【連載】熟れすぎMANGO VOL.110

2017/09/26

「「夫婦」を楽しむちはるのスーパーポジティブY談」をお届けします。

少子化だとか…。

 うちのカフェレストランの店長が最近まいっている。原因は、もうすぐ1歳になる愛娘の保育園問題。奥さんの育休が終わり、仕事に復帰することになったからだ。かなり前から申し込んではいたようだが、都内の保育園は相変わらずの満杯状態。通いたいところはどれもこれも断られ、結果、無認可保育園に入れることに。でも、その月謝を知って驚いてしまった。な、なんと、9万円!割高だとは聞いていたけど、うちの安月給で日々頑張っている、新米父ちゃんに9万円は酷でしょ。30代前半の奥さんは、赤ちゃんを産むまでは有名美容メーカーの花形としてバリバリ働いていた。しかし、育休明けで戻っても短めのフレックスタイムでしか働けないのが現状。親御さんも田舎に住んでいるので預けられず、その高い保育料を払うしかないそうだ。そりゃあ、母ちゃんのグチも増えるよな。父ちゃんまいるわ…。

 思い返せば21年前、私も保育園探しに走り回っていた。区をまたぎ、7つの保育園に申し込み書を出してもなかなか入れず、仕事の度にベビーシッター代もかさみキツかった。10カ月ほど待って、近所の保育園から空きが出たと連絡があった時には、まるで宝くじが当たったぐらい狂喜したものだ。少子化が深刻!なんて言い続けながらも20年以上、全く改善されていないなんて…。高い税金とって、オリンピックだなんだって未来に役立たない無駄使いして、そんなお金があるなら共働きで頑張ってる若い父ちゃんと母ちゃんのために今すぐ安く通える保育園作ってくれぃ~い!!

 とまぁ、私が叫んだところで保育料が安くなる訳でもなく…。暇な時はバアちゃん気分で赤ちゃん預かったり、店長の給料を少しでも上げていけるよう考えねば。親身になって目の前の問題を一緒に乗り越えてくれる大人が、自分にとってもありがたかったものだ。

 なーんていろいろ思っていたら、ふと少子高齢化について真剣に考えてみたくなり、早速本を読んで勉強してみた。

 生まれてくる子どもたちより死んでいく人たちのほうが増えている。少子高齢化ってやつは、もうすでに始まっている。2005年、今から10年前についに人口減少がスタートした。日本人のマックス1億3000万人を徐々に下降し始めたのだ。そして10年後、2025年には日本は50歳以上の人間が約半数になると言われている。国民の平均年齢が50歳近い国。江戸時代なら寿命と言われた年齢が日本人の平均だなんて…。
 
 ちなみに江戸時代、幕末の坂本龍馬が大活躍していた頃、日本の人口は3000万人ほど。昭和の終戦時には7199万人程度。そこから70年足らずで倍近くに日本の人口は急増している。

 もしかすると、少子高齢化は、人口が少なくなることが問題なのではなく、増えたからこそ起きてしまった問題はないだろうか?

 あなたは10年後、いくつになりますか?私も含め、かなり中高年になっているかと思われます笑)。でもその頃の平均寿命からすると、きっとまだまだ若い方なはず。少子高齢化という問題にビビる前に、もっと健やかで、役に立つジジババにならなければ。長く生きられる分、知識も人格も体力も高められるはずなのだから。そして、中高年のおじちゃんおばちゃんが必要とされる場所は、これからどんどん増えるはずだ。

 もしかしたら、「少子高齢化」の時代って、意外と生きがいと希望が広がる世の中になるのかもしれない。

 20年以上改善されていない保育園問題など、若い世代の悩みや疑問を共有し、未来のために改善していく。自分たちのためにも、もっと親身になって、前のめりに取り組む姿勢が今こそ大切なのだと、つくづく思う。

文/ちはる

ちはる テレビ、CF、著書の企画、 プロデュースなどで活躍中。2012年、14歳年下の旦那くんと再婚。 目黒でカフェ「チャム・アパートメント」を経営。

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