片づけをがんばっているのに散らかってしまう家がやりがちなこと
2024/10/23
「片づけても片づけても、部屋が片づかない!」「気がついたら、部屋が散らかっている」という家には、いくつかの共通点があることが多いです。
そこで今回は、暮らしスタイリストとして料理を始め家事全般の情報を日々発信されている河野真希さんに、片づけをがんばっているのに、散らかってしまう家がやりがちな4つの習慣についてお伺いしました。
執筆/監修: 暮らしスタイリスト 河野 真希
暮らしスタイリスト・一人暮らしアドバイザー・料理家。料理や家事、インテリアなど、気持ちのいい暮らしを作る、は...
【1】モノが捨てられない
「片づける」というと「モノをしまう」ことをイメージする人が多いかもしれません。でも、モノをしまうスペースに対して、モノが多すぎれば、収納しきれずに溢れてしまうのも当然です。すでに散らかってしまっている家は、収納力を越えて、モノを持ちすぎていることが原因かも。まず収納できる量まで『捨てる』ことからスタートしましょう。
ただ、モノを捨てることには、罪悪感も伴うもの。「モッタイナイ」「まだ使えるのに」と思ってしまうかもしれません。でも、そんなに大切に思うモノ、本当にちゃんと使っていますか。使いもせずに、ただ「持っているだけ」なのは、もっとモッタイナイこと。
例えば「1年以上使用していないモノは捨てる」などルールを決めて、モノの取捨選択をしましょう。「いつか使うかも」は散らかる原因。冠婚葬祭などの特別な日に使うモノを除いて、期限を切って判断するのがモノを思い切って手放せるコツです。
【2】持っているモノが把握できていない
「モノを捨てているのに、やっぱり部屋がモノで溢れてしまう」という家は、どんなものが家の中にあるのか、把握できていないのかも。表面的に目につくいらないモノは捨てていても、クローゼットや押入れの奥などにしまい込まれた、いわゆる「タンスの肥やし」がそのままになっていないでしょうか。
片づけをする上で、自分が何を所有しているのか、その全体像を把握することは大事です。開かずの間になっている収納があれば、一度全部出してみましょう。自分が持っていたことすら忘れていたモノが出てくる可能性が高いです。何を持っているのか把握したら、そこから取捨選択します。
また、「試供品をよくもらってくる」「流行ものが好き」という人は、気づかないうちにモノを増やしていることも。もらったり、買ったりすることで満足し、モノが増えたという自覚がないことがあります。何かをもらったり、買ったりする前には、どこにしまうかを考え、「しまう場所がないから、持たない」という選択肢があることも頭に入れておきましょう。
【3】モノの定位置が決まっていない
モノが収納できるスペースが十分にあるのに、それでも散らかってしまうのは、モノの定位置が決まっていないことが原因かもしれません。どこに何をしまうのかが決まっていないと、使ったあとに元にもどせず、モノが出しっぱなしになる確率が高くなります。テーブルの上や床、棚の上などに、雑多なモノがバラバラと出しっぱなしになっていると、部屋は散らかった印象になります。
モノの定位置を決めるのに大切なのは、使いやすさです。使用頻度が高いものは、目から膝の高さくらいまでの手の届きやすい場所に置きます。一方で、季節ものなど頻度が低いものは、その奥や目より高いところ、一番下にしまいます。例えばクローゼットの中であれば、毎日使う洋服やバッグ、帽子などを手の届きやすい場所を、シーズンオフの洋服や雛人形やクリスマスツリーといった行事ものはそれ以外を定位置にすると、モノの出し入れスムーズです。
ただし、その家に住む人にとって使いやすい定位置を決めるというのが最も大事で、最もむずかしいことです。定位置を決めたはずでも、使う場所とはしまう場所が離れていたり、子どもがよく使うのに手の届かない高い場所だったりすると、使ったあとにもどしにくくなって、また散らかってしまう…なんてことも。どうしても上手くいかないときには、プロに仕組みをつくってもらうのもアリ。家事代行業者や、整理収納アドバイザー、ライフオーガナイザーといった資格をもつ専門家に相談し、自分に合った収納方法をアドバイスしてもらってもいいでしょう。
【4】「誰かがやってくれるはず」と思っている
モノの定位置をつくっても、一緒に住む家族が複数いる家では、「誰かが片づけてくれるはず」と各々が思った結果、誰もやらずに散らかったまま…という状況になることがあります。片づけの負担がだれか一人にかたよってしまうと、不満にもつながります。
まずは「モノを使った人が元にもどす」というルールを家族の間で守ることが大切です。また、新しいモノが増えたときには、定位置がどこなのかを共有しましょう。
特にモノが出しっぱなしになっていると気になるのが、家族みんなが過ごすリビング。そこに家族一人ひとりの専用スペースをつくっておくと、モノの散らかりを防げます。箱やカゴ、引き出しなどを家族の人数分用意し、出しっぱなしになっているモノは所有者や利用者のスペースに放り込んでおけばOK。だれのモノか、だれが使ったモノかが明確になると同時に、その整理整頓を個人に任せるルールにすることで、片づけの負担のかたよりも防げます。
とはいえ、家族全員一気にそのルールを習慣化するのはむずかしいこと。気を長く持って、少しずつ意識を変えていきましょう。
◆監修・執筆/河野 真希
暮らしスタイリスト・一人暮らしアドバイザー・料理家。料理や家事、インテリアなど、気持ちのいい暮らしを作る、はじめるためのライフスタイル提案を行う。流行や思い込みにとらわれずに、無理なく持続可能で快適な自分らしい暮らしづくりを応援。 『料理教室つづくらす食堂』主宰。