春にも"梅雨"がある!おいしそうな名前の梅雨をすごすためのポイントを気象予報士が解説
2024/04/06
梅雨といえば毎年6月ごろから7月ごろにかけての長雨の季節ですが、じつは春にも"梅雨"という言葉を使うことがあります。
しかも、なんだかおいしそうな名前の"梅雨"なんですが…、本来の梅雨とは異なる注意点も。
今回は、野菜ソムリエ・気象予報士・防災士の資格を持つ植松愛実さんが、春の"梅雨"を快適にすごすためのポイントを解説します。
菜の花とタケノコ
菜の花とタケノコといえば、日本の伝統的な食材で、春から初夏にかけて楽しめる旬の味覚ですよね。
じつは、その葉の花とタケノコの名前を冠した"梅雨"があります。
その名も「菜種梅雨」と「タケノコ梅雨」です。
「菜種梅雨」は3月の半ばから4月のはじめごろにかけて雨の日が続く現象のこと。
そして、「タケノコ梅雨」は5月ごろの天気に使われる言葉です。
体調をくずしやすい!「菜種梅雨」
「菜種梅雨(なたねづゆ)」は3月半ばから4月にかけて、ちょうど菜の花が咲く時期に、一時的に雨や曇りの日が続く現象です。
6月ごろにやってくる本来の梅雨と比べると期間は短く、1週間程度で終わることがほとんど。
ただ、注意したいのは寒暖差です。
3月から4月ごろはもともと気温のアップダウンが大きい時期ではありますが、「菜種梅雨」の雨雲が少し南にずれたり北にずれたりすることで、1日に10℃くらい気温が変わるような、大きな寒暖差を生むことがよくあります。
もともと雨や曇りの日に頭痛や関節痛などが生じる人は多いと思いますが、そこに寒暖差が加わることでさらに体調をくずしやすくなります。
できるだけこまめに天気予報を確認して、気温や天気が大きく変わるようなタイミングは、無理をしないように気をつけましょう。
天気急変に注意!「タケノコ梅雨」
「タケノコ梅雨」はもともと、東海地方の一部で漁師さんが使っていた言葉だと言われています。
もともとは、5月ごろに吹く南東の湿った風を表す言葉でしたが、湿った風はたいてい雨を降らせるため、この時期に南東風によって降る雨のことも「タケノコ梅雨」と呼ぶようになったようです。
「タケノコ梅雨」の時期は、天気の急変に要注意。
春から初夏に移り変わるこの時期は、南の海から暖かく湿った風が吹きやすくなり、暖かく湿った風というのは積乱雲を発達させることが多いため、急に強い雨が降り出したり、雷を伴ったりするおそれがあるからです。
外でのレジャーが本格化するシーズンでもあり、野外では空模様の変化に気をつけながら活動する必要があります。
春ならではの"梅雨"の特徴を知って快適にすごそう
春は本来、暖かくなって花が咲き、おいしいものが旬を迎えてすごしやすい季節のはずですが、「菜種梅雨」や「タケノコ梅雨」のように一時的に雨や曇りが続くことがあります。
6~7月の梅雨と比べて大規模な災害につながることが少ない反面、この記事で書いてきたように体調やレジャーなど身近なところに影響が出やすいという特徴も。
春の"梅雨"をよく知っておくことであらかじめ対策をして、できるだけ快適に春をすごしたいですね。
■執筆/植松愛実…身近な食材でできる時短作り置き料理やパーティー料理、簡単に彩りを増やせる料理のコツや、いざという時に備える災害食まで、「食」に関する情報を発信。また、東北や東海、関西にも住んだ経験から、各地の伝統的な食材にも詳しい。野菜ソムリエ、食育インストラクター、気象予報士など保有資格多数。
編集/サンキュ!編集部
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