約半数の人が「身近で災害にあった人がいる」と回答。災害時困ったこと、日ごろから行っている災害対策とは?
2020/08/07
主婦173人にアンケートをとったところ、約半数の人が、「自分もしくは家族や知人で災害にあった経験がある」と回答しました。そこで、災害のとき困ったこと、備えておいて役立ったものなど、くわしく教えてもらいました。
何らかの災害にあった経験がある人は約3割
「ご自身が災害(震災、火災、水害など)にあった経験がありますか?」の質問に、「はい」と答えた人は全体の30.1%でした。
家族や知人が災害にあった人は約半数
「ご家族や知人が災害(震災、火災、水害など)にあった経験がありますか?」の質問には、48.6%の人が「はい」と答えました。
約6割の人が災害に関して対策をしている
「ふだん災害に関して対策をしていますか?」の質問に、60.7%の人が「はい」と回答しました。
どんな災害対策をしているか?
ふだんから災害に関して対策をしているという人に、どのような対策をしているか、当てはまるものを選んでもらったところ、いちばん多かったのは「食料の備蓄」、次に「災害用品(懐中電灯、災害用ラジオ、災害用充電器など)の備蓄」、「日常品(トイレットペーパーなど)の備蓄」が続きました。
災害経験者に聞く「災害時、困ったこと」は?
災害にあったことのある本人、または家族や知人に、災害で困ったことについて、種類別にくわしく教えてもらいました。
<食事で困ったこと>
「ストックが全くなかったので、お店に買いに行くと開店前から数時間並んでいて、品切れも多かったです。」
「停電すると冷蔵庫で食材の長期保管ができず、小まめに買い物に行かないといけない。」
「ガスが復旧するまで温かい料理が食べられなかった。」
「浸水で家電が全滅し、外食やおべんとう生活が続いた。」
「水がなくなったこと。」
「父が糖尿病で、普段は食事制限をしているが、災害時、糖尿病用の食事をつくる余裕がなく、ふつうの食事を食べさせざるを得なかった。」
「祖父が病気で流動食だったが、病人食がなかなか手に入らなかった。」
<食事以外の日常生活で困ったこと>
「トイレが流せなかった。」
「お風呂に入れなかった。」
「飲み水以外でも、思った以上に水が必要だと気づいた。」
「電気が止まって現金が下ろせなかった!」
「スマホが充電できず困った。」
「テレビがつかないので、ネットのデマ情報などにビクビクした。」
「道路が冠水。車も使えず、家にいるしかなかった。」
「ガソリンスタンドが長蛇の列で給油できず困った。」
「停電で信号が止まり、道路が大混乱で怖かったです。」
「夏のような暑さのなか停電。冷房が使えず辛かった。」
「マンション暮らしのため、エレベーターが止まり、階段を上るのが大変だった。」
「手持ちの衛生用品が家もお店も少なくなり不安だった。」
「電池、ライター、ロウソクが売切れ。マッチだけは売っていた。」
「靴の中にガラスの破片が入って履けなくなり、それ以来枕元にスリッパを用意して寝ていると聞きました。」
「自宅がダメになり、改築している間親戚宅にお世話になり心苦しかった。」
「寝たきりの家族が、体育館の冷たい床に寝かされて、病気が悪化した。」
<連絡で困ったこと>
「Wi-Fiが切れていたので速度制限がかかり、通信に時間がかかった。」
「ネット回線も混み合って通信できず、ほとんど連絡がとれなかった。」
「携帯電話がまったくつながらなくなりました。」
「携帯の充電ができなくて不安でした。」
「地震の後3~4時間ぐらい着信も発信もできなかった。」
「心配していろんな人が連絡をくれたけど、バッテリーがなくなるので電源を切ってしまった。」
「携帯が不通で、外にいた家族となかなか連絡がとれなかった。」
「119番通報しても『今手一杯』と言われるばかりだった。」
「電話はつながらなかったけど、LINEはできた。」
