ほうっておくとヤバイ!実家の片づけ「緊急座談会」

2018/09/07

最近、テレビなどでも特集が組まれ、耳にすることが増えた、実家の片づけ問題。「家に物が多すぎる」「親が物を捨てない」と、リアルに悩む『サンキュ!』読者3人がその実情を吐露。彼女たちの話から見えてきた問題点と、その解決策を片づけのプロ・安東英子先生に教えてもらいました。

●座談会参加者
・臼井愛美さん(サンキュ!トップブロガー)
14歳、12歳、8歳の子の母。両親は近くに住んでいますが、物を捨てられない母とは、片づけをめぐってけんかが多発!

・川村綾子さん(サンキュ!読者)
2歳の子の母。母は実家に一人暮らし。昔から整理整頓や賞味期限に無頓着な母で、亡き父の持ち物も手つかずのまま。

・zumyさん(サンキュ!トップブロガー)
6歳、4歳の子の母。実母と同居中で、共有スペースはzumyさんがきれいに保っているものの、母の部屋は開かずの間に。

みんなの「実家」は大丈夫?

『サンキュ!』で、206人の読者を対象にアンケートを行ったところ、7割以上の人が「実家に物があふれていると感じる」という回答に!

※(Q「. 実家に物があふれていると感じるか?」18年5月実施サンキュ!モニターアンケートn=206人より)

「実家の実態」は?

安東先生(以下、先生) :皆さん、実家のどんなことに困ってますか。

川村さん(以下、敬称略): 母が典型的な物を捨てられない人で、先日キッチンで90年代の調味料を見つけました。たまに、子どもが実家でごはんを食べるときは、おなかを壊さないか心配になります。

臼井さん(以下、敬称略):私の母もそのタイプで、冷凍室の中に3年前のアイスが……。冷凍室だと腐らないから安心してるんです。

zumyさん(以下、敬称略):うちは母の部屋が物であふれていて、足を踏み入れられない領域に。亡くなった父の百科事典とか、絶対に読まない本が大量にあります。

臼井:親って、「いつか使うかもしれない」って言いませんか。お菓子の空き箱や紙袋も山積みにしていて、一体いつ使うんだろう。

川村:私の実家も、亡くなった父が使っていた薬が、部屋の至る所に置いてあります。使用期限は10年以上も前に切れていて、なぜ捨てないのって思います(苦笑)。

先生:皆さん、悩みが深いですね。親世代が物を捨てられない理由の1つは、年とともに、捨てる捨てないの判断力が衰えていくからです。また、年を取ると体の自由もきかなくなるため、片づけへの意欲が低下して部屋が散らかりがちに。
でも、家に物があふれているとつまずいたり、落下物でケガすることもあります。物を捨てる、片づけることは、親に健康で長生きしてもらうためでもあるのです。

臼井:私が代わりに片づけようと思ってもけんかになってしまうんですよね。今年のお正月も「お重がない。捨てたでしょ!」と身に覚えのないことで怒られました。

先生:親自身は物が多くても困ってないので、よけいなお世話と思いがち。年を取るほど物への執着は強くなり、自分の所有物に口出しされるのを嫌がるものです。

親が片づけに拒否反応を示す

先生:親の家を片づけるには、上手な声がけで提案することが重要です。「片づけよう」と言うと、親は「捨てられる」と警戒心を持つので、「掃除しよう」「きれいにしよう」と声をかけるのがおすすめ。

片づけは嫌でも、掃除をしてもらうのは喜ぶ親が多いんですよ。まずは家の中の1カ所、簡単な所から始めてみてください。最初は反発があっても、きれいになったのを見たら気持ちが変わり、「あそこもやってみようかしら」と片づけスイッチが入ることも。

zumy:うちは、母の古い洋服が、子ども部屋を侵食しているんですが、それらは亡くなった祖母から受け継いだものだそう。絶対に着ないけれど、絶対に捨てられないそうです。だから片づけようと強く言う気にはなれなくて……。

先生:服に対する思いというのは人それぞれで、思い出の写真みたいに、その服を見ることで当時を懐かしむ場合も。だから着ないからといっても、簡単には捨てられないんです。

臼井:なるほど。母が、私が子どものころのおもちゃをいまだに大量に保管しているのも、子育ての思い出が詰まっているからなのかな。今、母の気持ちが少しわかりました。

先生:私が日ごろから「親が元気なうちに片づけをすべき」という理由は、一見不要に見えるものが、親の人生を語ってくれるから。ガラクタに見えるものでも、親にとっては思い出が詰まっていて、物を通じて、それまで知らなかった親の人生を知ることができるんです。だから、やみくもに「捨てよう」と言うのではなく、思い出を掘り起こしながら一緒に片づけていく。実家の片づけではそれが大事だと思います。

そして、片づけに取りかかるなら1日でも早く、親が少しでも元気なうちからやること。見ないふりをして後回しにするほど、大変な事態になっていきます。

座談会の結論

親の体が動くうちに、1日も早く片づけを!まずは1カ所だけでOK。「片づけ」ではなく「掃除」と言えば親とモメません。

実家に物があふれていると、けがや病気を引き起こす原因にもなりかねません。不用品を放っておかず、少しずつ整理していきましょう。

●教えてくれた人
安東英子先生(空間プロデューサー)
私生活では5人の母。5000軒もの家の片づけの悩みを解決し、メディアなどにもひっぱりだこ。『親の家の片づけ』など著書多数。

参照:『サンキュ!』9月号「ほうっておくとヤバイ!『実家の片づけ』」より。掲載している情報は18年7月現在のものです。撮影/片岡祥 イラスト/ Miltata 取材・文/妹尾香雪 編集/サンキュ!編集部

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