居間でのオンライン講義に出席する日本の中学生の女の子

やりたいことと高校卒業の両立!『積極的進学』の選択肢として通信制高校への進学者が増加中

2024/01/10

多様化する進路の1つとして、通信制高校を選ぶ子どもが増えています。親世代の頃からどんどん変化する学校教育、ついていけていますか?今どきの教育・進学事情や新しい教育用語を、専門家にインタビュー取材します。

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<教えてくれた人>
・通信制高校に詳しい 高尾知憲さん
24年度4月に開校する通信制高校サポート校・アップ高等学院のプロジェクトマネージャー。アップ教育企画の中学受験指導部門にて算数を指導。進研ゼミ小学講座「考える力・プラス」などにも出演。

・ジャーナリスト 宮本さおりさん
夫の米国留学で新聞記者から専業主婦に。帰国後、子育て・教育分野を中心に執筆。『データサイエンスが求める新しい数学力』(日本実業出版社)著者。大学生と中学生の母。

Q 通信制高校を選ぶ子どもが増えてるって本当?

リビングルームでペンタブレットを使って女の子を勉強する
show999/gettyimages

A ここ数年で通信制高校への進学者数は急増。約13人に1人が通信制高校に進学しています

文部科学省の「学校基本調査」によると、通信制高校に通う生徒の人数は26万4797人(2023年度)で、過去最多となりました。今年が爆発的に多かったというわけではなく、ここ数年増加傾向が続いています。
今まで、通信制高校というと、スポーツや芸能活動など特別な事情がある生徒が選ぶ学校というイメージがありました。しかし、最近ではN高等学校(通称・N高)のユニークな授業や進学実績が話題になるなど多様化する進路の1つとして通信制を選択する“積極的進学”も見られるようになりました。
スポーツで高みを目指す子、起業など学業以外の活動をしたい子など、やりたいことと高校卒業の両立を目指すための進学先として機能する一方で、なんらかの理由で中学時代や高校時代に不登校になってしまった子の受け皿としての役割も果たしています。
また、コロナ禍の影響で、通学せずに学ぶことが可能だと、多くの人が気づきました。このように毎日朝から学校に通うことが苦痛だと感じる子が、通信制高校を選びやすい環境に変わったことも、通信制高校の進学者が増加した一因と考えられています。

少子化にもかかわらず、通信制高校への進学者数は増加中

出典:文部科学省「学校基本調査」より

少子化の影響で、全日制・定時制高校への進学者数は減少し続けているが、通信制高校への進学者は増えている。特にコロナ禍以降は急激な上昇傾向が見られる。

通信制高校を選ぶのはどんな子が多い?

テーブルの上に開いたノート。
years/gettyimages

カリキュラムの自由度が高いため、通信制高校の中にはデザインやIT 関連の授業を用意するなど、特色ある学校が多くあります。他校ではできない多彩な経験が積める点に惹かれて進学する生徒も見られますが、起立性調節障害などにより毎日決まった時間に学校へ通うことが難しい子や、いじめなどが原因で学校に行けなくなってしまった子も多くいます(高尾さん)。

全日制高校と通信制高校の違いは何?

リビングで一人で勉強している女性
takasuu/gettyimages

高校は義務教育ではないため、必要な単位を取得しなければ卒業できません。多くの全日制は必要な単位数と出席日数が学年ごとに決まっており、単位を1つでも落とすと、次の学年に進級できません。一方、通信制は高校3年間で必要な単位数を満たせばよい所が大半。スクーリング(※)期間以外は通学の必要がなく、レポートの提出などが中心のため、通学に不安のある生徒でも卒業しやすいのが特徴です(高尾さん)。

※法的には「面接指導」と呼ばれており、対面式で授業を受けることを指す。

参照:『サンキュ!』2024年1月号「今どきの教育事情どうなってるの?」より。掲載している情報は2023年11月現在のものです。プロップ制作/川村ちゃん 取材・文/宮本さおり 編集/サンキュ!編集部

 
 

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