食育インストラクターの資格

食育インストラクターの資格とは?取り方・試験内容・費用などを徹底解説!

2023/04/10

食育とは食に関する知識を学び、より健康的な食生活を送るためのものです。

近年は食育基本法の制定などを機に少しずつ食育の認知度が高まっており、ある調査では8割以上の回答者が食育について何らかの関心を持っていることが明らかになっています。(出典:農林水産省「食育に関する意識調査」)

そこでこの記事では、ますます需要が高まりそうな食育インストラクターについてご紹介。

さらには資格を仕事に活かす方法も解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

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食育インストラクターの資格について解説!試験の特徴・内容も併せてご紹介

食育インストラクターの資格について

食育インストラクターの特徴や内容は以下の通りです。

  • 食育インストラクターとは「”食育”の指導者の証となる資格」のこと
  • 資格を取れば教育現場・介護施設などで役立つ
  • 学ぶメリットは「安全な食材選びができる」「食のマナーや知識を伝えられる」など
  • 取得のきっかけは「子どものため」「仕事に活かすため」など

それぞれの内容を詳しく見てみましょう。

食育インストラクターとは「”食育”の指導者の証となる資格」

食育インストラクターとは特定非営利活動法人NPO日本食育インストラクター協会が認定する「”食育”の指導者の証となる資格」です。

食事の栄養バランスやマナーの知識を有するという証明でもあるため、私生活や仕事、また食育活動を推進する際に活かせます。

資格は初心者レベルの「プライマリー」から4級~1級までの5段階にわかれ、初心者から栄養士、調理師などのプロまでが対象となる資格です。

それぞれの資格の要件についてはのちほど紹介します。

プライマリーは受験資格が不要なので、気軽に挑戦できますよ。

じつは人気芸能人も取得している

生活するうえで欠かせない「食」については興味や関心を持つ方も多く、じつは芸能人も多く取得しています。

タレントの和田明日香さんや、実業家の菅本裕子(ゆうこす)さん、元モーニング娘。のメンバーの保田圭さんなどが有名です。

和田さんや保田さんはお子さんを持ったことで「食」への意識が変化し、忙しいスケジュールの合間を縫って資格を取得されたそうです。

忙しい方でも在宅で取得をめざせる点は、食育インストラクターの魅力でもあります。

資格を取れば教育現場・介護施設など職場で役立つ

食育インストラクターは教育現場・介護施設などで役立つ資格です。

食育インストラクターの重要性をそれぞれの場面で確認しましょう。

・教育現場
子どもが健康的に成長するには、適切な食事が重要です。食材の味や香り、彩りを生かした食事が子どもの五感や好奇心、探求心を成長させます。

また成人を迎えるまでの期間が体の組織をつくるのにもっとも重要なため、栄養バランスの取れた食事が必要です。

そこで「食」の楽しさや、正しい知識・マナーを伝えられる食育インストラクターが重宝されています。

・介護施設
年齢を重ねるにつれて塩分や糖分などを過剰摂取すると、健康に害を及ぼすリスクが上がります。そのため施設利用者には、体調に合わせたバランスの取れた食事が大切です。

食育インストラクターは栄養素の知識を有しているため、献立の考案や調理など、資格が役立つことも。


このように仕事の場面で活かせる重要な資格です。資格取得がゴールにならないようにするためにも、取得後の将来像を描いて勉強することをおすすめします。

学ぶメリットは「安全な食材選びができる」「食のマナーや知識を伝えられる」など

学ぶメリットは「安全な食材選びができる」「食のマナーや知識を伝えられる」

食育インストラクターを取得するメリットは「安全な食材選びができる」ことや、「食のマナーや知識を伝えられる」ことです。

スーパーやコンビニに行けば簡単に食品が手に入る飽食の時代を迎え、ファストフードや加工食品、食品添加物の多い食事が増えている日本。

文部科学省が出している健康啓発教材では、日本では生活習慣病による死亡が死因の50%を超えており、偏った食生活が問題視されています。  

「健康な生活を送るために(令和2度版)【高校生用】」文部科学省
出典:「健康な生活を送るために(令和2度版)【高校生用】」文部科学省

そんな中、食育インストラクターの勉強をすると、栄養や食品表示の知識が学べるため、健康な食生活を実現することが可能となります。

また食のマナーなども学べるので、子育てに活かすこともできます。大人になってマナーが悪いと、恥を欠いてしまうかもしれません。とくに仕事の会食の際にマナーが欠けていると、商談に影響を及ぼす可能性もゼロではありません。

