚れが溜まりやすいので、必ず外して、ていねいに洗います。熱湯消毒や食品用のアルコール除菌スプレーを使っておくと、さらに安心です。

お弁当には、加熱調理したおかずを

食中毒につながる菌の多くは、75℃で1分以上の加熱をすることで死滅します。お弁当のおかずには生のものは避け、加熱調理したものを入れましょう。

また、おかずは中までしっかりと火を通すことが大切です。電子レンジは加熱ムラ出やすいので、途中で向きを変えたり、上下を混ぜ合わせます。すでに加熱調理済の前日の残り物を入れるときは、電子レンジで再加熱をしてください。

夏は野菜であっても、生のものを入れるのはおすすめできません。時間とともに水分が出てくるため、雑菌の繁殖の原因になりやすいからです。比較的水分が出にくいプチトマトであればOKですが、ヘタを取ってからしっかり洗い、水気をよく拭き取ってから入れるようにしてください。ヘタの緑を彩りとして使いたくなるかもしれませんが、雑菌が多くついているため、危険です。

味付けは濃いめに、香辛料を利かせて

この時期のお弁当の味付けは、いつもより少し濃いめに。濃い味は健康が気になりますが、塩分には保存性を高める効果があります。味がしっかりついていた方が、食欲も湧いて、夏バテ防止にもつながります。

また、にんにくやしょうが、からし、わさびなどの薬味やカレー粉などのスパイス、梅干しやお酢には抗菌作用があるため、お弁当に取り入れると効果的です。例えば、カレー粉を使ったタンドリーチキンや酢飯を使ったチラシ寿司などはおすすめ。市販のチューブタイプの練り梅やにんにく、しょうがなどを揃えておくと、手軽に味つけに使えます。

汁気をしっかりと切ってから詰めて

水分があると、雑菌は繁殖しやすくなります。お弁当に詰めるおかずは汁気の少ないものを選びましょう。煮物よりは、焼き物や揚げ物がベター。絞れるものはしっかり絞って、拭けるものはキレイなキッチンペーパーなどで拭いてから。どうしても水分が多いおかずを入れるときは、片栗粉でとろみをつけたり、かつお節やゴマなどと和えて、水分を減らすよう工夫しましょう。

また、おかずやご飯が熱いままフタを閉めると、こもった温度と水蒸気でより一層傷みやすくなります。熱いものは冷ましてから詰めるようにしましょう。

抗菌シートや保冷剤で傷みにくく

お弁当を食べるまで保管する場所は、できるだけ涼しいところを選んで。冷蔵庫があれば、ぜひ使いましょう。

エアコンがない場所だったり、長い間持ち歩くようなときは、保冷剤を使って冷やしておきましょう。保冷剤が入れられ、冷たさが保てる、保冷バッグの利用もおすすめです。凍ったまま詰められる冷凍食品をおかずにしたり、お弁当用の上に乗せるだけで使える抗菌シートも便利です。

◆監修・執筆/河野 真希
暮らしスタイリスト・一人暮らしアドバイザー・料理家。料理や家事、インテリアなど、気持ちのいい暮らしを作る、はじめるためのライフスタイル提案を行う。流行や思い込みにとらわれずに、無理なく持続可能で快適な自分らしい暮らしづくりを応援。 『料理教室つづくらす食堂』主宰。

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