女性手にレッドのハート

「なんか変かも?」と胸騒ぎ……夫が鬱になった時妻はどうすればいいのか

2020/05/11

家事も育児も、「こうしなきゃ!」をバッサリ減らし、気楽さを心がけたら、夫と息子の笑顔が増えました。うつ病になった夫を支えた妻の体験談&夫がうつになった妻の心をラクにしたおすすめの本をご紹介します。

<夫がうつになった人>
『サンキュ!』読者 Mさん(埼玉県 42歳)
夫(42歳)、長男(1歳)の3人家族。夫は会社員で新規事業開発を担当。Mさんはメーカー勤務で営業担当。40歳で息子を授かり、1年の産休・育休を経て復帰。

うつになるまで

【2019年1月】
夫が転職。妻は育休中。

【2019年4月】
子どもを保育園に預け、妻が職場復帰。夫は息子の朝のごはん、支度、保育園の送りを担当。息子がぐずり登園が遅れることが増え、夫は会社を遅刻ぎみに。このころから元気がなくなり始める。

【2019年5月】
夜眠れなくなり、朝起きるのがつらくなる。

【2019年6月】
会社に行けなくなる。一~二週間休んだが改善しない。

【2019年7月】
メンタルクリニックを受診。「うつ病」と診断され休職。

【2019年7~9月】
薬に慣れるまでに時間がかかり、一進一退の状況。

【2019年10月】
心理療法士のカウンセリングと検査を受け、軽度のアスペルガー症候群であることがわかる。ここから夫の表情が明るくなる。

【現在】
少しずつ元気を取り戻し、仕事のことを考えられるように。職場復帰を意識し始める。

「なんか変かも?」と胸騒ぎ。夫の様子がおかしい……

疑問符の概念
GOCMEN/gettyimages

昨年1月に転職した夫は「仕事が楽しい」と言いながら、いきいきと会社に。私は何の心配もなく育休を取り、初めての子育てに奮闘していました。ところが4月、私が職場復帰して生活リズムが変わって以降、息子の朝の保育園送りを担当している夫が会社をたびたび遅刻していることに気づきました。「子どもがごはんを食べないから」「ぐずるから」というのが理由でしたが、私の心はざわつきました。間もなく夫は夜、寝つけ、朝は起きられなくなり、とうとう会社を休むように。私は早く病院に行ってほしいと願いましたが、夫が「様子をみたい」と言うので、その希望を尊重。でも1カ月たっても症状が改善しないため心療内科を受診。診断は「うつ病」でした。

妻がいちばんつらかったのはどんなこと?

「なんでうつ病になってしまったのかな?」「私のせい?」と、夫のうつ病の原因探しの日々が続きました。夫の支えがあったから育休のあとに職場復帰できたのに、私は夫を支えられなかった……という自責の念も。とはいえ、夫は薬のおかげで眠れるようになり、休職から3カ月後には家族旅行ができるまでに回復。旅行先で夫は、初めて悩みを打ち明けてくれました。それは、「みんなが当たり前にできることが自分にはできない」こと。私も今までの人生で、同じようなことに悩むことが多々あったので、夫の気持ちが理解でき、そんな夫を支えたい、と思いました。同時に、自分を責めている場合じゃないということにも気づきました。

今心がけていることは?

草フィールド湖景観公園背景素材
Tsubasa Henmi/gettyimages

その後、夫は自分の意思で発達知能検査を受けました。そこで、軽いアスペルガー症候群であることが判明。「ほっとした。職場でのつらさは自分のせいというより、障がいのせいと割り切れた」と夫は言い、その診断を境に、これまでずっと消えていた表情が久しぶりに戻ってきました。夫は今、職場復帰に向けて準備中。私は「夫ファースト」と決めてからは、家事も育児も「気楽でよし」としました。私が気楽でいると、息子に笑顔が増え、夫も笑うように。この春は家族3人、明るく過ごせそうな気がします。

妻が心がけたこと

1 今は夫が最優先、息子は気楽に育てることにした

comzeal/gettyimages

息子がごはんを食べなくても「1週間で栄養バランスを取ればいいよね」「ミルクを飲ませればいっか」と気楽にやることに。今は息子より夫を優先させています。

2 自分を責めるのをやめた

以前は「私のせいで」と自分を責め、負のループに陥っていました。でもそんなことをしても夫の回復にはつながらない。だから、自分を責めるのはやめました。

3 天気がいい休日は家族で公園に行き、太陽の光を浴びるようにした

ガーデンベンチ
wat/gettyimages

夫の体力回復のためにも休日は家族で公園に行き、午前中の太陽の光をたくさん浴びるように。子どもが喜ぶし、太陽のエネルギーももらえるしで一石二鳥です。

夫がうつになった妻の心をラクにした本

「心の支えになったのは、ネットの情報よりも本」と話す経験者が目立ちました。うつのことがわかって、「この先」の希望を示してくれる3冊を紹介します。

1 うつヌケ うつトンネルを抜けた人たち

(田中圭一/KADOKAWA)

17名の体験談が漫画に。全員がうつのトンネル状態を抜け出していて、その過程と、うつとどうつきあっているのかがわかりやすく描かれているのがいい。「うちの夫も必ずうつヌケできる」と信じさせてくれた、救いの1冊。(AIさん・埼玉県・41歳)

2 ツレがうつになりまして。

(細川貂々/幻冬舎)

うつ病になった夫と妻の視点で描かれた漫画エッセイ。2人の不安や焦り、こだわりがわかりすぎて涙。夫の病を機に自分を見つめ、「調子が悪いくらいでちょうどいい」と割り切った妻にも共感。(松さん・東京都・44歳)

3 うつ病の人の気持ちがわかる本

(大野 裕、NPO法人地域精神保健福祉機構コンボ/講談社)

夫が10年余りうつに(今は元気ですよ)。「うつ本」を30冊以上読みましたが、うつの人の気持ちが最もわかりやすく描かれていると思ったのがこれ。イラストが多いので本が苦手な人にも。(編集部員K・東京都・51歳)

参照:『サンキュ!』2020年5月号「もしも、うちの夫がうつになったら……?」より。掲載している情報は2020年3月現在のものです。取材・文/宇野津暢子 編集/サンキュ!編集部

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