「コロナ離婚」が騒がれる今、ずっと家にいる夫と快適につきあう方法とは?
2020/04/14
新型コロナウィルスの感染拡大を防止すべく発令された緊急事態宣言。これに伴って、多くの企業が在宅ワークへ切り替えとなりました。つまり、夫たちが平日も休日もずっと家にいる。ほとんどの夫婦にとってこれは、かなりイレギュラーな状態です。いつもと違う日常に、夫婦関係にも緊急事態が訪れている人は少なくないのではないでしょうか。
そこで今回は、「恋人・夫婦仲相談所」の所長である三松真由美さんに、「ずっと家にいる夫と快適につきあう方法」を解説してもらいました。
ずっと家にいる夫、妻は何にイライラしているのか?
在宅で仕事をするひとが急増した昨今。「自粛疲れ」と並行して「在宅夫疲れ」をしている妻たちのイラだつ声が聞こえ始めました。「危機に立ち向かうことで愛を深める」のが理想の夫婦像のはずなのに、逆に「ざけんなよっ!」と舌打ちして、溝を深める夫婦になってしまっているのです。
では、具体的にどんなイライラ事例があるのか?まず、サ●キュ!編集部WEBチームの在宅ママ社員に協力いただき、「在宅夫」への不満をヒアリングしてみました。どれもじつに興味深い内容だったので、少し長めに事例を紹介させていただきます。
事例1:お昼ごはんでいざこざが増えた
ランチタイムになると、ほぼ毎回小競り合いが発生します。夫は食事を大事にしたい派で、私は家で仕事しているんだから、調理に労力と時間を使いたくない派(休日の食事はしっかりつくりますよ)。この価値観の違いで、まず小競り合い。そして食後は、どちらが片づけるかで小競り合い。夫が片づけることになった場合は、洗い方が雑すぎてそこでも小競り合い。ランチから始まる小競り合いの連鎖で、午後は仕事になりません……。
事例2:無気力発言を繰り返す夫にイラッ!
在宅のおかげで夫と話す時間が増えたのはよいこと。でも、口から出てくる言葉が「やる気になれない」「疲れたー」とか、こちらがへこむような話題ばかり。あげくの果てに「本当にやりたいことが見つからない」「本当はもっとがんばれるんだ、俺」などの中2病的な発言。グズグズ言ってないで、「もっとがんばれる」んならいまやれ!
事例3:シンプルにおしゃべりでウザイ
私はパソコンに向かって必死で仕事をしているのに、うちの夫はヒマなのか、くだらないことを何度も話しかけてきてイライラする。ほんと、空気よんで。
事例4:WEB会議中の真実にげんなり
WEB会議をしている夫。上半身はちゃんとした服を着ているのに、下はパジャマのズボン。「それでいいのか?」って気になる。しかも、そんなあべこべな格好で室内をウロウロされるから集中できない。
事例5:息が詰まるダイニングテーブル
在宅ワークするテーブルが家になくて、ダイニングテーブルを夫と私、2人で使っています。顔をつきあわせて一日中、ダイニングテーブルに座っている……もう、それだけで疲弊。
事例6:突然ジョギングに目覚めた夫
在宅勤務になった途端、気分転換のためにジョギングを始めた夫。それ自体はいいんだけど、道具も何もそろえずに始めたもんだから、スポーツウェアでなくふつうのニットとかで走りにいっちゃう。ウール洗い、まじめんどくさい。「自分で洗え」と言っても「掃除は僕、洗濯は君」と以前の家事ルールをかたくなに主張されてむかつく。家事は柔軟にやってほしい。
事例7:前向きな姿勢がゼロ
飲食店に勤める夫は仕事が激減。直接収入に影響があるので、最近とくにカリカリしてます。少しでもストレス解消できるようにと、少し高いロールケーキを注文したら「贅沢するな」と雑誌を投げられた。気持ちはわかるけど、子どもの前ではこらえて、安心させてほしい……乗り越えようという前向きな姿勢がまったく見られなくて、いっしょに落ち込んでしまう。
ずっと家にいる夫と快適にすごす方法とは?
働く妻はもちろん、専業主婦も“平日に長時間夫とすごす事態”には慣れていません。それゆえ、何かしらのすれ違いが起きることは避けられないもの。
そこでここからは、各種事例を参考にしたうえで筆者が考える、「ずっと家にいる夫と快適につきあう方法」をご紹介していきます。
この非常時を快適にすごすか否かで、来年以降の夫婦関係がガラリと変わってきます。「コロナ離婚」を避けるためにも、いまこそ夫婦の愛を深めましょう!
