些細な言動が夫婦仲を引き裂く!?専門家が聞いた驚きの不仲・離婚原因実例3
2019/10/05
「恋人・夫婦仲相談所」の所長として、数多くの夫婦にアドバイスを行っている三松真由美さん。しかし、ときには専門家でも思わず「え!?」と驚いてしまうような離婚・不仲の相談もあるんだとか。今回は、その一例を紹介してもらいました。
「え!?」という離婚・不仲の原因とは
リクルートブライダル総研が2016年に行った「離婚に関する調査」(※1)によれば、既婚者で離婚を考えたことがある割合は47.8%。また、「いい夫婦の日」アンケート(※2)で実際に離婚危機があった夫婦は29.7%という結果が出ています。
なかなか高い数値ではありませんか。結婚式で一生の愛を誓っても、別れてしまいたくなるかもしれない……人生は予測不能です。
では、“離婚”の2文字が脳裏に浮かぶのはどんなときなのでしょうか?借金、浮気、モラハラ、暴力など「この人と一緒に幸せにはなれない」という深刻な問題を抱えている場合は常に浮かんでいることでしょう。一方、前述のような決定打はないものの「顔を見たくない」「同じ空気を吸いたくない」と感じることは、どんな夫婦でも1度や2度はあるはず。しかも、その理由はときとして「えっ、そんなことで離婚したくなるの?」と驚かされるものもあったりします。
今回は筆者が夫婦仲相談所で聞いた「え!?」という離婚・不仲の原因3つをご紹介しましょう。
ケース1:「でも…」が口癖の夫に愛情はゼロ
ある相談者(30代主婦)の夫は、自分のあやまちや欠点を指摘されると「でも…」と必ず言い訳を始めるのが癖でした。
「歯磨き粉は、使ったらここの棚にしまって」
「“でも”、出しておいたほうがすぐ使えて朝の時短になるだろ」
「部屋にいないんならエアコン消してよ、電気代すごいんだから」
「“でも”、部屋に戻ったとき快適だから。明日への活力になるんだ」
「今夜は食事の用意、あなたの担当だったじゃない」
「“でも”、レトルトカレーが食べたくなったから」
毎日が「でも」の連発で、100万回は聞かされたと憤る妻。いい加減「うざい」とキレた彼女は、夫を家に置いてひと月実家に帰ったそうです。すると、「でも」のストレスから開放されて気分晴れやかに。しかし「“でも夫”のこと、まったく好きではありません」だそうです。
ケース2:亡くなった愛犬に対する許せないひと言で離婚
愛犬を病気で亡くした30代の主婦。パートの仕事を1週間休み、家事も手につかないくらい落ち込んでしまったそうです。
その様子を見た夫から出たのが「ほかのペット飼えばいいじゃないか」という発言。しかも、笑いながら明るい声で言ったそうです。「脳天気なアホ夫!いなくなってまだ2週間も経ってないのに!」と、愛犬のことを壊れたおもちゃみたいに扱った夫に怒りを隠さない彼女。
夫の人間性を疑い、その日から夫を無視するようになったそうです。その結果、夫のほうから離婚の話が出ているんだとか。
ケース3:ドケチ夫の「ポイ活」指南にブチ切れ
「旦那をひと言で言うと、ドケチ。付き合ってる頃は節約上手で結婚向き、と思ってましたが、ここまでどケチとは…。結婚生活続けるのしんどいです」と話すのは20代の主婦。
彼女の口から明かされた夫のドケチぶりは、なかなか衝撃的です。
「スーパーは割引になってから買い物に行けというので、いつも21時前に行きます。冬なんてすごく寒いのに。ドライヤーを使ってたら、熱を出す家電は3分以内にしろと睨むんです。焦げ付いた鍋を買い替えたいと言ったら、金たわしで擦りまくって、もう1年使えと言われました」
とにかく細かすぎるドケチぶりに日々イライラしていた彼女がついにキレたのは、主婦のあいだで人気の「ポイ活」でした。
「ポイント10倍の日にお米を買わなかったことをグチグチ言われたんです」
その瞬間「あんたがもっと稼いだらええやん!」とブチ切れました。
「離婚」の2文字が浮かんだら、どうする?
以上の3例、みなさんはどう感じましたか?「え、そんなことで」と驚く人もいれば、「わかるわかる!」と共感する人もいるでしょう。いずれにしても、イライラが溜まっている妻の方々に「広い心で受け流そう」などありきたりのアドバイスは通用しません。
人によってキレどころも、我慢の限界も違います。その都度、反論してスッキリする妻もいれば、反論しても改善しないからとあきらめる妻もいる。言い訳夫を「子どもみたいでかわいい」と思える妻もいます。同じドケチ夫を持つ妻でも「私が浪費してしまう性格だから、ちょうどいい」と言う妻もいます。
よって筆者は、夫婦仲相談所に相談をされる方にとっての“キレどこ”に「そんなことで離婚したい?」と驚かないように務めています。その方にとっては人生を左右するほどイライラすることなのです。
もし離婚の2文字が頭をよぎったら、まず「この人を人生の伴侶に選んだ私」を反省するという謙虚な視点を持ちましょう。また夫婦は一緒に過ごす時間が長いので、行動が似てくるとも言われています。ということは、妻側もでも妻やドケチ妻に変貌している可能性がある。
夫のことを離婚したいくらいイヤだと感じたときは、まずおのれが“○○妻”になってきていないか、見直すことも必要かもしれません。
◆監修・執筆/三松 真由美
会員数1万3,000名を超えるコミュニティサイト「恋人・夫婦仲相談所」所長として、テレビ、ラジオ、新聞、Webなど多数のメディアに出演、執筆。夫婦仲の改善方法や、セックスレス問題などに関する情報を発信している。『堂々再婚』『モンスターワイフ』など著書多数。