このように食育インストラクターの資格は実生活にも活かせるため、学ぶメリットをじかに感じられます。

取得のきっかけは「子どものため」「仕事に活かすため」など

主な資格取得のきっかけには「子どものため」「仕事に活かすため」などが挙げられます。

ここで食育インストラクターを取得された方の声を紹介します。

取得のきっかけは「食にまったく興味のない子どもを変えるため」と話す方もいます。

資格を通して「食の楽しさ」を学び、「いまでは子どもも食べる楽しみを感じるようになった」と話します。

また、別の方は「調理師免許以外のスキルアップをしたくて」取得を目指したそうです。

結果、スーパーで実演販売する際に、お客様に対して食に関するアドバイスができるようになり、「仕事の幅が広がった」と話します。

このように私生活や仕事にも活かせることがが食育インストラクターの魅力です。

  参考:「がくぶん 食育インストラクター養成講座HPより」  

食育インストラクターの資格難易度は高い?レベル別の取得方法・合格点・試験内容について

食育インストラクターの資格難易度

ここでは食育インストラクターの資格について詳しく解説します。

※それぞれのレベルの定義については、NPO日本食育インストラクター協会のHPから引用した内容を記載しています。  

1級

1級は「食育全般に関する幅広い知識と各テーマ(料理・栄養・健康・衛生等)に対する専門知識を持ち、広く伝え、普及活動ができる」レベルと定義されています。

受験資格は条件によって異なるので、それぞれ記載します。

条件受験資格試験内容
①2級取得者2級取得後1年以上の食育実務経験/1級資格認定研修受講(12単位)/活動報告書提出/食育レシピ提案食育筆記試験(80点以上合格)
②栄養教諭1級資格認定研修受講(12単位)/食育レシピ提案食育筆記試験(80点以上合格)

※2023年2月時点の情報です。

1級を取得するには食育レシピの提案が必要となります。

これはエコ料理、地産地消に適する料理、生活習慣病などの対策料理に関して、自らの意見を述べながらメニューの提案をする試験項目です。

食育全般の幅広い知識と、料理や栄養、食品衛生などそれぞれの分野の専門知識を有することが合格には不可欠です。

ほかにも栄養教諭でない限り実務経験が1年必要となります。

ただ料理好きというだけではなく、自分で食育を推し進める力が求められるので、取得難易度は高くなっています。

2級

2級は「食育に関する幅広い知識を有し、基本的な知識を分かりやすく伝えることができる」レベルと定義されています。

条件受験資格試験内容
①3級取得者で推進校に通学または食育に関する国家資格等、または(一社)全料協「准教師(助教員)」以上取得者調理実習受講(40単位)/※食育に関する国家資格等、または准教師取得者は調理実習40単位免除。/2級資格認定研修会受講(12単位)または協会認定食育授業受講(12単位)食育筆記試験(70点以上合格)
②3級取得者で推進校に未通学2級資格認定研修会受講(12単位)食育筆記試験(80点以上合格)/調理実技筆記試験(80点以上合格)
③プライマリー + 食育に関する国家資格取得者2級資格認定研修会受講(12単位)食育筆記試験(70点以上合格)

