SNS、推し活……夫婦仲の専門家が見た夫を不幸にする「スマホに依存しすぎる妻」驚きの実態
2023/04/29
いまや生活に欠かすことができないスマートフォン。SNSチェック、動画視聴、ゲーム……といったことが1台でこなせますが、その便利さゆえにスマホへ依存してしまうケースも少なくないようです。
今回は、スマホに依存しすぎてしまった妻の実態について、「恋人・夫婦仲相談所」の所長である三松真由美さんに教えてもらいました。
- 夫婦関係にも暗い影を落とすスマホ依存
- 【ケース1:SNS依存の妻】着替えもせず寝落ちする子どもの横でスマホに夢中
- 【ケース2:VTuberに入れ込む妻】老後資金にも手をつけて毎月数十万を投げ銭
- スマホを夫婦仲をおびやかすほどのバッドアイテムにしないで!
夫婦関係にも暗い影を落とすスマホ依存
ライムライト・ネットワークス・ジャパンが日本を含む世界10か国を対象に行った「デジタルライフスタイルの現状」調査によると、「スマートフォンを1日使わないでいることはできますか?」という設問に対して、「使わずにいることはできない」と回答した割合は、日本では49.8%。
この記事を読まれているかたの中にも、「もしかしたら自分はスマホ依存症?」と思ったことがある人はいらっしゃるのではないでしょうか。
最近ではスマホ依存症を治療する医療機関も出てきており、スマホへの依存が引き起こす社会へのマイナス影響が懸念されるようになっていますが、じつは夫婦仲にも暗い影落としています。
【ケース1:SNS依存の妻】着替えもせず寝落ちする子どもの横でスマホに夢中
タカノリさんの妻サクラさん(30代)の主な関心事は、自分がやっているSNS界隈のやり取り。Facebookは1アカウント、InstagramとTwitterは表と裏アカがそれぞれあるので合計4個、TikTokを1個、そして無数のLINEグループを巡回してはメッセージや画像をアップしたり、相手の書き込みに反応したり、返信したりを1日中やっています。
「朝起きたら通知が合計で50件ぐらいたまっているので、まずはその対応をしながら、子どものご飯の支度や保育園の準備をします。息子を保育園に送ったら、今度は自分のアカウントに写真やメッセージをいろいろ投稿。写真も加工したりするので結構時間がかかるんですよ。ついでにおすすめで出てくるインスタのリールをだらだら眺めているとあっという間にお昼。午前中にできなかった洗濯は夜にやることにしてパートへ向かいます」
パート中はさすがにサクラさんもスマホをカバンの中へしまいますが、パートが終わりしだいまたスマホチェックを再開。
「夕方にパートが終わってスマホを開くと、再び通知が数十件たまっているので、保育園のお迎えまでメッセージをチェック。子どもが帰宅した後もチェックや返信が終わらないので、とりあえず子どもにはゲームとお菓子を与えておいて、自分はスマホに集中します。最近では気がつくと20時過ぎで夫が帰宅しちゃって、『あ、まだ夕飯できてないから、デリバリー取る?』みたいなこともよくあります。ほんと、いそがしくてたいへんです」
と照れ笑いするサクラさん。そんな妻に不満と不安を募らせているのが夫のタカノリさん。
「妻は料理が得意で、以前は僕の好物をよく作ってくれていたんですが、最近は僕が帰ってくるまで何もしていない日が大半です。夕飯ができていないのはもちろん、洗濯をしていなかったり、朝食の食器がそのままだったり……先日、僕が飲み会で夜12時頃帰ったら、夕食も風呂も洗濯も何もしていなくて、子どもは保育園の服のままテレビの前で寝落ち。それを横目に妻はスマホに夢中でした。これは、病院に連れて行ってスマホをやめさせるか、離婚するかどちらかだな、とマジで思いました」
【ケース2:VTuberに入れ込む妻】老後資金にも手をつけて毎月数十万を投げ銭
ヒロキさんの妻ミサさん(50代)の生きがいは推し活。結婚前は人知れずアニヲタとして声優に入れ込んでいました。その後、娘が中学生になったころから娘と一緒に男性アイドルヲタに転身。全国に「遠征」するなど、惜しみない愛情とお金を投資してきました。
そんなミサさんがいまハマっているのがVTuber。きっかけは、大学生になった娘と一緒に視聴した某VTuberのLive配信でした。
「VTuberの魅力は、中の人がどんな人なのかを想像してわくわくできること。昔、声優が好きだった感覚と似ているかもしれません。VTuberの場合は、声優よりももっと自由度が高いので、Live中にもときどき素になって笑ったりします。そんな瞬間に、その人の秘密を見たようでわくわくするんです。推しのグッズももちろん購入しますよ。イベントのときだけに買える限定品とかは持っているだけで自慢です」
Live配信を見たりグッズを買ったりするだけなら、今までの推し活と変わりはないのですが、VTuberには、さらにミサさんが沼にはまる重要な要素があったのです。
「VTuberの最大の魅力はスパチャとよばれる“投げ銭”ができることなんです。アイドルヲタ時代もグッズを大量に購入して、推しを応援することができたけれど、人気アイドルグループが相手だと、いくらお金をつぎ込んでもメンバー本人に私の気持ちは伝わらないですよね。でも投げ銭はダイレクトに相手に伝わって、お礼コメントがもらえたりするのが最高なんです。あとは、いくら投げたかが周囲にもわかるので、ほかの若い娘に対して金額でマウントをとれるのも快感。つい上限の5万円を一気に投げたりしちゃうんです」
ミサさんの場合、推しが複数いるため、週に3~5回Live配信を視聴します。そのたびに投げ銭をするので額もどんどん膨らみ、自分のパート代をつぎ込むだけではたりなくなってしまいました。
ヒロキさんはそんな妻の様子に困惑と怒りを隠せません。
「最初は『また妻の新しい推し活が始まった』と気にもしていなかったのですが、ある時、たまたま彼女のクレジットカードの明細書を見てその金額に驚きました。そこで問い詰めると、VTuberに月30万円以上つぎ込んでいることがわかったんです。クレジットカードの引き落とし口座は妻自身の名義の口座になっていたのですが、もちろんそこは早々にお金がなくなり、2人の老後資金用に積み立てていた口座の預金に手をつけていたんです。去年の春からそこの定期預金を解約して、自分の口座にお金を回していたことがわかりました。いい年をして何やってるんだか!あまりに腹が立ったので彼女のスマホを取り上げて床にたたきつけてやりました」
現在ふたりは、私が運営する夫婦仲相談所で、関係修復のアドバイスを受けています。
スマホを夫婦仲をおびやかすほどのバッドアイテムにしないで!
もはや日常に欠かせないものになったスマホ。でも、一歩使い方を間違うと自分も家族も不幸にしてしまう危険なツールだとも言えます。
皆さんにとってスマホはどんな存在か、夫婦仲をおびやかすほどのバッドアイテムになっていないか今一度振り返ってください。
冒頭に紹介した
「スマートフォンを1日使わないでいることはできますか?」
という質問を今夜、夫婦の話題にしてみてください。
◆監修・執筆/三松 真由美
会員数1万3,000名を超えるコミュニティサイト「恋人・夫婦仲相談所」所長として、テレビ、ラジオ、新聞、Webなど多数のメディアに出演、執筆。夫婦仲の改善方法や、セックスレス問題などに関する情報を発信している。『堂々再婚』『モンスターワイフ』など著書多数。