その使い方で大丈夫?間違えやすい日本語「敷居が高い」の本当の意味とは
2020/08/29
みなさんは、いつも使っている日本語の意味を正しく理解できていますか?よく意味を調べないまま使っていると、とんでもない勘違いをしているかもしれません。たくさんの人が意味を間違えている言葉が、実はいろいろあるのです。
意味を間違えやすい日本語の言葉について、国語科教員免許を持つサンキュ!STYLEライターのdanngoさんが解説します。
「敷居が高い」の使い方、どちらが正しい?
今回は、「敷居が高い」という言葉の使い方について考えてみましょう。次の2つの例のうち、どちらが正しい使い方だと思いますか?
【A】若い時に借りたお金をまだ返していないので、伯父の家は「敷居が高く」感じる。
【B】有名な政治家が利用すると聞いたので、あの料亭は「敷居が高く」感じる。
正解は……
答えはAでした!
「敷居が高い」という言葉は本来、「不義理なことをしてしまってその家に行きにくい」という意味をあらわします。ところが最近は、「店などが高級すぎて入りにくい」といった意味で使われることが多くなっています。
「敷居」というのはそもそも、戸やふすま、障子など横に引く建具の下についた溝のある板材のこと。和室には必ずといっていいほどあるものですが、洋風の建築が増えた今では目にすることが減っているかもしれません。
この敷居が高いということは、家に入ることが難しいということ。それで「悪いことをしたからその家に行けない」というニュアンスになりました。
ところが「入りづらい」というイメージだけが独り歩きしたのか、「高級感があるから行きづらい」という意味に間違われるようになったようです。
世代間で理解度に差があることも多いので、年の離れた人に手紙を書く時などは特に気をつけたいところです。
とはいえ、長い歴史の中で言葉の意味が少しずつ変わっていくのは自然なこと。勘違いされている意味も、「最近では」「俗に」という言葉を添えて辞書で紹介されることが増えてきています。正しい意味をふまえたうえで、間違った意味も受け入れていく柔軟さがあってもいいかもしれませんね。
◆記事を書いたのは・・・サンキュ!STYLEライターdanngo
国語科教員免許と漢検準一級を持つ、アラフォーの専業主婦。二児の母で、子育て関連の記事を書くのが得意です。本を読むのが大好きですが、一度読み始めると家事がおろそかになってしまうのが悩み。子どもの遊び相手をすると本気になりすぎて怒られ、家事は手抜きになる一方です。甘いもの、日本の古いものをこよなく愛しています。