2016年の作品ながら今でも人気が衰えない『太陽の末裔~Love Under The Sun~』。
最高視聴率41.6%という信じられない記録を叩き出し、その年のドラマアワードでは主要部門を独占!社会現象となりました。
たくさんの名作ラブロマンスがある韓ドラの中でも新たな輝きを放ち、たくさんの記録を塗り替えたその秘密は一体何なのでしょうか?
これからの暑い季節にもピッタリな、とびきりホットなラブストーリー『太陽の末裔~Love Under The Sun~』を、韓ドラマニアで韓国ドラマライターのJUMIJUMIさんに徹底解説してもらいましょう!
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『太陽の末裔』はどこで見られるの?
あらすじ:軍人と医師、生き方の違う2人のノンストップラブストーリー!
韓国陸軍大尉のシジン(ソン・ジュンギ)と相棒のデヨン(チン・グ)は休暇中に、窃盗犯の不良少年ギボムを捕まえます。ケガをしたギボムの処置を担当した医師のモヨン(ソン・ヘギョ)は、シジンとデヨンをヤクザだと勘違いし嫌悪感剥き出し!その後、誤解は解けるのですが、気が強く美しいモヨンに惹かれたシジンはアプローチを開始します。
2人で会うことになった日、シジンは約束の場所に現れたものの「急用が出来た」と去って行きます。その後もデートの約束をしますが、直前で電話を受けたシジンは「行かなくちゃ…」と再び立ち去ってしまいます。
数日後帰ってきたシジンに、どこで何をしていたのか尋ねるモヨン。しかし答えは「規定上詳しいことは言えない」というものでした。軍人で体に銃槍もあり秘密が多いシジン。彼に惹かれつつあったモヨンですが、別れを選択します。
それから8ヶ月後、紛争地であるウルクに派遣されていたシジンの元に、医療奉仕団のチーム長としてやってきたモヨン。2人は運命の再会を果たします。ウルクは青い海が輝く美しい国ですが、一方で医療も行き届かず地雷原も残っている危険と隣り合わせな場所。そこで2人は、それぞれが誇りと責任を胸に仕事に向き合う姿を見ながら、たくさんの困難を共に超えてゆくことに…。
豪華キャストを徹底解剖!
ソン・ジュンギ(ユ・シジン役)
あらゆる戦地に飛んで行き、危険な任務を最前線で遂行する特殊戦司令部大尉。
「美人と年寄りと子どもは守る」が信念。軍人という仕事に誇りを持ち、強い責任感と愛情あるリーダーシップで部下たちにも慕われています。
恋愛にも熱くモヨンに対しても好意をストレートに表現。いつも粋な冗談で笑わせてくれます。
甘いマスクに軍服、軍服の下には鍛え上げられた肉体。どんなに緊迫した状況にも臨機応変に対応するずば抜けた判断力と戦闘能力、さらに溢れる愛とユーモアの持ち主。
女性を虜にする要素を全て兼ね備えたユ・シジンは「胸キュンのファンタジスタ」です!