※2023年2月時点の情報です。

2級を受験するには、2級資格認定研修会を受講する必要があります。

研修会では食の安心・安全にまつわる食品衛生や食品添加物の知識や、健康増進のための生活習慣病の知識など、広範囲な知識が必要です。

また研修も1コマ45分あるので、研修を消化するだけでも9時間は時間が必要です。

忙しい方は時間をつくることに苦労するかもしれません。

3級

3級は「食育の重要性を理解し、料理技術を向上させ、日々の生活で食育を実践し身の回りの方々に伝えることができる」レベルと定義されています。

条件受験資格試験内容
①4級取得者で推進校に通学または(一社)全料協「上級」取得者調理実習受講(20単位)/食育授業受講(6単位)または3級資格認定研修会受講(6単位)/※上級取得者は、調理実習20単位免除食育筆記試験(60点以上合格)
②プライマリー取得者で推進校に通学調理実習受講(20単位)
➂プライマリー取得者で推進校に未通学-調理実技筆記試験(80点以上合格)
④食育に関する国家資格等取得者または当協会賛助会員3級資格認定研修会受講(6単位)食育筆記試験(60点以上合格)

※2023年2月時点の情報です。

3級取得には食育の重要性の理解と調理技術が必要があります。また条件に応じて調理実習に参加する必要があります。

1コマ90分を20単位となるので、かなりの時間(30時間)が必要です。

日ごろから食への興味を持って、調理の実践を通しスキルを上げる努力が求められます。

4級

4級は「食育の基本をふまえ、家庭料理の基本技術を学び、日々の生活に活かすことができる」レベルと定義されています。

条件受験資格試験内容
①推進校に通学調理実習受講(6単位)/食育授業受講(6単位)食育筆記試験(60点以上合格)
②協会主催研修会に参加資格認定研修会受講(6単位)/調理実技講習食育筆記試験(60点以上合格)/調理実技筆記試験(80点以上合格)

※2023年2月時点の情報です。

4級は食育に関する一般的知識を学び、家庭料理の基礎技術を習得するフェーズです。

プライマリーは通信講座のみですが、4級は調理実習の受講など、オンラインで完結しないのでハードルが少しあがります。

ただ合格率は7割程度といった口コミもあるので、取得難易度はそこまで高くありません。

プライマリー

プライマリーは「通信教育にて食育の3本柱や基礎知識を学び、問題意識を持ち日々の生活に活かすことができる」レベルと定義されています。

資格取得には「服部幸應の食育インストラクター養成講座」を受講し、最終課題に合格(70点以上)する必要があります。

プライマリーの取得は比較的やさしいといった口コミも見られるので、講座の受講を検討してみてはどうでしょうか。

食育インストラクターの資格は役立つ?口コミを調査

食育インストラクターの資格は役立つ?

独自調査で見つかった、食育インストラクターの資格に関する口コミは以下の通りです。

  • 取得する意味があまりない
  • 仕事に活かすなら「栄養士」や「管理栄養士」がよさそう
  • 受講費用が高い
  • 1級までのハードルが高い

それぞれの内容を詳しく見てみましょう。

取得する意味があまりない

独自調査の結果、食育インストラクターは「取得する意味があまりない」といった口コミが見つかりました。

食育インストラクターは民間資格であり、国家資格にくらべて資格の権威性や知名度がさがるため、仕事に活かしづらい現状があるようです。

仕事で活かす場合は教員免許や調理師など、ほかの資格と合わせることが理想的かもしれません。

とはいっても私生活では子どもの成長に関わる栄養学やマナーを学べるので、価値のある資格といえるでしょう。

仕事に活かすなら「栄養士」や「管理栄養士」がよさそう

独自で求人情報を調査したところ、仕事に活かすのであれば栄養士や管理栄養士の資格がよさそうだということがわかりました。

食育インストラクターの資格を持った求人があまり見られず、上記の募集が目立ちました。

ちなみに独自で求人の検索エンジン「求人ボックス」で調査した結果、食育インストラクターの求人334件に対し、管理栄養士は163,271 件という結果でした。

このように求人件数に大きな差が見られます。

自分がやりたい仕事と世間の需要の両方を鑑みて資格を選ぶのも大切です。

ただしこれらの資格を取得するには、大学や短大、専門学校などの養成校に通う必要があるので注意しましょう。

受講費用が高い

また類似した食に関する資格と比べると、「受講費用が高い」といった声も挙がっています。

  しかし「資格のキャリカレ」と比較調査したところ、大きな価格差は見られませんでした。  

資格名受講費用キャンペーン適用価格
食育インストラクター プライマリー39,900円
食育アドバイザー38,600円22,300円(23年2月24日まで)
調理師41,900円24,400円(23年3月16日まで)
トータルフードコーディネーター49,600円32,100円(23年3月16日まで)
幼児食インストラクター38,600円28,100円(23年3月16日まで)

