「大好きな道具があれば、日々の家事も動けちゃう」子ども4人の6人家族のママ愛用の暮らしの道具
2023/05/15
子ども4人の6人家族!料理や洗濯に掃除、一度終わらせてもまた始まるたくさんの家事。そんなときに、大好きな道具があれば、なんだかやる気が出るもの。日々使う道具を1つずつ大切に選んだ暮らしをご紹介します。
<教えてくれた人>
経塚加奈子さん(福島県)
中2の長女、中1の長男、小5の二男、2歳の三男、夫との6人暮らし。県内で複数回引っ越しを経験。ちょうど1年ほど前に、現マンションに引っ越したばかり。著書に『私を動かす暮らしの道具』(エムディエヌコーポレーション)。
大好きな道具さえあれば、なんだかんだ、動けちゃうんです
中2を筆頭に子どもは4人。うち男の子は3人で最年少は2歳。家なんて片づく瞬間さえないのでは?と思いきや、のんびりと長居をしたくなるような、居心地のいい加奈子さんのお宅。
以前の住まいも今のマンションも、ピカピカではない古い物件。加奈子さんはむしろそんな古さを楽しむように、空間を整えてきました。
引っ越しが決まり、まず最初にしたのはクッションフロアをリビングやキッチンの床に敷き詰めること。元気盛りの子どもが4人もいるので、防音対策が必要だったから。でも見た目も少しこだわって選んだら、むしろこの空間で過ごす時間が豊かに感じられるような雰囲気に。
キッチンの収納扉は、元々は好みとは違うピンク色だったそう。賃貸なので現状回復ができる範囲で工夫。上の扉を取り払い、下の扉にはベージュのシートを貼りました。そこに、以前の家から持ってきたものを使いやすいように置いていったら、あら、不思議。大好きな、自分がいちばん落ち着ける空間が完成です。
その理由は以前の住まいのときから、加奈子さんがゆっくり集めてきた、大切な暮らしの道具たちが並んでいるから。台所道具、収納に使っているかごや箱、そして家具も。それぞれ作家物だったり、実家からもらい受けたものだったり、ネットショップや古道具屋さんで見つけたものだったり。インスタで見つけて作家さんに連絡を取り、数カ月待って手に入れたものもあります。
明確にテーマを決めてこだわってきたわけではないけれど、好きな雰囲気の物を、ちょっとずつ集めているうちに、目にやさしい色合いの物、木や自然素材の物、金属はマットな質感の物と、統一感が自然に生まれていました。「1個だけが目立つというより、全体になじむものを選んできました。ずっと長く使えると感じる、お気に入りの道具を使っていると楽しいし、気分がうれしいんですよね」と加奈子さん。
今晩のおかずは、豚のしそ巻きフライ。長男と次男が野球をやっていることもあり、たいがいな量が必要です。1個1個巻いていたら、あっという間に時間はすぎていきます。家族6人分となれば、洗濯物の量だってなかなか。食器だってササッと洗って終了というわけにはいかない量。料理、洗濯、掃除…。どれも一度終わらせてもまた始まり、決して尽きることのない作業です。がんばらなきゃ!と自分を応援しなければいけない日だってあります。
そんなときに、巻いた豚肉を並べるのが、ちょっといぶしのきいた、大好きなアルミのバットというだけで、なんだかやる気が出るもの。洗濯物を移動させるかごが、母から譲ってもらったお気に入りというだけでも、洗い終わった食器が並ぶ水きりかごの中の風景が美しいと感じるだけでも、なぜかうれしい気持ちになれて、動けてしまう。
人のやる気なんて、そんなささいなことから生まれ、その積み重ねで、今日もがんばれるもの。だから加奈子さんは、自分が心から好きと感じる暮らしの道具を選んで、自分を動かす原動力にしています。
日々使う道具を1つずつ、大切に選ぶ。幸せって、そんなことから始まるのですね。
#丸見えの押し入れもいい風景
キッチンが狭くて収納がたりないから、キッチンに近い和室の押し入れをパントリーに。扉をはずし、古家具やかご、木箱などで使いやすくしたら、眺めもよし。
#子ども4人に使わせています
子どもが小さいうちは、大切な器や道具を使わせたくないと思いがちですが、加奈子さんは気にしません。「コップを割られたことは1回くらいしかなかったと思います」。
#かごなら収納も楽しい
クッションフロアを敷いたリビング。カラフルなおもちゃも、生活感のあるものたちも、かごに収めればインテリアに。「祖父が使っていた机の引き出しも箱として活用」。
#実家にあったもの
「子どものころから実家にあったかごは、母から譲ってもらいました」。洗った洗濯物を移動させるときに活躍。買った場所も、どこの国のものなのかも不明。
#眺めてうれしい道具ばかり
つり戸棚の扉ははずしてしまえば、好きな器が眺められ、出し入れもしやすくなって一石二鳥。「定期的に使うものだから、ほこりが気になることはありません」。
#好きなものなら手入れも楽しい
木の道具は、そこにあるだけで雰囲気をやわらげてくれるから好きという加奈子さん。「お手入れはサボりがちです」と笑いますが、いい味わいに育っています。
参照:『サンキュ!』2022年4月号「わたしのHAPPYのつくりかた」より。掲載している情報は2022年2月現在のものです。photo:sachie abiko text:kyoko kato 編集/サンキュ!編集部