在宅でもきちんと稼いで子どもを6人育てたい。考えて選んだ資格とは?

2023/07/02

見せてもらうのは、「棚」と「引き出し」と「冷蔵庫」の中。今回は、お子さんが6人いながら、人気ファナンシャルプランナー(FP)として活躍中の橋本絵美さん宅に伺いました。収納や家計のこと、お子さんの教育のこと、そしてご自身のお仕事のことまで、お話を聞きました。全3回の記事です。

生粋の生活情報オタク。家計と片づけが得意だった子供時代

6人のお子さんに囲まれながら、FP(ファイナンシャルプランナー)として活躍中の橋本絵美さん(39歳)。現在は、コラムの執筆やセミナー講師、個別相談を行っており、おもに在宅でお仕事をしています。

橋本さん宅の本棚を拝見すると、『サンキュ!』をはじめとした生活情報誌がずらっと並んでいます。どれも読み込んでいらっしゃるようにお見受けします。

「母が読んでいた生活情報誌が好きで、子どものころから愛読していました。大学生になり一人暮らしをはじめてからは、生活費を家計表に当てはめてみたり、収納術をマネしてみたりと、自分なりに実践していました」。

本棚の一画には『サンキュ!』などの生活情報誌が並びます。どれもかなり読み込んだ様子!

そんな少女時代をすごした橋本さんは、大学では商学部に進みます。

「まわりの友人たちは公認会計士の資格取得を目指す人が多く、資格の専門学校に行っていました。それで私も一応行ってみたんですけど、どうしても公認会計士という仕事にピンとこなくて。ただ、もらったパンフレットにファイナンシャルプランナーっていう資格が載っていて。『え、何これ!?』ってすごいビビッときたんです」。

子育てに奮闘しながらFP資格を取得し、ようやく自信がついた

折りしもFP資格が日本の国家検定になった2002年のことでした。企業で働くことも考えていた橋本さんですが、そのころにはすでに、「子どもは10人欲しい」と決めていたこともあり、「外で働くのは現実的じゃないかもしれない」と思っていたと言います。

「いざ結婚して1人目が生まれたときには、本当にもう外で仕事をするのは無理だな、と思いました。もう私は、毎日おっぱいあげておむつ替えて、おっぱいあげておむつ替えて…そうしたらもう夜じゃん!みたいな。何もしてないのに、また朝が来る〜、みたいな(笑)」

そんなときに、FP資格のことを思い出します。大学時代には勉強は始めたものの資格は取っていなかった橋本さん、やはり資格を取得しようと決意します。夫に相談して勉強する間は子どもを見てもらい、その間にも妊娠出産がありながら、3級、2級と合格します。「育児中でなかなか仕事にはできなかったけれど、気持ち的には一歩進んだ」と感じていました。

お金にならなくても渾身のコラムを執筆。わらしべ長者的に仕事が舞い込むことに

夫の転勤のため、福岡で長男長女を産んでいた橋本さんですが、3人目を産んだころに、再び夫が転勤となり東京へ戻ることになります。仕事しないと保育園に入ることもできない現実を前に、どうにかしてFPの資格を生かそうと動きます。
「女性FPによる養成講座があるというのを知り、それを受ければ活動できるらしいということで入りました。一番最初はコラムを執筆したのですが、じつは私、作文もめちゃくちゃ苦手なくらい文章書くのは得意ではなかったんです。ただ、もうこの時はすっごいがんばりました!最初の記事は、通信費見直しのコラムを書きました。執筆料は1本5,000円。もともと興味があって知識もあったジャンルでしたが、さらにいろいろ調べて本を買ったりしていたら、結局時給いくらなの?という感じではありました。でも、初めてコラムを書いてお金をいただくことができたんです」。

仕事中の橋本さん。「子どもたちが帰ってくる午後3時くらいまでが勝負です」。ちなみに、時計は15分くらい進んでいます。「時間に余裕を持つために進めています」。

その初めて書いたコラムが好評を博します。それを受け、今度はセミナーの講師をやってみないか?と、声がかかりました。
「セミナー講師も初めての経験だったので、めちゃくちゃ緊張しました。自分より詳しい人がいたらどうしよう、とか思って、とにかく怖かったです。やってみると、参加した皆さんにとっては新しい知識も多かったようで、これもすごく好評をいただきました。それで、そこからまた別のかたに呼ばれてセミナーをしたりして、今度はもっと大きなセミナーをしたりと、次々オファーが来るようになりました」。

その後は、執筆、セミナー、そして個別相談と、わらしべ長者的に仕事が広がっていきます。
「外で働けないとなったときに、私はどうすれば世の中の役に立って、お金がもらえるんだろうって思ったんですね。資本主義社会のなかにどうしたら入れるんだろう、って。そのときに、『私は片づけとお金のことが得意だ。これだったら人の役に立てる』と確信しましたし、それが、これを仕事にしようと思ったきっかけでした」。

目指すは現代の二宮金次郎。FPの仕事は天職

本棚に何冊もある二宮金次郎の伝記。「国の財政難や疫病など現代と似ている話も多く、今読んでも学びがあります」と橋本さん

FPとして独り立ちした橋本さんですが、今、尊敬しているのは、二宮金次郎こと二宮尊徳だと言います。

「私、現代の二宮尊徳になりたいと思ってるんです。二宮尊徳は歩きながら勉強してることで有名な人ですが、すごいのはそこじゃなくて、傾いていた藩の財政を立て直したことなんです。没落した自分の家の家計を見直して整え、その手腕を買ってもらって、服部藩をどうにか立て直してほしいと言われた人なんです。

そこで、役人には衣を買わないでください、城中お手伝いの人たちにも、薪は何本でやってくださいと、家計から家事までこまかく指導するんです。そこまでやるんですよ。そうやって指導しながら豊かにしてくというのをされた方なんですよ。それって、まさにファイナンシャルプランナーの仕事ですよね」。

キラキラした目で語る橋本さんには、天職に出会った自信がみなぎっていました。

次回は、橋本さんの家計についての考え方を教えてもらいます。

●PROFILE
橋本絵美(東京都 39歳)。ファイナンシャルプランナーとしてFPオフィス「ハピママlabo」主宰。長男(13歳)を筆頭に、長女(12歳)、二女(10歳)、三女(7歳)、四女(5歳)、二男(3歳)と夫の8人家族。

撮影/tsukao 取材・文/尾崎真佐子 構成/サンキュ!コメつぶ編集部

 
 

PICK UP ピックアップ

TOPICS 人気トピックス

RECOMMEND