築50年・収納少ない・62平米の団地をお金をかけずに片づく家に整えた方法
2021/03/14
夫婦と19歳・17歳の息子の4人家族。昭和な団地で心地よく暮らすnatumikuさんの片付け方法をお届けします。
<教えてくれた人>
natumikuさん(大分県 50歳)
夫、長男(19歳)、二男(17歳)の4人家族。結婚20年目。元美容師で、現在は清掃のアルバイト。二男出産後の産後太り解消に始めたランニングを続ける。息子独立後の夢は夫婦で古民家に引っ越すこと。インスタは@natumiku
◎HOUSE DATA◎
賃貸団地/築50年以上/3LDK 62平米
自然に片付く理由は?
natumikuさんが暮らす「ザ・昭和」な団地は、収納が少なく、狭いつくり。でも、使いたい場所に物が配置されて一目瞭然。だから自然に片づくのです。「生活に必要な物はひととおりあるし、若いころのようにパッと買ってパッと捨てることはもうしません。好きと思える物しか買わないようにしていたら、安らげる自然素材ばかりになりましたね」。
今は息子2人の学費のピーク。「家具や収納にお金をかける余裕はありません。でも、ある物を工夫して使う知恵は身につけたつもり。次はどんな使い方をしようかな?と考えるのが楽しいですね」。
キッチンさえ片づいていれば、きげんよくなれます
ごはん作りも趣味のお菓子作りもインスタの投稿もすべてキッチンで。1日の大半を過ごすキッチンを整えておけば、心が整うことに気づきました。
愛せる物しか持っていないから、堂々と「見せる収納」に
キッチンに「とりあえず買った」物はなく、全部が「すごく好き」な物。だから自信を持って出しっ放し収納に。結果、使いやすい。
プラから天然素材と金属製に少しずつ買い替えた
手ざわりとなじみのよさは、プラスチックよりも天然素材と金属製のほうが断然上。買い替えるごとに、より好きと思える物を選んでいるうち、キッチンの一角がお気に入りのコーナーに。
素材別にまとめれば見た目スッキリ
お気に入りの竹のかごに、毎日使うカトラリーや道具を収納。素材、形、高さが違っても、似た者どうしをまとめてグルーピングしているから、見た目が美しく、また目的の物がすぐ取れる。
水きりかご復活~食器の色みをしぼれば出しっぱでもゴチャつかない
水きりかごを洗うのが面倒で、一時しまっていたけれど、やっぱりないと不便で最近復活。夜中は乾燥がてらテーブルに出しっ放しでも、素材にゴチャゴチャ感がないからスッキリ見える。
「秒で取り出せる」は大切です
どこに何があるのか、はっきり見えていないと年齢的にも忘れがちな昨今(笑)。秒で取り出すために、物は隠さず、ぜんぶ見えやすくする工夫を。
扉をはずしたら、「何を持っている」と「どこにある」がぜんぶ見える
扉があるとどこに何があるかを忘れ、使用頻度も下がるので、シンク上収納の扉を撤去。扉が邪魔しないから物が目に入るし、なにしろ取り出しやすい。最上段の道具もよく使うように。
以前は扉がありました。
「何が入ってるか忘れるんですよね~」。
引き出しの中の物は重ねない
物が重なると、下にある物が何だかわからなくなるし、引き出しの開け閉めがしづらくなる。「何があるかひと目でわかる&秒で出せる」状態を保つために、重なるほど物は入れないのが鉄則。
収納グッズを買う前に、「 今ある物を使えない?」と考え抜く
収納グッズを買わなくても、発想の転換と工夫をすれば、今家にある物が別の場所で生かせる。グッズを買うのは最後の最後!
