大きな揺れを感じたらトイレと玄関どっちに逃げる!?防災クイズチェック!
2022/09/04
日々の暮らしを脅かすさまざまな自然災害。災害に備えたいとは思っていても、なかなか行動に移せないことも。今回は、「もしものとき、どうするべきか、何を備えるべきか」を徹底取材。気になるコロナ禍での対策についてもご紹介します。
<教えてくれた人>
辻直美さん
国際災害レスキューナース。一般社団法人育母塾代表理事。看護師として活動中に阪神・淡路大震災を経験。災害医療に目覚め、看護師歴28年、災害レスキューナースとしては25年活動している。被災地への派遣経験をもとに、本当に使える防災術を伝えるべく、幅広く活躍中。
『レスキューナースが教えるプチプラ防災』(扶桑社)
間違いがちな防災の常識をクイズでチェック!
いざというときにどう動くか。今まで「正解!」と思ってきたことは、実は危険な選択かもしれません。「災害の常識クイズ」で正しい選択を学びましょう。
Q 家で震度4以上の地震に遭遇!あなたのとるべき行動はどれ?
(1)身を守る (2)火を消す
A 正解は「(1)身を守る」
最近のガスコンロやストーブは、揺れを感知すると自動的に火が止まるようになっています。揺れている最中に火を止めに行こうと動くのはかえって危険。まずは自分の身を守ることが先決です。頑丈なテーブルの下や、物が倒れてこない場所を選び、頭と首、手首を守りながら、ダンゴムシのように丸くなって、揺れがおさまるのを待ちましょう。
Q 大きな揺れを感じたら、どっちに逃げたらいい?
(1)トイレ (2)玄関
A 正解は「(2)玄関」
「トイレは狭い空間に柱が多いので安全」といわれていたのは、今や昔。トイレは、閉じこめられる危険性が高いため、避難場所としては適当ではありません。出口となる玄関に向かい、いざというときに脱出できるようにしておきましょう。
Q 地震発生時、家の中で子どもと離れていたら、どう声をかける?
(1)ママの所においで! (2)ママが行くから待ってて!
A 正解は「(2)ママが行くから待ってて!」
つい「こっちにおいで!」と叫んでしまいそうですが、揺れているなかで慌てて動くのは危険です。心細い思いをしている子どものために「ママが行くよ!」と大きな声をかけて安心させ、その場から不用意に動かないようにさせましょう。
Q 水害発生!避難するのはどのタイミング?
(1)警戒レベル1 早期注意情報
(2)警戒レベル2 大雨洪水注意報
(3)警戒レベル3 大雨洪水警報
(4)警戒レベル4 土砂災害警戒情報
(5)警戒レベル5 大雨特別警報
A 正解は「(4)警戒レベル4 土砂災害警戒情報」
警戒の呼びかけに「避難命令」という言葉はありません。災害の危険があるエリアに居住している場合は、警戒レベル2、3で準備をし、4になったらすぐに避難を。小さい子どもや高齢者などがいる場合は、警戒レベル3で避難を始めたほうがいいでしょう。
NO!コロナmemo
早めの避難が重要。避難場所もチェック!
コロナ禍では、避難所の収容人数を通常よりも抑える可能性があります。遅れて行ったのでは避難所に入れない場合もあるので、早めに行動を。また、複数の避難所を調べておくのも手。
Q 緊急避難!優先して持ち出すべきはどれ?
(1)水や食料 (2)衣類 (3)情報収集機器 (4)常用薬や眼鏡
A 正解は「(4)常用薬や眼鏡」
避難時に、いちばん困るのが、常用薬や眼鏡など、個人的な必需品。水や食料は配給があっても、常用薬や眼鏡などの対応はどうしても後回しになってしまいます。常用薬がある人は、医師と相談のうえ、可能な限りストックして。避難時に忘れずに持ち出すようにしましょう。
NO!コロナmemo
除菌用のアルコールやウェットティッシュ、マスクも、自分の分は自分で用意しましょう。
在宅避難それとも避難所へ?ハザードマップで起こりうる災害の危険度をチェック!
ハザードマップとは、自然災害による被害予想を地図化したもの。自宅や職場などの危険度がチェックできます。また、避難所や災害時拠点病院などの情報もあり、避難ルートなどがわかります。
国土交通省ハザードマップポータルサイト
https://disaportal.gsi.go.jp
Q 家の中が停電に!冷蔵庫の食料はどうする?
(1)すぐに食べる (2)扉を開けない
A 正解は「(2)扉を開けない」
冷蔵庫は、扉を開けなければ、停電後もしばらくは温度を保っていられます。「すぐに中の物を食べなければ!」と扉を開けると、たちまち外気が中に入り、庫内の温度が上がってしまいます。そのまま閉じておけば、冷蔵で3時間、冷凍で半日は温度を保てます。さらに、ふだんから冷蔵庫をきちんと整理し、中身を扉にメモするなどしておけば、食品を取り出す時間を短縮でき、庫内の温度が上がるのを遅らせることができます。
ローリングストックで使いながら備えましょう
ローリングストックとは、ふだんから利用している食品や日用品を少し多めに買っておき、使ったら使った分だけ新しく買いたしていく方法。消費しながらストックするので、常に一定量のストックができます。
Q 災害用伝言ダイヤルはどれ?
(1)171 (2)177 (3)117
A 正解は「(1)171」
災害時、通信がパンク状態になってしまったときなどに提供される安否確認サービス。固定電話、携帯電話、公衆電話のどこからでもかけることができ、伝言の録音と再生が可能。家族や親類の安否確認や連絡手段として便利です。番号の覚え方は「171=イナイ」。体験利用日もあるので、家族で試しておくのもおすすめです。
Q 避難生活をする場合、水は1日当たり1人何リットル用意しておけばいい?
(1)1人1L (2)1人2L (3)1人3L
A 正解は「(3)1人3L」
「そんなに必要?」と思うかもしれませんが、飲料、食用だけでなく、体や手を拭くなど、身のまわりすべてに使うことを考えれば、3Lはギリギリの量。これを家族の人数分用意する必要があります。家で避難生活を送る場合は、10日分(1人30L)、避難所に持ち込む場合は3日分(1人9L)。いつまで続くかわからない断水状態を想定して、用意しておきましょう。
参照:『サンキュ!』2020年10月号「コロナ時代の防災対策」より。掲載している情報は2020年8月現在のものです。監修/辻直美 構成・文/田久晶子 編集/サンキュ!編集部
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