シジンを演じたソン・ジュンギは1985年生まれ。2008年、大学在学中に映画で俳優デビューしました。
2010年のドラマ『トキメキ☆成均館スキャンダル』で注目され日本でも知られるように。2012年のドラマ『優しい男』、映画『私のオオカミ少年』で主演を務めトップ俳優としての地位を確立しますが、2013年に入隊。除隊後の復帰作が『太陽の末裔』です。
これまでは美少年、物静かで繊細なイメージでしたが、本作ではそこに男らしさや大人の余裕が加わって新たな魅力を爆発させました。
その後もドラマ『アスダル年代記』『ヴィンチェンツォ』などに出演し、その勢いは止まるところを知りません。最新主演ドラマ『財閥家の末息子』がまもなく韓国で放送される予定です。
ソン・ヘギョ(カン・モヨン役)
へソン病院の外科医。ハッキリ物を言う性格で医師としての実力もあり、仲間から信頼されています。テレビ出演を機に美人医師として有名になりますが、強気な性格が災いした結果、医療奉仕団チーム長としてウルクに派遣されることに。
限られた医療環境の中、韓国では馴染みのない疫病や地震災害などに見舞われますが、医師としての使命感を失うことなく立ち向かい成長を遂げていきます。
シジンが危険な現場で任務を遂行するのを目の当たりにし、惹かれる想いと失うかもしれない怖さとの葛藤を抱えますが…。
自分の生き方を貫き仕事も恋も堂々と!同性からも憧れられる強く凛々しい女性です。
モヨンを演じたソン・ヘギョは1996年にドラマデビュー。2000年にヒロインを務めたドラマ『秋の童話』が記録的にヒットし国民的女優に。
その後ぺ・ヨンジュンと共演した『ホテリアー』、イ・ビョンホンと共演した『オールイン 運命の愛』、RAINと共演した『フルハウス』などが韓流ブームにのり次々と日本でも大ヒット。韓国を代表するトップ女優となります。
本作の後もドラマ『ボーイフレンド』や『今、別れの途中です』などに出演し、ヒット作を生み出し続けています。
チン・グ(ソ・デヨン役)
特殊戦司令部上士。シジンと常に任務を共にする戦友です。
昔は不良グループにいて、そこから抜け出すために軍人になった経緯があり、同じような境遇のギボムに手を差し伸べます。無口で無愛想に見えますが、とても義理堅く思いやりに溢れています。
陸軍中尉のミョンジュとは恋仲でしたが、ミョンジュの父親である特殊戦司令官はデヨンとの交際を反対。ミョンジュを想い突き放す態度を取っていますが、いつも遠くからミョンジュを見守り続けています。
デヨンを演じるチン・グは、2003年ソン・ヘギョも出演していた『オールイン』でデビュー。ドラマ『純情に惚れる』、映画『母なる証明』『26年』など様々な作品で実力を積み、本作で新たな魅力を発揮し大ブレイクを果たしました。
2019年には日本ドラマ『リーガル・ハイ』の韓国版で主演を務め、変わり者の自己中弁護士をコミカルに演じるなど、役者としての幅を広げています。
キム・ジウォン(ユン・ミョンジュ役)
特殊戦司令官の一人娘で、エリートコースを辿ってきた陸軍中尉であり軍医。へソン病院でインターンをしていたことがありモヨンの後輩に当たりますが、男問題が原因でモヨンとは犬猿の仲。
司令官である父親はシジンを婿候補にしていますが、ミョンジュはデヨンが大好き!父親の命令で自分から離れようとしているデヨンに腹を立てながらも嫌いになれず、部下に命じてデヨンの行動を全て報告させています。
強気で生意気で軍服姿と敬礼がカッコいい一面と、一途過ぎる恋する乙女な一面のギャップが魅力です。
ミョンジュを演じるキム・ジウォンは2010年にCMでデビュー。2013年のドラマ『相続者たち』で知名度を上げます。
本作の大ヒットで様々な賞を受賞すると、その後は人気俳優パク・ソジュンと共演した『サム、マイウェイ~恋の一発逆転!~』やチ・チャンウクと共演した『都会の男女の恋愛法』など人気作でヒロインを演じるなど、今や若手を代表する人気女優です。
その他の注目キャスト
シジンとデヨンに出会い、不良から軍人になったギボムを演じたのはキム・ミンソク。
『太陽の末裔』がブレイク作となり、その後『ドクターズ~恋する気持ち~』『被告人』『この恋は初めてだから』など人気作に出演。2020年に除隊し復帰作として出演した『都会の男女の恋愛法』ではキム・ジウォンと再共演しています。
モヨンの後輩で研修医のチフンを演じるのはアイドルグループSHINeeのメンバー、オンユ。本作が本格的な俳優デビューですが、研修医から本当の医師へと成長していく葛藤や繊細な心情を見事に演じています。

さらに見逃せないキャストがもう一人!
