カイロは体のどこに使うべき?平常時も災害時も役立つ気象予報士・防災士のライフハック
2024/01/25
寒い時期、電気もガスも使わずに体を温めてくれるカイロは、ふだんの外出から災害時まで幅広く役立つうれしいアイテムですよね。いつも何となく使っているカイロですが、体のどの部分に使うのが一番効果的なのでしょうか。
今回は、気象予報士・防災士・野菜ソムリエとして活躍する植松愛実さんに、カイロを100%活用するコツを教えてもらいます。
外出時は「寒さの種類」を重視
ひとくちに「寒い」と言っても、寒さにはさまざまな種類があります。
たとえば、晴れていて気温はさほど低くないのに風が強くて寒く感じる「風冷え」。あるいは、ひたすら気温が低いことで厳しい寒さとなる「底冷え」もあります。
「風冷え」の場合は、風をシャットダウンするのを優先したいので、首元にカイロを使うのがおすすめ。首のうしろにカイロを貼って上からマフラーを巻けば、体感温度がぐんと上がります。
「底冷え」タイプの場合は、一番冷える足元に使うと効果的。足首のうしろ側にカイロを貼ると、首のうしろと同様に血管が多く集まっている場所ということもあり、効率的に血行をよくして体温を上げることができます。
「広い筋肉」にも注目を
カイロを貼る場所を考えるとき、もちろん血管がたくさん通っているところも気になりますが、「広い筋肉」にもぜひ注目してください。
というのも、筋肉が冷えている状態というのは血行が悪くなりやすく、結果的に体温を下げてしまいがちなためです。
とくに肩から背中にかけての大きな筋肉をカイロで温めるのがおすすめ。これはカイロを屋外で使うときも屋内で使うときも共通です。
また、ほかにもツボに注目して貼る場所を選ぶ方法もあります。
自分のコリやすい部分や、自分の体調に合ったツボの場所を鍼灸師さんなどに教えてもらったときは、そこを重点的にカイロで温めるのも有効です。
災害時は「血管の場所」優先!
災害時にカイロを使う状況というのは、停電した自宅や避難所で低体温症を避けるために使うことが多いと想定されます。
そのため、とにかく多くの血管が皮膚の表面近くをとおっている場所を優先してカイロを使いましょう。具体的には、首のうしろや、脇の下です。
また、カイロを使う際はふだんから低温やけどに注意が必要ではありますが、災害時はやけどの薬が手に入りづらいことから、いつも以上に低温やけどに気をつけましょう。
カイロを直接肌に当てず、寝るときにカイロを使うのは極力避けてください。
平常時も災害時も便利なカイロを使いこなそう
カイロの有効期限は製造から数年~5年で設定されていることが多く、気がつかないうちに期限が切れてしまっていることも…。
期限切れのカイロはたとえ一旦温かくなってもすぐに冷えてしまいますし、そもそも各メーカーでは使用をひかえるよう表示しています。
防災グッズにもなるアイテムですから、どこに何個あるのか、家族全員分が足りているか、日頃からチェックしておきましょう。
たとえ使わなかった年でも冬の終わりに有効期限を確認して、次のシーズンに持ち越す場合はできるだけ密閉可能な容器に入れて保管するのがおすすめです。
■執筆/植松愛実さん
気象予報士と出張料理人の両面で活動中。気象・防災に関するヒントのほか、野菜ソムリエ・食育インストラクターとしておいしい食材のおいしい食べ方を発信中。インスタグラムは@megumi_kitchen_and_atelier。
編集/サンキュ!編集部