押し入れを息子2人の机に改造。カラボ活用で買いたしはナシ
2人分の机とベッドを置くには狭い子ども部屋。ならば押し入れの上段を机に、下段にベッドを差し込もう!と工夫。学用品は手持ちのカラボに、ベッドは二段ベッドをバラして活用。
使いみちがたくさんなければ買わない。うちのはぜんぶ「働くかご」
○○専用など、使いみちが1つしかない収納用品は買いません。何通りもの働きをする「働くかご」こそ、わが家に必要な収納グッズ。
少ない収納スペースをかごで補完
「わが家には収納が少ない」。その大前提のもと、収納場所の不足はかごで補う。軽くて、何でも受け入れる懐の深さがあるかごは、いつだって強い味方。
私のランニング用のウェアをIN
ランニングウェアはリビングの隅が定位置。ここにあればパッと着替えて、すぐ走りに行ける。
小さな下駄箱に入りきらないサンダル
下駄箱が小さく、家族分ぜんぶが入りきらない。だからかさばらないサンダル類はかごに収納。
カトラリーとふきん
カトラリーとふきんは電子レンジの上にまとめて。通気性がよく衛生的なのも、かごのよさ。
食卓にみかん
食べかけのおやつやみかんはかごに入れてテーブルに。量により大中小のかごを使い分けて。
どこで何を収納するかイメージできたら買ってヨシ
床に置いて鉢カバーにしてもいいし、壁につけて枝物を挿すのもかっこいい。使う場所と収納したい物が具体的に浮かんだから購入を決定。ちなみにこの団地は取りこわしの予定があり、壁に画びょうを刺すのはOKだそう。
ちなみに「かわいい!」だけでは買わない、もらわない
かわいくて一瞬テンションが上がっても、すぐに買ったりもらったりしません。どれだけ長くわが家で使えるか、冷静に考えるのが習慣。
夫の実家の物置で見つけた、ブリキの古い米びつ。うちの収納に収まらなかった温風ヒーターを入れるのにピッタリだったのでいただく。いすにもなる。
これも同じく夫の実家の物置で発見。今は鍋としてではなく根菜入れとして、キッチンの隅で活躍中。ステンレス製で洗いやすく衛生的。
約20年言い続けても片づけない夫。散らかす場所ごとに「何でも置き場」を
夫は片づけない派……いや、片づけることに意味を見いだせない派。だからあきらめて夫が散らかす場所ごとに「何でも置き場」を設置。
@テレビ前のローテーブル
「テレビ見ながら使う物BOX」で、置きっぱと迷子がなくなった。
テレビ前のテーブルに放置されがちな夫の「テレビ見ながらグッズ」は、まとめてかごに。ここにさえ入っていれば散らかって見えない。
@リビング
「かごにポイ式」で、リビングでの服の脱ぎ散らかし撲滅に成功。
夫が脱いだ服を脱ぎっ放しにしがちなソファの横。ここにもかごを置き、脱いだ服を投げ込むように誘導。パジャマもこの中が定位置に。
@リビング
出かけるときに持っていく物は夫専用の小引き出しに集約。
夫が毎日身支度をする棚の上に、小引き出しとトレーを設置。夫が持ち出す物がすべて集まっているから、散らからないし迷子にもならない。
飾り方にもルールがあります
「小物は3つ」が収まりがいい
インテリアとして置く小物は1つだと寂しく、2つだとバランスが取りづらい。ベストなバランスは高さ違いの3つ!それ以上あると多すぎて、ゴチャッと見えてしまう。
ナチュラル系は飽きないし、いちばん落ち着く
ランニング中に拾ってくることが多い枝物や木の実などと相性がいいのが、シンプルでナチュラルなガラスびんや木の板。息子たちが昔描いた絵を真ん中の特等席に飾って。
・植物
・かご
・ガラス
・白い壁
・木の家具
植物は、ドライとグリーンとを分けて飾るとしっくりまとまる
同じ植物でもドライはシックな雰囲気、生はイキイキした印象。コーナーに分けて飾るとまとまりがいい。
グリーンのコーナー
ドライのコーナー
参照:『サンキュ!』2021年3月号「リバウンドせずに片づく家の作り方」より。掲載している情報は2021年1月現在のものです。撮影/林ひろし 取材・文/宇野津暢子 編集/サンキュ!編集部
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