夫婦関係の専門家イチオシ!セックスレス夫婦は必読のマンガ3選
2019/11/26
「恋人・夫婦仲相談所」の所長である三松真由美さんは、セックスレス改善において大切なのは、まず性に対する「スイッチ」を入れることが重要と話します。そのきっかけについては「官能小説でも、映画でも、マンガでもなんでもいい」のだそう。
そこで今回は、マンガ原作も手がけている三松さんに、「セックスレス(をなんとかしなくちゃと思ってる)妻、夫婦に読んでほしいマンガ」というテーマで、3作品を紹介してもらいました。
マンガを読んで「私たちの寝室事情」をじっくり考えてみよう
筆者はセックスレス相談を受ける際、「このままでは寂しいんだけど」と感じていらっしゃる妻の皆さんに対して、取ってはいけない行動として次の3つを挙げています。
【1】ひたすら待つ
【2】あきらめる
【3】夫にイライラをぶつける
待ったり、あきらめたり、怒りで関係を悪くするより、前向きアクションを検討するほうが建設的だからです。まず自分の“性のベクトル”を光の方向に向ける。これは「エッチなことをずっと考えなさい」という意味ではありません。夫婦間の夜の営みをおろそかにしたくないと思うなら、まず何をするの?という問いです。自分自身の意識が変われば夫もそれに気がつきます。
たとえば、コミックを読んで「私たちの寝室事情」をじっくり考えてみることも有効な手のひとつ。最近はスマホでも気軽に読めるし、マンガ喫茶は最強の品ぞろえです。
そこで今回は、セックスレスに悩む妻、夫婦に読んでほしい専門家おすすめマンガ3選をお届けします。
おすすめマンガ1:『今日も拒まれてます~セックスレス・ハラスメント 嫁日記~』ポレポレ美 (著)
作者のポレポレ美さんとはかつて、テレビ番組のセックスレス特集でごいっしょしたことがあるのですが、そのひたむきなレス改善姿勢に、思わずウルルときてしまいました。
作品には、ポレポレ美さんの寂しさが地下水のようにヒタヒタと静かに流れています。
私が20年前から提案している「寝室のエンタメ化」も実行しておられます。セックスチケットの発行――たとえば“スタンダードコース”、“部活のマネージャーコース”など思わず笑えるチケットを「してくれない夫」に手渡す主人公。夫は財布にチケットを入れたものの……悲しい展開に。
精力料理をふるまうも自己処理されてしまったり。陽気で明るいタッチなのに、こんなにも寂しい。リアルな主人公の思いに感情移入してしまうことでしょう。
おすすめマンガ2:『エロスの種子』もんでんあきこ(著)
深く性の真髄を追求している文学的な作品で、読めば独特な世界に引き込まれ、現実を離れてしまいます。性の世界は理屈では押し通せないもの。ふとしたことで理性が吹き飛んでしまうことを、本作では明確化しています。
私は「したくない妻」のかたがたに自分の脳のセクシースイッチを探してみてと促しますが、この作品は、まさに女性のセクシースイッチをまさぐり出してくれる内容なのです。浮気は絶対ダメよ!というまっとうな人でも、読めば本作の背徳感にはしびれるかもしれません。価値観が違う性の世界に踏み込んでしまい、戸惑うことがあるかもしれません。
自立した女性が増えている現代の夫婦関係とは視点が違い、「強い男性がはかない女性を抱く」という構図も特徴のひとつ。昭和の香りとエロスが混じり合う日本映画のようでもあります。
一糸まとわぬ女性の描写、セクシースイッチがオンになっている女性の表情が素晴らしい。この作品を読んで性の世界に入り込むことができれば、セクシースイッチの切り替えが簡単にできるようになることでしょう。“夫とはしたくない”妻のかたには最高におすすめの作品です。
私の持論「寝室事情は女性が受け身のほうが燃える男性が多い(じつは強い女性が企んでの振る舞いだが)」がそのまま描かれていてうれしかったです。
おすすすめマンガ3:『夫婦の体温』幸田育子(著)
本作は、まさに夫婦仲相談所に来られる「夫に拒否される」妻のかたがたの言い分をそのまま描いています。以下、劇中のシーンを少し引用します。
夫婦の寝室にて。
「わたしたち 最近ご無沙汰なのよ」
「やめろよ そんな気分じゃないんだ」
そして
「どけ 重い」
……なんともひどいシーンですが、まったく同じ光景を、何人もの相談者さんから聞いています。むしろ現実はもっと厳しく「背中に手を置いたら、バシっとふりほどかれた」や「そんなしたいなら外でして来い」「いい年して色ボケはやめろ」と言われたなどなど。
そんな言葉を突きつけられた妻の心中は「もう二度と誘うもんか」です。そして悔し涙がこぼれます。
『夫婦の体温』では「ほかの男の前ではきれいにするんだな」的な妻を蔑むシーンもあります。私はリアルな相談現場でその会話を全部聞いていますので、こまかな描写に胸が痛みます。短編集なのでたくさんの夫婦のケースを参考にできます。
◇◇◇◇
冒頭でも挙げたとおり、レス改善したいなら「ひたすら待つ」「あきらめる」「夫にイライラをぶつける」の行動は封印してください。そんなことするヒマがあったら、自分の脳のセクシースイッチを入れることが先決。そのきっかけは、マンガでもいいのです。ぜひ今回紹介した3作品を手にとって、スイッチを入れてください。そうすれば、これからの夫婦関係はきっと変わります。
◆監修・執筆/三松 真由美
会員数1万3,000名を超えるコミュニティサイト「恋人・夫婦仲相談所」所長として、テレビ、ラジオ、新聞、Webなど多数のメディアに出演、執筆。夫婦仲の改善方法や、セックスレス問題などに関する情報を発信している。『堂々再婚』『モンスターワイフ』など著書多数。