*資格のキャリカレ(株式会社キャリアカレッジジャパン)と比較

*2023年2月時点の情報です。

ただし「資格のキャリカレ」では割引キャンペーンを実施していることもあり、類似した資格は約3~4割引の値段で受講できる場合もあるようです。(2023年2月時点)

1級までのハードルが高い

「1級までのハードルが高い」といった口コミも見つかりました。

2級までにも実習や研修の受講が必要となりますが、栄養教諭ではない場合、2級を取得してから実務経験が1年以上必要です。

また活動報告書の提出や食育レシピの提案も必要です。

食育の実務経験がない方からすると1級までのハードルが高いので、実務経験を積みながら並行して1級をめざす形がよいかもしれません。

食育インストラクターの資格に関するQ&A

食育インストラクターの資格に関するQ&A

食育インストラクターの資格に関して、よくある質問にQ&A形式で回答します。

  • Q.食育アドバイザーとの違いは?
  • Q.履歴書には書ける?
  • Q.食育インストラクター取得の大変なところや辛いことは?
  • Q.修了試験が不合格の場合はどうなる?

気になる項目をチェックしておきましょう。

Q.食育アドバイザーとの違いは?

食育アドバイザーとは一般財団法人日本能力開発推進協会(JADP)が認定する資格です。

JADPが指定する講座を受講した方に受験資格が与えられ、試験は筆記のみで、在宅でテキストを見ながら回答することができます。

食育インストラクターが食育を推進する役割であれば、食育アドバイザーは食の知識やマナーについてアドバイスする人材に当たります。

そのため資格取得の難易度も、食育アドバイザーの方が簡単です。

資格を選ぶ際には、取得の目的に応じて選択するようにしましょう。

Q.履歴書には書ける?

食育インストラクターの資格は履歴書に書けます。

就職面接の際に食育に関する活動内容を伝えることで、面接を優位に進められることもあるでしょう。

とくに教育現場、介護施設、食品メーカーなどにおいて有効な資格といえます。

資格をより活かすなら、食育インストラクターとして実務経験を積み、実績を作るほうがよいでしょう。

Q.食育インストラクター取得の大変なところや辛いことは?

食育インストラクター取得の大変なところは資格取得に時間がかかることです。

仕事で忙しい方からするとスケジュール的にむずかしいこともあるかもしれません。

受講期間は6カ月間ありますが、過ぎた場合は無料で6カ月間延長できるのでうまく活用しましょう。

辛いことは食育インストラクター単体の資格では仕事に活かしづらい点です。ほかの資格とあわせて活用するのが理想です。

とはいっても実生活に活かせる資格なので、ムダにはならないでしょう。

Q.修了試験が不合格の場合はどうなる?

修了試験が不合格だった場合は、1回限り無料で再試験を受けられます。

食育活動を推進するうえでは資格の取得をおすすめしますが、最終的に試験に合格しなくても、講座を終了できます。

資格の取得が最終ゴールではないので、目的に応じて柔軟に考えましょう。

まとめ

最後に重要なポイントをおさらいしましょう。

  • 食育インストラクターとは「”食育”の指導者の証となる資格」のこと
  • 資格を取れば教育現場・介護施設などで役立つ
  • 資格を取れば履歴書に書ける
  • 学ぶメリットは「安全な食材選びができる」「食のマナーや知識を伝えられる」など

段階によっては難易度がかなり高い食育インストラクターですが、その分取得に励めば、人の豊かな生活や健康を支える食について深い理解を得られるでしょう。

まずはNPO日本食育インストラクター協会の公式サイトから無料で資料を取り寄せてみてはいかがでしょうか。

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