<子どもや赤ちゃんで困ったこと>
「赤ちゃんのミルクや離乳食づくりが困った。」
「ミルクやおむつが足りなくなった。」
「哺乳瓶が洗えない。」
「食料のストック分も限界がきてしまい、子どもは空腹をガマンできず辛かった。」
「水分を十分にとれず便秘になった。」
「赤ちゃんの夜泣きがあるので避難所に行けなかった。」
「台風の大雨の中、小さい子どもを連れて避難するかどうか迷った。」
「避難所でのおむつ替えや授乳の場所に困った。」
「支援物資の中には、小学生、中学生向けの下着や服が少ないです。」
「子どもの心のケア。2歳でもいつもと違う日常を感じていて、よく夜泣きをしていた。」
「3歳の息子がしばらく音に敏感になって、地震速報や携帯の音を怖がった。」
<女性として困ったこと>
「生理中でもすぐにトイレに行けない。」
「生理用品が足りるか心配。」
「避難所でも生理用品はなかなか手に入りませんでした。」
「ムダ毛の処理ができなくて、施設でお風呂を開放してもらったときはうれしかったけど恥ずかしさもあった。」
「帰宅途中でのトイレ。」
「避難所のトイレが外で、穴を掘ったところにあり、行きたくなかった。」
「避難所のトイレは夜は怖くて(犯罪が起こりやすい)行けない。」
「避難所での着替えが困りました。」
「支給される下着のサイズが合わない。」
「メイクが落とせず肌が荒れる。」
<その他>
「引っ越したばかりでご近所づきあいがなく、地元の情報が入ってこなかった。」
「ストレスからか突然高熱が出て体調を崩しました。冷却シートや薬は常備しておいたほうがいいです。」
「祖母の介護ベッドが頭が上がった状態で動かなくなったので、寝るときは家族総出で祖母を布団に下ろして寝かせていました。」
「いろんな方がボランティアに来てくれたが、毎日違う方なのは少し不安。」
「震災で家族が家に帰って来られず1人でいるときに、『避難させてほしい』と知らない人が家に来た。女性のかただったけど、私1人だったので不安でした。」
「落下物や割れ物の片づけが大変でした。」
「浸水の後の片づけが大変!」
「犬が逃げてしまい、見つけたときにはおびえていて、ふだんはおとなしいのに、知っている人にも威嚇するようになってしまった。」
「家の中の何が震災で壊れたものか証明するのに困ったそうです。」
災害経験者が語る「便利だったもの・やっておいてよかったこと」とは?
災害のときにあって便利だったもの、やっておいてよかったことを教えてもらいました。
「とにかく備蓄をしておくこと。衣食住に分けて、必要なものを具体的に考えて想像して準備しておいたことがよかった。」
「自然解凍で食べられる冷凍食品があったのはよかった。」
「お風呂に貯めておいた水でトイレが流せました。」
「手回しラジオで情報収集できたのはよかったです。」
「キャンプを始めた頃だったので、カセットコンロやランタン、寝袋など、災害時に使える物があった。」
「防災マップと防災グッズを準備しておいたこと。」
「懐中電灯。いつも枕元に置いていたのですぐ使えました。」
「大震災の数日前に地震があり、そのときに家具を固定しておいたのはよかった。」
「食品用ラップは洗い物ができないときに便利です。」
「食器が割れてしまい、紙皿や紙コップが役立ちました。」
「近所づきあいがあったおかげで声かけで励まし合えた。」
「保険には入っていた方がいいです。」
日頃からの備えが大切と実感
食べ物や水、生活用品の備蓄など、日ごろからの備えが大切であることを実感している声が多くあがりました。防災の専門家に、避難所での配給や支援物資では、赤ちゃんグッズや生理用品、病人食や持病の薬などは手に入りにくく、流通が回復しても手元に届くまで時間がかかると聞いたことがあるので、多めに準備しておくとよさそうです。
(文・田谷峰子)
*サンキュ!モニター173人アンケート調査 2019年11月実施