姉弟の不平等を訴えて泣いた20歳の長女。勇気を出して話してみて、わかったその奥の想いは?

2023/07/17

再婚して12年目のみおさん。数カ月前に大学生の長女から「私と長男(16歳)には厳しかったのに、二男(8歳)には甘い」と泣かれたことが気にかかっていました。心理カウンセラーのよしおかさんに励まされ、長女が幼いころのことを親子で改めて話したそう。ところが、長女の言葉には別の思いも込められていたことがわかって…。

長女に謝ったらぽか~んとしてました(笑)。でも私の愛情は伝わったようです

編集部:みおさん、お久しぶりです。今日はなんだか前回より表情が明るいですね。娘さんと会って話すチャンスはありましたか?

みお:はい。ゴールデンウイークの最終日に会えました。私の実家に行くことになって、みんなでお昼を食べた後「ケーキを買いに行こう」と娘を誘って、車の中で話をしました。

編集部:2人で話せたんですね!

みお:前回よしおか先生とお話して、長女にちゃんと謝らなきゃと思ったので。「ちょっと変なこと言うけど聞いてくれる?」と切り出しました。

編集部:それで、長女の反応は?

みお:「えっ、なに?」と、ちょっと身構えてました(笑)。「成人式で帰ってきたときに泣いたでしょ。そんなにつらかったんだって、ずっと気になってて。それでお母さん、いろいろ考えたんだ」「〇〇(長女)が小さいころは厳しくしすぎたかなとお母さんも思うし、いっぱい手伝ってくれたのにわかってあげられなくて、ゴメンね」と謝りました。

よしおか:思いを伝えられてよかったですね。

みお:ありがとうございます。でも長女はぽか~んて顔をして(笑)。

編集部:え、そうなんですか?

みお:「あっ、はい…。どうしたの、急に」って言われました。

よしおか:お母さんに謝られたのが、人生で初めてだったのかな?照れ隠しでそう言ったのかもしれませんね。

みお:ええ。ただ、あれ?と思って、そもそもなぜ泣いたのか、聞いてみたんです。

編集部:そうしたら?

みお:娘は「私はいいの。泣いたのは▢▢(長男)がかわいそうで」と。自分も厳しく育てられてつらかったけど、それより長男と二男の差がありすぎて泣けたらしいです。え、そこ!?と思いました。

編集部:そうだったんですね。

よしおか:長女がぽか~んという反応だったとしても、「私はがんばってた」と言ったことを思うと、みおさんに認めてもらいたい気持ちはあったと思うんです。

みお:ええ。

よしおか:お母さんに「小さいころはつらかった」と言えたこと、そしてお母さんから「ありがとう。がんばってくれたね」と言ってもらえたことで、わだかまりはだいぶ解けたんじゃないかな。

みお:私、昔から長女が一番かわいいんですよ。もちろん息子たちもかわいいけれど、自分は三姉妹で育って、私も姉たちも母が大好きなので、その影響が大きくて。

よしおか:そうなのね。

みお:長女にも昔からずっと「お母さん、〇〇ちゃんが一番かわいいんだよ」と言っていて、今回も伝えました。

よしおか:うんうん。

みお:その後、母の日に娘から連絡が来て「いつもありがとう。無理せず楽しくすごしてください」というメッセージとチーズケーキを贈ってくれてうれしかったです。

よしおか:改めて話をしたことで、みおさんの愛情は長女にしっかり伝わったし、長女も自分が愛されているとわかっているんですね。気になるのは息子さんのことですね。

みお:はい。娘は長男のことを助けたい、何とかしてあげてって、思ってたんですね。私より彼女のほうが大人ですね。

問題を起こすことが多い長男。叱ってもなかなか直りません

よしかお:息子さんはどんなお子さんですか?

みお:長男はちょっと変わった子で…。変わっているというか、小学生のころからよく学校から電話がかかってきました。

よしかお:というと?

みお:わざとじゃないけど、水筒を取り合って壊しちゃったとか手が出ちゃったとか。友だちにすごいって言われたくて、家のお金を盗っておごったことも何度かありました。それがなぜ悪いことなのか、叱ってもなかなか伝わらないし、手のかかる子なんです。

よしかお:そうなのね。

みお:それでいろいろ考えて、高校から寮に入れました。距離を取ったことで長男も前より落ち着いたけど、親としてはもっと成長してほしいと思う点がいろいろあって、悩みは尽きません。

長男は不満やさみしさを言葉にできずに、行動でSOSを出していたのかも

よしおか:長女はみおさんに「私たちには厳しかったのに二男には甘い」と言いましたが、長男はどうです?

みお:何も言わないです。

よしおか:そうですか。娘さんは自分の不満やさみしさを言葉にできたけど、息子さんのほうは言葉にできずに、ずっと行動でSOSを出していたようですね。

みお:はい。

よしおか:親に愛されたいという欲求を満たすために、ギリギリのことをしちゃったんじゃないかな。彼は自分に自信がなくて、「自分はどうしてこうなんだろう」と思っているかもしれない。友だちに対しても「僕のことを本当に受け入れてくれてるんだろうか。こういう部分を見せたら嫌われるんじゃないか」という不安がある気がします。

みお:そうだと思います。

よしかお:でもなぜ自信がないのか、自分でもわからないんじゃないかな。息子さんはおいくつでしたっけ?

みお:16歳です。

よしおか:心の働きを司るのは脳ですが、10代の脳はまだ柔軟性があって、粘土のようにやわらかい。でも20代前半になるとほぼ固まって大人の脳になってしまいます。だからこの機会を逃さずに、長女と同じように長男のSOSにしっかり向き合って、心に開いた穴を埋めてあげることが必要だと思いますね。

みお:2つめの宿題…ですね。

よしおか:はい、2つめの宿題が本題でした。

みお:娘には謝ろうという気持ちにスッとなれたんですよ。でも息子には…できるかな~。

編集部:息子さんが相手だと、何か違うのですか?

みお:息子としゃべってるとついイライラして、最後には怒っちゃうんです。私の言うことがなかなか伝わらないので。でもこれは怒っちゃいけない話なので、自信ないなって。

よしおか:長女とはまた違った、長男とみおさん特有の関係性があるのかもしれませんね。

みお:はい。そうですね…。

よしおか:だけど、子どもってすごいですよね。いろんなことに気づかせてくれますから。


長女に対する悩みは無事解消しましたが、次は長男の問題に向き合うことに。みおさんにとってより難題ですが、持ち前の明るさで乗り越えてくれるような気がします。長男に対するみおさんの悩みとよしおかさんのアドバイスは、後日改めて特集する予定です。

 
 

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