完璧主義で片づけられない人は完璧の矛先を変えてみよう
2023/09/08
サンキュ!STYLEライターの渡部夏代です。
片づけられない人には、「完璧主義」あるいは「自分は完璧主義だと思っている」傾向があるとよく聞きます。
実際に、いろいろな人のお話をお伺いすると「確かにそうだな」と思う節が多々あります。
片づけにおいて、どちらかというとネガティブ要素が強い「完璧主義」。
完璧主義であるために片づけられない(あるいはそう感じている)人に、「完璧主義をやめろ」と言っても、考え方を変えるのはなかなか難しいことです。
私は完璧主義の人に対して、別の視点を持つことをおすすめしております。
そもそも完璧主義とは?
改めて「完璧主義」の言葉の意味を探ると、「自分自身に高い成果を要求する」「自分の基準を厳格に設ける」などとありました。
また、自己評価もとても厳しく、失敗に対して強く反応する、つまり失敗は許せないと感じやすいそうです。
ものごとに対するモチベーションは高いのですが、一方でストレスも抱えやすいのだとか。
また、他人からの評価も気にしやすいのだそうです。
人間には大なり小なりこれらの傾向はあると思います。
しかし、完璧主義の要素が強すぎると「生きづらい」日々になってしまいそうです。
片づけにおける完璧主義の人の傾向
私が思う完璧主義の人の片づけ傾向は次の通りです。
・理想を高く持っている
・理想通りの部屋にならないと「ダメ」だと考えている
・結果がすべで、0か100のジャッジになりやすい
・100%にならない可能性がある場合は、1%も取り掛かることができない
・他人から「片づいている」と思われたい
一番の特徴は、0か100のジャッジになりやすいところです。
100%できる見通しがないと片づけを始めることができません。
「まとまった時間を取れないと片づけに取り掛かれない」と思い込むのはまさにその典型です。
結果、先延ばしが繰り返されて、気がついたときには手がつけられない状態に追い込まれています。
対策:片づけの結果ではなく、片づけの進め方を完璧に
「完璧じゃなくても半分達成できればいいんじゃないの?」と助言したくなりますが、本人にはあまり響きません。
完璧主義な人はそれが性分。基本的に「完璧であるべき」「完璧であらねばならない」という思考が根本にあります。
他人が考え方を根本から変えるのは不可能です。
ただ、「こんな方法もあるよ」と提案はできます。
そこで私がおすすめしたいのは、完璧主義をうまく利用する方法です。
完璧主義の人は結果に強くこだわりますが、結果ではなくプロセスに完璧を求めてみてはいかがでしょうか。
例えば、オリンピックの選手が金メダルを取れば「完璧」でしょうか?
反対に、「もし金メダルを取れなかったら、オリンピックに参加することに意味がない?」そうではありませんよね。
自分のベストを尽くせることが一番で、順位はその結果としてついてくるもの。
そのために日々の練習をコツコツ行います。
「やれることをすべてやって、オリンピックに臨む」これが完璧なプロセスであると言えます。
片づけにもまるっと当てはまります。
100点満点の結果ばかりにこだわるのではなく、片づけのプロセスに完璧を求めていきます。
自分が思っていた通りに行動できたことに重きを置いてみましょう。
今日片づけをしようと計画を立てて実行できたなら、それは完璧な計画と実行であるといえます。
思った通りにタスクをこなせたら気分がよいものです。
完璧であることの視点を変えて、片づけに取り掛かってみてほしいと思います。
◆この記事を書いたのは・・・渡部夏代(わたなべなつよ)
整理収納アドバイザー2級認定講師、企業内整理収納マネージャー講座認定講師、ファイリングアドバイザー認定講師。
小さなころから好きだった片づけが仕事になりました。
ご家庭の整理収納サービスの他、オフィスや店舗、倉庫などの5S活動も行っております。
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