弱火が正解!?シャキシャキ「野菜炒め」をつくる意外な方法
2019/04/19
同じメニューなのに、家とお店では味が全然違う……ということは日常的にあること。しかしその味の違い、じつはちょっとした“ひと工夫”で埋まるかもしれません。
グルメライターとしても活躍する増田剛己さんに、プロの料理人への取材を通じて得た、店の味に近づける“ひと工夫”を紹介してもらいます。今回のテーマは「野菜炒め」!
「野菜炒め」は弱火で長時間かけてつくる!?
冷蔵庫の中にあるもので簡単につくれるメニューの代表といえば「野菜炒め」。しかし、家庭でつくると、おいしくできるときとそうでもないときってありませんか?
よくある失敗例としては水っぽくなってしまったり、野菜がクタッとしてしまったりなど。そんな話を町中華の巨匠にすると「確実で簡単においしくできるコツがあるよ」とおっしゃるではありませんか。
さらに、そのコツというのが意外すぎる内容だったのです。
「店では大火力で短時間だけど、家庭は弱火で長時間調理すれば大丈夫」。
え!?「野菜炒め」といえば、強い火力で中華鍋を振り、いっきに仕上げるイメージですが、巨匠が明かしたコツは真逆のもの。「長時間といっても10分かな」という、その方法を伝授してもらいました。
コツ1:調理器具はテフロン加工のフライパンと返しでOK
町中華では、中華鍋を使いますが、家庭ではテフロン加工のフライパンとフライ返しでOK。フライ返しは金属ではなく、テフロン加工のフライパン用のものを使いましょう。これさえあれば、鍋をあおる必要はありません。
コツ2:野菜はいつもより小さめに切る
材料は冷蔵庫に入っているもので大丈夫ですが、いつもより小さめに切るほうがいいでしょう。今回の分量は以下の通りです。
<野菜炒め(1人分)の材料>
・豚こま切れ肉 70g
・キャベツ 1/4個
・玉ねぎ 1/4個
・もやし 1/2袋
・人参 1/4本
・ピーマン 1個
まず、豚肉は5cm角ぐらいに切り、キャベツは5cm角ぐらいに手でちぎります。人参は縦3cm、横1cmの短冊切り、玉ねぎはくし切り、ピーマンは乱切りにしましょう。
コツ3:最初に中火で豚肉を炒めて、人参を投入
サラダ油大さじ1ほどをフライパンに入れて、まず豚肉を中火で炒めます。火が通ったらさらに人参を入れ、1分ほど炒めたら弱火にします。
コツ4:すべての野菜を入れて、弱火で炒める
野菜を入れたら、まずはそのままさわらないでください。弱火で2~3分ほどでフライ返しを使って、天地を入れ替えます。さらに弱火で2~3分ほどさわらずにそのままです。再びフライ返しで天地を入れ替えて、さらに弱火で2~3分炒めます。
コツ5:味つけは最後に!
合計9~10分ほど弱火で炒めたら、最後に味つけをします。味つけはお好みでかまいません。今回は以下の通りにしました。
・オイスターソース 大さじ1
・中華うま味調味料 小さじ1/2
・塩コショウ 少々
調味料を入れたら強火にして、全体を混ぜ30秒ほどで火を止めます。味見をしてOKならできあがりです。
まとめ:3つのポイントを押さえてシャキシャキ「野菜炒め」!
大切なポイントは3つ。弱火でゆっくり野菜に火を入れていくこと。2~3分はさわらない。味つけは最後にすること。
この3点で野菜炒めが水っぽくなるのを防げて、失敗することなくシャキシャキの食感の「野菜炒め」ができますよ。味つけなどは自分なりに工夫してみてください。また、冷蔵庫のあまりものでいいので、豚肉のかわりにハムやベーコンなどでもOKですし、野菜以外にもきのこ類などを入れてもいいですね。
監修・文/増田剛己
WEBや雑誌などで散歩関係の記事を書いているフリーライター。主な著書に『思考・発想にパソコンを使うな』(幻冬舎新書)、『歩考力』(ナショナル出版)/下関マグロ名義などがある。