「エキストラ」って聞いたことありますか。映画やドラマに映り込んでいる通行人や観客…。あれ、じつは誰でも挑戦することができるんです。
交通費だけで「非日常」が体験できるなんて、お得な趣味ですよね。そこで今回は、エキストラ歴10年以上の節約主婦ライターおこめが、知られざる「エキストラ」の世界について紹介します。

1.意外と身近!エキストラは誰でも応募できる
業界では「生きた小道具」とも呼ばれているエキストラ。セリフこそありませんが、芸能事務所に所属していない一般人でも参加できます。
映画やドラマの撮影現場…と聞くと未知の世界ですが、意外や意外。じつは広く募集されているのです。
これからエキストラを始めたい人は、まず「エキストラ 地域名」と検索してみてください。首都圏近郊だけでなく、全国各地、いろいろな場所で募集されていることがわかるでしょう。
エキストラを募集しているのは、
・映画・ドラマ・CMなどの制作会社
・自治体や観光協会を中心に設立されたフィルムコミッション
・エキストラ事務所や派遣会社
・アルバイト募集の求人サイト
などです。
筆者は複数の「エキストラバンク」や「地元のロケーションオフィス」に登録しています。一度登録すると、募集の案内がメールで届きます。その中から気になった案件に応募し、採用されたら参加するといった流れです。
2.当日の流れはこんな感じ!エキストラ体験記
当日の流れ
(1)指定された場所へ集合
交通費は自腹であることがほとんどです。作品の詳細情報、メインキャスト、その日撮影するシーンについて教えてもらいます。
(2)衣装の確認、準備
割り当てられた役によって、自分で用意したり、制作側から貸し出されたりとさまざまです。時代劇の場合は、プロのヘアメイクさんにカツラをセットしてもらい、衣装さんに着付けもしてもらいます。現代劇でも、警察官や看護師など制服が必要な役は、衣装が貸し出されます。
(3)撮影現場へ
準備ができたら撮影現場へ移動します。控え室が用意されていることがほとんどなので、スマホ等の持ち物は置いておきます。情報漏洩は厳禁!
(4)撮影が終わったら私服に着替え、解散
作品の放送日時や公開日を教えてもらいます。記念品がもらえることも。
お芝居の経験がなくても大丈夫!
現場では助監督さんを中心に、歩く動線や、動き方や表情の指示をしてくださるので、「どう振る舞えばいいかわからない」と心配することはないでしょう。
エキストラにセリフはありません。キャストのお芝居をじゃませず、背景に溶け込むことが求められます。
印象に残っている現場
筆者にとって特に印象に残っているのが、とある時代劇の現場。なんと、学生の頃からファンクラブに加入し、何度もライブに足を運んでいた人気男性アイドルグループのメンバーの主演作だったのです。
半径2mほどの距離を普通に歩いていたり、渾身のお芝居を間近で見られたりして感動しました。エキストラに参加すると、こんな嬉しいサプライズに遭遇できることも。
※キャストに話しかけたり、握手やサインを求めたりすることは禁止されています。
3.報酬や特典は?お得ポイントをチェック
エキストラには報酬が出る場合とボランティアの場合がありますが、どこにも所属していない一般のかたが参加できるのはボランティアが中心です。
それでも「楽しかった!」「また行きたい」と思えるのは、ふだん味わえない「非日常」が体験できるから。たとえば、ふだんと違う職業の扮装をしたり、江戸時代や昭和にタイムスリップしたような気分が味わえたり。「映像作品ってこうやって作られるんだ」と感動するはずです。
撮影が長時間に及ぶとお弁当が支給されます。時には役者さんから差し入れをいただけることも。
終了後には、報酬の代わりに作品名や制作会社のロゴ入り記念品がもらえます。非売品ならではの特別感があり、見返すたびに撮影時の思い出がよみがえります。
4.これだけは気をつけて!エキストラ参加のデメリット
時間の融通が効かない人には不向き
エキストラは数日前〜前日まで当落がわからなかったり、終了時間が変わったりすることも多々。時間に余裕のないかたには向きません。
参加しても、必ず映るとは限らない
エキストラはあくまで「背景」。完成作品を見ても、自分の姿を確認できないこともあります。筆者もこれまでたくさんの現場に参加しましたが、運よく映っても「一瞬」ということがほとんどです。
目当ての役者さんに会えるとは限らない
募集時にキャスト情報が詳細に出されることはなく、誰がいるかは当日まで不明。現場入りしてからのお楽しみです。
以上のことから、「どうしても映りたい!」「絶対○○さんに会いたい!」というよりも、「現場の雰囲気や作品づくりを楽しみたい」というスタンスのかたに向いています。
節約主婦の“得する趣味”としておすすめ!
エキストラはお金をかけずに特別な体験ができる、とっておきの趣味です。いつもテレビで見ている役者さんを間近で見られたり、まだ見ぬ自分に変身できたり…。誰でも参加できるので、気になったかたは、まず「検索」してみてくださいね。
■執筆/おこめ
夫婦で協力して節約×投資に励み、総資産4,000万円を達成。元小学校教諭で男の子2人の母。週5でパート勤務をしながら「自炊は最強の副業」をモットーに日々自炊に勤しむ。インスタグラムは@ocome_money_life
編集/サンキュ!編集部