『梨泰院クラス』で悪役チャン・グンウォンを演じ日本でも一気に知名度を上げたアン・ボヒョンが、シジンのチームに所属するイム・グァンナム役で出演しています。
モデル出身で2014年に俳優デビュー。本作では台詞も多くないですが、見事なチームワークと鍛え抜かれた肉体美を披露しています。
見どころ:トキメキと感動が降り注ぐ!恋も友情も太陽のように熱々!
見どころ1:シジンの真っ直ぐで甘いセリフにとろけそう!
シジンはモヨンへの想いを直球で表現します。観ているこちらが赤面してしまいそうな甘いセリフを連発し、思い切り嫉妬もしてくれるので、ときめかざるを得ません!
「カン先生(モヨン)は午前と午後で人が変わる。午前はすごく美人で、午後はとんでもなく美人。」こんな言葉が毎話毎話飛んできます。
モヨンが過酷な現場から逃げたかったと告白した時には「今度逃げる時は誘って。逃避行は男女が一緒じゃないと。」なんて粋なセリフも。
ぜひあなたもお気に入りのセリフを見つけてください!
ユーモアに溢れるシジンは冗談を言っていつもモヨンを笑わせます。それは生死に関わるような危機的瞬間であっても同じです。そこにはモヨンの恐怖が少しでも紛れるようにという優しさが隠されています。
男らしさと優しさで綴られたシジンの甘いセリフに酔いしれましょう!
見どころ2:軍人同士デヨン&ミョンジュのラブストーリーに胸キュン!
本作のもうひとつのラブストーリーはデヨンとミョンジュの軍人カップル。出会いから仲を深めるまでのエピソードもドラマティックな2人です。
字幕ではそこまで訳されていませんが、仲がいい時も喧嘩をする時も2人は軍人らしく「〜であります」という敬語で会話をしているのが胸キュンポイントです。
元不良で学歴もない上士デヨンと司令官の娘でエリートの中尉ミョンジュ。娘を位のいい軍人と結婚させたい司令官は、デヨンにミョンジュから離れるよう命令します。デヨンにとって直々の上司である司令官の命令は絶対です。
ミョンジュを避け冷たい態度を取るデヨンですが、本当は今すぐミョンジュに駆け寄りたいのを必死に我慢しています。そんな姿が垣間見える度に胸が切なくなります。
ミョンジュも軍医としてウルクに合流し、様々な困難を共に乗り越える中で2人は互いの存在の大切さを改めて感じることになりますが、司令官が2人の関係を許してくれる日は来るのでしょうか…。
見どころ3:熱々すぎない?シジンとデヨンのブロマンスが可愛すぎる!
もう1組のカップルと言っても過言ではない、シジンとデヨンの熱過ぎる友情(ブロマンス)からも目が離せません!
休暇中もいつも一緒。お酒を飲んで、互いの恋愛に口を出しては慰め合って。離れていても暇さえあれば恋人のように電話をします。
そして幾度となく危険な瞬間を一緒に乗り越えてきた2人のコンビネーションは長年連れ添った夫婦のよう。言葉などなくても阿吽の呼吸で意思疎通できます。
いつもはふざけ合っていますが、危険な瞬間に発揮する互いへの信頼は絶大。上司部下を超えた親友であり戦友。そんな2人の友情は私たちの胸をも熱くさせてくれます。
知っているともっと楽しい!『太陽の末裔』豆知識!
キャストに負けず劣らず!豪華なカメオ出演!
本作にはメインキャストになってもおかしくない豪華な面々がカメオ出演しています。
第1話では主演のソン・ジュンギと親交の深いイ・グァンスが射的場の店員として登場。その他にも『トキメキ☆成均館スキャンダル』でソン・ジュンギと共演経験のあるユ・アイン、ベテラン個性派俳優イ・ジョンヒョク、チフン役のSHINeeオンユの事務所の後輩にあたるRed Velvedなどです。
どんなシーンでどんな役で出てくるのか、ぜひ探して見てください!
シジンたちが挨拶で使う「団結!」ってなに?