方法1:昼ごはんは「手抜き日」と「気合い日」を決めておく
月・水・金は冷凍食品か夕ご飯の残り。火・木は、夫婦交代で20分以内にできる簡単レシピを気合を入れてつくる……というイメージで「わが家のランチルール」を壁に貼り出す。これだけで、お昼ご飯に対する妻と夫の価値観の相違はほぼ解消できるはず。
そして、食事の片づけは当番化(子どもが家にいるなら、子どもも含めて)。明文化されたルールを守りたくなる心理を上手に使いましょう。ストレスが多い在宅仕事、お昼休みくらいは両者とも怒らない工夫を。
方法2:してほしいこと、してほしくないことを明確化
されてイラっとすることがあるならば、「しないで」と伝えればいい。逆にしてほしいこともしかり。単純なことではありますが、だからこそ効果が抜群です。
そして、決めることはなるべくこまかいほうがよりよいでしょう。たとえば、「してほしくないこと」でいえば……
在宅ワーク中の私語
テレビ会議中の邪魔
仕事スペース独り占め
パジャマですごすこと
高価なデリバリーを毎日注文すること
くらいの粒感で伝えておけば、迷うこともないはず。なお、妻から夫に対して一方的に伝えるのはフェアじゃありません。夫にもリストアップしてもらいましょう。たぶん、10個以上は出てきますよ。
方法3:夫の仕事上での立ち位置を理解して称える
在宅ワークでは、リモート会議をはじめ夫の仕事っぷりが垣間見えてしまうことも。大したことをしていないように見えても、決して馬鹿にせぬようにしまよう!会議で発言をしていないからといって「あなた何か提案したら?」と上から目線で言うのはNG!
逆に、むずかしそうな会話をしていたら「あなたってすごいのね!やっぱプロね」と持ち上げてください。このときばかりは、昭和の時代から脈づく「夫を立てる」スピリッツを意識してください。
方法4:おうちバルをオープン
外食や飲み会、イベント自粛でしょげているお酒ラブの夫なら、妻が店長になってダイニングで週に数回、お酒とおつまみを出すおうちバルを開くのはいかがでしょう。手が込んだものを準備する必要はありません。気軽につまめるものが一品あるだけで立派なバルです。「今日は発泡酒1缶のみ提供」と決めるのも店長の自由。照明に赤いセロハンを貼るなどムーディー空間を演出するもよし。「そんなのバカらしい」と思う人もいるでしょう。しかし、「いかにバカらしいことを楽しめるか」ということも、自粛ムードのなかにあっては大切なことであると、筆者は考えています。
こんなときだからこそ、バカらしい、恥ずかしいと思う行動にチャレンジしよう!
子どもさんも在宅で、なかなか2人きりの時間を持つことは厳しい現状。せめて舌打ちせず、快適にすごせる工夫をしなければ、収束したあと夫が家に帰らなくなる(帰宅拒否おひとリーマン)可能性があります。
「ああ、やっと長い在宅期間が終わった」と、一気に夫婦の距離が離れることなきよう、この非常時の工夫を考えてください。時間に追われる日常では試したことがないようなエンタメ行動をあえてしかける。おうちバル、自宅ファミレス、100円マッサージ、100円前髪カット、親子で柚子風呂、キャンドルナイト、夫婦で王様ゲーム、喧嘩したら罰金1万円ルール、ランチ5回つくったら賞品プレゼント、夜中の映画鑑賞会、コミック50巻どっちが速く読み終えるかゲーム……etc。
夫婦の数ほどエンタメもあるのです。暗くなりがちな住処に笑顔がもどるように、バカらしい、恥ずかしいと思うような行動にチャレンジしましょう。この時期の大人チャレンジは、自粛明けの夫婦にきっとハッピーをもたらしてくれるでしょう。
◆監修・執筆/三松 真由美
会員数1万3,000名を超えるコミュニティサイト「恋人・夫婦仲相談所」所長として、テレビ、ラジオ、新聞、Webなど多数のメディアに出演、執筆。夫婦仲の改善方法や、セックスレス問題などに関する情報を発信している。『堂々再婚』『モンスターワイフ』など著書多数。