酢豚風の魚肉ソーセージ!?プロに学んだ簡単・美味な酒の肴

2019/06/11

グルメライターとしても活躍する増田剛己さんは、飲食店を取材するなかで「これは!」という酒のさかなに出会うことも少なくないそうです。そしてときには、そのつくり方を教えてもらうことも。今回はお酒のさかなだけでなく、もう一品おかずにもなるメニューを、紹介してもらいます。

WEBや雑誌などで散歩関係の記事を書いているフリーライター。主な著書に『歩考力』(ナショナル出版)、『思考・...

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小料理屋のお通しとして出てきた「梅キュー」

夏の暑い日に取材した、カウンターだけの小料理屋さん。そこでお通しとして出てきたのが、「梅キュー」でした。なんともさわやかで、初めて食べる味。女将さんにつくり方を聞いてみたら、とても簡単でビックリしました。

まず、キュウリを薄切りにし、塩で揉んでおきます。続いて梅干しの種をとってみじん切りにして、そこへ大葉のみじん切りを加えてよく混ぜる。最後に塩もみしたキュウリを水洗いし、水気を切ったら、梅干しと大葉のみじん切りと混ぜます。これを皿に盛り、すり胡麻をかけたらできあがり。

レシピはとても簡単なのですが、味わいはちょっと複雑で、後を引くおいしさです。女将さんに料理名を聞いたのですが、とくにないとのことで、勝手に「梅キュー」とさせていただきました。

バーで教えてもらった「ギョニソの油揚げ巻き」

路地裏にある、カウンターだけのバーで教えてもらったメニューです。ほかのお客さんが注文した「魚肉ソーセージをパンで包んでトーストしたもの」を見て、おいしそうだから自分も注文をしたら、「ごめん、パンがなくなっちゃった。油揚げでもいい?」というアクシデント(?)がきっかけで出会いました。

つくり方は簡単で、まずは油揚げをハサミで切って開き、端に魚肉ソーセージを置いたら、スライスチーズと大葉を敷いてクルクル巻いていきます。巻き終えたら等間隔に爪楊枝を刺して油揚げを留めて、そのままトースターで焼くだけ。

焼き具合はお好みですが、爪楊枝が焦げない程度にしましょう。取り出したら輪切りにしてお皿へ。そのまま食べてもいいのですが、お好みでソース、ケチャップ、マスタードなどをつけていただきます。

フライパンひとつでできる「魚肉ソーセージの酢豚風」

「ギョニソの油揚げ巻き」を教えてくれたバーのマスターに、魚肉ソーセージを使ったおつまみが他にあるか聞いてみました。「いくらでもあるよ、たとえば酢豚風ってどう?」とマスター。それはおもしろいしおいしそう、ということでつくり方を見せてもらいました。

まずは魚肉ソーセージを斜めに切って、片栗粉をつけておきます。フライパンにサラダ油大さじ1を入れ、魚肉ソーセージを焼いていきます。焼き色が付いたら、細かく切ったタマネギ、ピーマンなどをいっしょに炒めます。酢小さじ1、砂糖小さじ1、醤油小さじ1、ケチャップ大さじ1を入れて強火にかけます。水気が飛んだらできあがり。

いただいてみると、たしかに酢豚風。お酒にも合うけど、ご飯のおかずにもいいですね。

料理自慢の居酒屋で教えてもらった「厚揚げのラタトゥイユ風」

カウンターの上に大皿がいくつも置かれている居酒屋。そのお店に日替わりで並ぶお惣菜のひとつが、この「厚揚げのラタトゥイユ風」でした。あまりにもおいしかったので、つくり方を聞けばとても簡単。

用意するものは、厚揚げ1枚、ニンニクひとかけ、唐辛子1本、オリーブオイル大さじ1、トマト缶1/2、固形コンソメ1個、水100cc。これで2~3人前になります。

まずは、フライパンにオリーブオイルを入れ、みじん切りにしたニンニク、唐辛子を入れて中火にかけます。ニンニクがきつね色になったら、トマトのカット缶と水を入れて、沸騰させます。切った厚揚げ、固形コンソメを入れてひと煮たちさせたらできあがり。

塩コショウなどで味をととのえたら、お皿に盛って、パセリを添えます。乾燥パセリをふりかけてもよし。厚揚げというと和風な味付けになりがちですが、こうして洋風のメニュもおいしくいただけます。

電子レンジだけでつくる「厚揚げと茄子の味噌炒め」

とある小料理屋の女将さんが「冷蔵庫の中にある余りものでちょっと1品つくる場合は、電子レンジが便利よ」と、言いながらつくってくれたお料理が「厚揚げと茄子の味噌炒め」。”炒め”とありますが、フライパンは使わずに調理は電子レンジだけのメニューです。

まずは茄子をひと口大に切って、軽くサラダオイル小さじ1と混ぜ合わせ、耐熱容器に入れてレンジでチン。あたためでいいそうです。その間に切った厚揚げ、白みそ大さじ1、料理酒小さじ1、みりん小さじ1を器に入れておきます。レンチンした茄子を取り出し、厚揚げを耐熱容器に入れて、再びレンジでチン。その間に大葉をくるりとまるめて千切りにしておきます。

茄子がしんなりしていたらOK。全体を混ぜて味噌となじませたら、千切りにした大葉をかけてできあがりです。レンチンした器でそのまま出せば洗い物も増えませんよ。


※電子レンジで液体を加熱するとき、沸点に達していても、沸騰しないことがごくまれにあります。この状態の液体が、ちょっとした刺激で急激に沸騰を起こし、液体が激しく飛び散ることがあります。(=突沸現象)。やけどの原因になりますので、ご注意ください。

自分なりのレシピに仕上げるのも楽しい!

今回は、魚肉ソーセージや厚揚げといった冷蔵庫や食品棚にストックされていることが多い食材を使ったものを中心に紹介してみました。どのメニューも評判がよく、つくりやすいものばかりです。

あるプロの料理人の方によれば、「材料はレシピ通りにそろえなくてもあるものを使えばいいですし、調味料も味見をしながら自分なりのレシピに仕上げてください」とのこと。つくっていくうちに、自分なりの発見がうまれるかもしれませんね。


監修・文/増田剛己
WEBや雑誌などで散歩関係の記事を書いているフリーライター。主な著書に『歩考力』(ナショナル出版)、『思考・発想にパソコンを使うな』(幻冬舎新書)などがある。

 
 

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