本作の中で軍の人々が敬礼をしながら必ず使う言葉が「団結(ダンギョル)!」(단결)でした。あまりにもよく出てくるので覚えてしまった人も多いのではないでしょうか。
他の韓国ドラマでは「忠誠(チュンソン)!」(충성)という言葉をよく耳にすると思います。
これはどちらも軍隊の中で使う挨拶なのですが、部隊によって使う言葉が異なります。軍隊の一般的な挨拶が「忠誠!」、本作でシジンが所属していた陸軍特殊戦司令部では「団結!」、海軍・空軍では「必勝(ピルスン)!」が使われているそうです。
本作放送当時、ファンの間では「団結!」で挨拶するのがブームになりました!
ドラマから本当の恋愛に発展!結ばれた主役の2人!
本作で熱いラブストーリーを見せたソン・ジュンギとソン・ヘギョはこの共演がきっかけで縁を深め、2017年10月に結婚しました。大ヒットした作品のカップルが現実のものとなった反響は大きく、「世紀の大カップル」と世界中が祝福しました。
残念ながら2年余りで離婚に至っていますが、長く過酷なロケで苦楽を共にしながら演技だったはずの恋愛が本物の恋愛になっていったのを想像すると、トキメキが増してこの作品をもっと好きになりそうです!
ドラマの挿入歌も名曲ばかり!
ドラマを盛り上げる挿入歌は、シーンごとにピッタリな名曲ばかり。見終わった後にも、曲を聴くだけでそのシーンが頭の中で再現されること間違いなし!ドラマと同時に大ヒットした名曲をお楽しみください。
『太陽の末裔』に登場する美しい海の撮影地は?
ドラマ内に登場するウルクは架空の国ですが、実際の撮影はギリシャで行われました。シジンがモヨンを乗せたボートで案内する美しい海のシーンはギリシャのザキントス島にあるナヴァイオ海岸という場所で撮影されました。
絶壁に囲まれた白い砂浜に打ち上げられた難破船は実在しており、このドラマが撮影されたことをきっかけに観光客が増えたそうです。
韓ドラマニアの感想、『太陽の末裔』の魅力とは?
普段はクールだけどふとした時に優しさが垣間見える。そんなツンデレ男子が人気を博していた中で、愛情を一切隠さずアプローチをかける直球勝負男子というキャラクターで現れたシジン。
常に自分を見て、褒めてくれて愛情を言葉にしてくれる。それが嬉しくない女性はいません。シジンは本来女性が求めていた究極に理想的な男性となり、世界中の女性のハートを掴んだと思います。
さらに軍服や軍の正装など「制服」も欠かすことができません!
捲り上げた軍服の下には筋張った逞しい腕!そして作品内でも女性たちが夢中になっていましたが、ウルクで毎朝行われる上半身裸のランニング!拝みたくなる眼福シーンがいっぱいです。
そして筆者個人としてはビシッときめた軍服姿と、ラフな私服姿のギャップも見どころポイントでした。
「誰かがやらなければいけない仕事」だと命をかけて祖国を守る軍人シジン。軍人は命令に従って動き、誰かを殺すこともあれば、自分が殺されてしまうこともあります。
しかしシジンが向かう危険の先には、祖国にいる誰かやその家族の平和を守っているという誇りがあります。一方で、何よりも命の尊厳を大切に考える医師のモヨン。命令に従って命を落とすなんて受け入れることができません。
生き方が違っていた2人ですが、互いが誇りを持って仕事をしている姿に触れながら理解を深めていく過程は、ヒューマンストーリーとしても見応えがあります。
生死の境に立つ仕事をしている2人を通して、私たちは「日々の当たり前がいかに幸せなことか」「自分は今を大切に生きているだろうか」と深く考えさせられる機会になると思います。
■執筆/JUMIJUMIさん…韓国留学を機に韓国の文化に魅了される。年間30作品以上の韓国ドラマを視聴し、またライターとして情報発信も積極的に行う。ただ作品の内容を説明をするだけでなく、食や生活様式など文化面から掘り下げた解説を得意としている。インスタグラムはjumistyle99。